優秀な社員を辞めさせないための13の方法|トピックスファロー

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2012年9月17日
優秀な社員を辞めさせないための13の方法

世の中うまくはいかないもので、辞めさせたいと思っているダメ社員ほど会社にしがみつき、手放したくないと思っている優秀な社員ほど会社から羽ばたいていくのを止められないものです。どうすれば優秀な社員を手元においておくことが出来るのでしょうか?

WEBライター
  

手放したくない優秀社員を手元に留めるためにすべきことは?

会社経営をしていると、瑕疵のない完璧すぎるくらいに優秀な社員、人格面に問題はあるが仕事は悪魔のようにこなせる社員、仕事は人並み程度だが人柄が取引先からも認められている社員、仕事も人格も最低でいかに権力のある上司に取り入るかしか考えていない幇間社員など、様々な本質が見えてくるものです。

そして、得難く手放しがたい優秀な社員ほどキャリアアップのための転職に踏み切ることに躊躇がなく、手切れ金を払ってでも辞めさせたい社員がダラダラと会社に残り社内の空気を悪くしてしまうことにも気づくはずです。
どうすれば、優秀な社員を辞めさせないことが出来るのでしょうか。

企業文化・社風を正しく知ってもらおう

優秀かどうかは差し置いても、社員が会社を去りたいと思う原因の一つには「社風が自分に合わない」と感じることです。

社風や企業文化というものは明文化されていない暗黙の了解です。暗黙の了解は明示されない上に、共有している者だけが独り占めして、共有できていない者をつまはじきにするために利用されやすいのです。

大事な社員を手放したくないのであれば、社風や企業文化を明文化して社員全員が共有できるようにしなければなりません。一部の社員の特権としての社風や企業文化が利用される会社に未来はありません。

社員の個性は多様性があるのが当然

経営者にしてみれば、自分の意見に逆らわない、趣味も嗜好も血液型も全てが自分好みの人間だけを雇いたいと思うものです。その方が指示しやすく、楽だからです。
しかし、画一化された社員だけで構成された会社は活気が感じられないし、他の会社にしても末永い取引をしたいとは思わないものです。

社員の画一化は組織の硬直化を進め、会社の寿命を縮める原因にしかなりません。優秀な社員なら画一化される前にとっとと会社を見捨ててしまいます。

多様性がない組織や集団は近い将来に崩壊を迎えるものです。多様性と個性のぶつかり合いにこそ未来と可能性があるものと心得ましょう。

企業の社会的責任を全うする

経済学的に言えば、企業というものは事業によって発生する利潤の最大化に努めることが行動基準であるとされています。しかし、利潤を追求すればするほど法令や社会的通念が枷になってくるものなので、法令違反を確信的に繰り返している会社も少なくありません。
このような法令違反が日常的な会社には、本当の意味での優秀な社員はいません。仕事が出来る社員が居ても、会社の法令違反に目をつむっているのであればそれはただの悪党と断じられてしかるべきでしょう。

企業は利潤最大化を追求するだけでなく、社会の一員として公正かつ貢献する「企業市民」としてふるまうことが求められています。法令を遵守することは当たり前で、寄付や環境保全活動などの社会貢献を行うのが企業市民の正しい姿なのです。

ルールの範囲内ならば自由に振る舞わせる

経営者の中には社員のプライベートまで監視して、自分の思い通りに振る舞わない社員を更迭・解雇しようと目を光らせている人も少なくありません。
「雇用関係にあるのだから、社員は自分の所有物でありプライベートなど必要ない」と思っているのでしょうが、普通の人はそんな気持ちの悪い考え方の経営者の元で働きたいと思わないものです。

社則などのルールで定められていないのであれば、社員のプライベートまで干渉するべきではありません。休日にどこに行こうが、退勤後に資格取得の勉強をしようがそれは社員の自由にさせるべきです。

社員が会社に求めている物の変化を敏感に察知する

時間の経過はさまざまなものを変化させます。食べ物であれば腐敗して食べられなくなるし、新芽も若木を経て大樹となっていきます。人も同じことで、よちよち歩きの赤ん坊も一人で歩けるようになりやがて親となって孫を見守る立場になります。
それを忘れて社員に対しての仕事の割り当てや待遇も入社時と変わらないままにしていれば、歳を重ねて老いた社員は疲弊するし、家族を養わなければならない社員は困窮してしまいます。

優秀な社員を逃がさないためにも、経営者は社員が会社に求めている物がどう変化しているかを正確に把握し、仕事の割り当てや待遇を変えていかなければなりません。

論功行賞を公正に行う

人はたとえ無報酬のボランティアであっても、何かを成し遂げたのであれば見返りが欲しくなるものです。見返りはお金や物品などの有形の物だけでなく、労いや感謝の言葉のような無形の物も含まれます。
しかし、どんなに困難な事業を達成してもその成果や褒賞が他の人に横取りされてしまうのが当たり前だったらどうでしょうか。頑張っても正当に評価されない会社に忠を尽くす理由はないのです。

経営者は全ての社員を公正に扱い、論功行賞を正確に行って社員の出した成果に正しく報いらなければなりません。お気に入りの社員を出世させるために他の社員が出した成果を付け替えるような真似は慎むべきです。

