社会保障と税の一体改革で相続税も引き上げられる!?|トピックスファロー

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2012年6月28日
社会保障と税の一体改革で相続税も引き上げられる!?

かつて最高税率が70%にまで達していた相続税。現在は最高50%にまで引き下げられていますが、財政健全化のためというお題目で相続税を含めた税制改革が行なわれようとしています。相続税が引き上げられた場合、どのような影響が出るのでしょうか?

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迫る大税制改革・相続税も引き上げられる?

野田政権によって進められている「社会保障と税の一体改革関連法案」。消費税の引き上げばかりがクローズアップされていますが、所得税や相続税も税率引き上げの対象になって居ることをご存知でしょうか?

内閣は平成27年からの施行を目指して法案の成立を目指していますが、この法案によって相続税はどのように変化するのでしょうか?

相続税改革の内容とは?

今回の税制改革案では、消費税・所得税・法人税・相続税の見直しによってセーフティネット財源の確保やデフレ脱却を行なうことが主眼に置かれています。 では、相続税はどのように改正されることになるのでしょうか?

税率の段階増加

現状の相続税は、10%・15%・20%・30%・40%・50%の6段階ですが、改革案では10%・15%・20%・30%・40%・45%・50%・55%の8段階となります。
課税額が2億円以上三億円以下で45%、控除額は2700万円で、6億円以上で55%、控除額は7200万円となります。

基礎控除額の引き下げ

現在、相続税の基礎控除は「5000万円+(法定相続人の数×1000万円)」となっていますが、改革案では「3000万円+(法定相続人の数×600万円)」に引き下げられることになります。
相続人が妻一人子供二人の場合、現状では5000万円+1000万円×3=8000万円の基礎控除となりますが、改革案施行後は3000万円+600万円×3=4800万円と半分近くも下がることになります。

生命保険金の非課税枠の変更

被相続人にかかっていた生命保険で、保険料の一部または全部を被相続人が負担していた場合は下りた生命保険金も相続税の課税対象になりますが、現状の非課税額である「法定相続人の数×500万円」が「法定相続人のうち未成年者・障害者・相続開始前に被相続人と生計を一にする者の人数×500万円」へ変更されます。

この「生計を一とする者」とは同居している家族や被相続人からの仕送りを受けている家族を指します。分離型二世帯住宅のような同一の家屋に住みながらそれぞれ独立した生活を送っている場合は除外となります。

税制改革の影響は?

今回の相続税改正案は、最大税率70%であった以前の税制に比べればはるかにマイルドではあるけれども、緩やかなベースアップであるといえます。
しかし、基礎控除額の引き下げは課税対象額の引き下げにも繋がるということでもあるので納税対象となる相続の件数は増加し、結果的に相続税での税収がアップするということになるわけです。

しかし、相続税の場合は消費税や所得税などと違って、課税額が大きい為に納税する為に実家を処分しなければならないことさえあります。
そもそも、相続の対象になるのは大富豪だけではなく私たちのような一般家庭も含まれています。遺産は愛する家族のために残すものであるという当たり前のことを見直してもらいたいものです。

著者:天地佑樹

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