福利厚生は社員のためになるものを用意すべし

就職の際に会社を選ぶ基準として大きいのが給与形態ですが、実際に入社してみると「給与ではなく福利厚生が充実している会社を選ぶべきだった」と感じるものです。
福利厚生には住宅手当や家族手当から社内食堂・社員旅行まで様々な形がありますが、昔はごく当たり前であった社員旅行を嫌がる世代も増えてきているように、ただ用意すれば喜ぶという単純なものではなくなっています。

福利厚生を用意する場合は、社員のニーズを事前に調査しておきどのような内容が喜ばれるのかを分析した上で提供するようにするとよいでしょう。

最高のパフォーマンスが発揮できる環境の整備

かつてはコピー機・ファクシミリを導入すればOA(オフィス・オートメーション)化されたといわれたものですが、今の情報社会では光回線接続のパソコンが一人一台あるのが当たり前です。
しかし、配備されているのが型落ちしたパソコンでコピーソフトがインストールされているような環境で働いている人も少なくなく、十分に実力を発揮できないことを苦にして転職を図る人も多いのです。

経営者は、最新型とまではいかなくても限界までメモリを積んだパソコンの配備や、業務に必要なソフトウェアや周辺機器の購入など、社員全員に最高のパフォーマンスを発揮できるような労働環境を提供することが義務であるといえます。

プライベートな時間まで会社に捧げさせない

高度経済成長期におけるモーレツ社員は、「働けば働くほど給与が貰えて家族が喜び会社も躍進する」という三段論法的な根拠があったからこそ、しゃにむに残業してでも働いていたものです。
しかし、バブル崩壊以後は終身雇用制の崩壊や大規模人員整理などで、いかに会社に忠を尽くしても報われることが無くなったにも関わらず、サービス残業のようにプライベートな時間を搾り取ってでも低賃金で働かせようとする企業は少なくありません。

いかに優秀な社員であっても、休む時間まで搾取されるような会社には忠を尽くす義務はないと見切りをつけてしまうでしょう。

もしも、あなたの会社でサービス残業がまかり通っていたら、会社の構造を見直してサービス残業しなくても成立するように整理を行うべきです。いかに会社といえども社員から家族と共に過ごす時間を奪っていい根拠はないのです。

有給休暇は絶対に使わせる

会社を休んでも出勤しているのと同じ扱いになる有給休暇は、社員にとって重要な物です。まとめて使って海外旅行に行くも良し、細切れに使ってリフレッシュするも良しの自由な時間を満喫できるチャンスです。
しかし、社員に休みを取られたくない、取らせたくない会社は意外に多く有給休暇を許可しないどころか親がいよいよ今日明日が峠という病状でも慶弔休暇をとらせず「仕事をしろ」と迫る会社さえあります。

優秀な社員を引き留めるには、会社側が進んで社員に有給休暇を使わせるようにするべきです。むしろ使っていない社員が居たら使いなさいと迫るくらいがちょうどいいのです。

どんなにタフな人でも休まなければ疲弊しきって倒れてしまうのは当たり前で、休みを取らせて社員の体調管理に気を配るくらいでないと会社に社員が付いてこないのです。

社員と話し合いをする時間を持とう

企業は大きくなればなるほど経営者と社員の距離は離れていき、社員は経営者に対しての信頼が薄れていくものです。
この春に入社したばかりのまだ初々しい新入社員でも三顧の礼を尽くして迎え入れた有能な幹部候補であってもそれは同じことです。

社員の信頼を維持するためには経営者自らが社員と面談する時間を作って、話し合いを持っていかなければなりません。ただ話し合いをするのではなく、社員それぞれの仕事がどのように会社に貢献しているのかを説明し労うようにするのが大事です。

経営者直々に「自分の仕事がどのように会社に貢献できているのか」を説明された方が説得力も発生するのです。

人材育成と不良社員の更迭を徹底する

「朱に染まれば赤くなる」というように、人の立ち振る舞いは周囲の影響を知らず知らずのうちに受けてしまうものです。仕事もろくにしなければ、揉み手一つで有力な社内閥に所属しているような社員が居れば会社の雰囲気は悪くなってしまいます。
そんな幇間社員が浮き上がっていく裏では、必死に仕事をこなし自らのスキルアップに取り組む真面目社員もいます。しかし、多くの経営者は幇間社員を可愛がり真面目社員を一顧だにしない傾向があります。

優秀な社員を逃さないためにも、経営者は努力と研鑽を怠らない社員をクローズアップし、幇間に終始する社員を更迭するなどの正しい人事権の行使を断行するように努めなければなりません。

経営者がリーダーシップを発揮する

世の中には経営者が経営陣や出資者の傀儡になっている会社も多く、社員が会社に対して何も期待を抱かないまま派手な動きもなく運営されていることがしばしばです。
このような会社にいても浮かび上がれないことが分かっているので、優秀な社員は早々に姿を消してしまいます。

経営者自らが動き、社員がそれに追従するタイプの会社は優秀な社員は離職しようとしないものです。経営者がリーダーシップを発揮して事業を引っ張ることこそが、会社のカンフル剤になるのです。

著者:塩屋 謙

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職業は編集・校正、そしてWEBライターでもあります。興味の範囲を広げつつ、様々な記事を書いています。