安ければいいってもんじゃない。訳あり物件の問題点|トピックスファロー

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2012年12月13日
安ければいいってもんじゃない。訳あり物件の問題点

憧れの東京生活を始めるにあたって、少しでも家賃が安い物件を探そうと考えるかもしれませんがちょっと待ってください。安くてお得なように見える物件には何らかの曰くが必ずあるものです。そして物件によってはシャレにならない曰くだってあるのです。

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訳あり物件には気を付けろ

東京は多くの人が集まる日本の中心地であるため、どうしても家賃も地価もうなぎ上りに上がってしまいます。そのため上京してきた人にとっては、手ごろな家賃の物件探しはそれこそ金のわらじを履かなければならないほど大変なものです。
そのため、多少の曰くが付いていても「家賃が安ければいいや」と訳あり物件に手を出す人が年々増えているのです。

訳あり物件の条件

いわゆる訳あり物件とは、何らかの理由があって家賃を周囲の相場から下げざるを得ない賃貸・売買物件のことを言います。
家賃が下がるような理由には「物理的瑕疵」「環境的瑕疵」「法律的瑕疵」「心理的瑕疵」の四つがあります。これらの瑕疵は告知義務と言って、不動産業者は借りよう・買おうとする客には必ず伝えなければならないようになっています。

物理的瑕疵

物理的瑕疵とは、家屋・土地そのものに欠陥が生じている状態を指します。例えば欠陥住宅で家が傾いでいるとか、柱がシロアリの食害に合っているとか、土壌汚染されているとか、不発弾が埋まっているというような居住に影響が及ぶ恐れが強いケースが該当します。

環境的瑕疵

環境的瑕疵は、物件の周辺環境が望ましくない場合を指します。例えば、近隣に暴力団事務所がある、冠水しやすい河川がある、工場がある、高層マンションで日当たりが悪いというような場合が該当します。

法律的瑕疵

法律的瑕疵は、対象となる家屋・土地に何らかの法的制限がかけられている場合を指します。例えば土地に地役権が掛かっている、都市計画道路に掛かっている、建築法違反であるというような場合が該当します。

心理的瑕疵

心理的瑕疵とは、以前その物件に居住していた人が室内で死んだとかとんでもない犯罪をやらかしたというようなマイナスイメージがある場合を指します。
心理的瑕疵がある物件は、一度でも新しい住人が住めば告知義務が無くなります。

まともそうに見える心理的瑕疵物件が一番危ない?

このように、訳あり物件には様々な瑕疵があるわけですが借りる側にとっては法律的瑕疵または心理的瑕疵がある物件がお値打ち品に見えてくるものです。
物理的瑕疵や環境的瑕疵は簡単に治すことが出来ないため、うかつに住むとさまざまな面で負担を強いられることが明白です。一方法律的瑕疵や心理的瑕疵はよっぽどでない限り、そこでの生活を害されることはないものと考えられるからです。
しかし、心理的瑕疵物件は一番お勧めできない訳あり物件になってしまう可能性が決して少なくないのが難点なのです。

オカルトの及ぼす精神的影響は侮れない

心理的瑕疵物件には、「幽霊が出た」とか「祟られた」というようなオカルト話がつきものです。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という言葉もあるように、怖い怖いと思う心を持っているから目に見えないものに脅えてしまうと説く人もいます。

しかし、心理的瑕疵物件の問題点は出る・出ないよりもストレス源になりうるということであるといえます。安らげるはずの家に幽霊が出るかもしれない、長く住んでいたら祟りがあるかもしれないということを頭で否定していても「もしかしたら…」と思う気持ちは少なからず残っているものです。
そして、オカルトを恐れる気持ちがストレスを生み出し、病気や大きなミスの原因になってしまうことも充分考えられるのです。

訳あり物件は上級者向け

訳あり物件は、何も出る部屋ばかりではありません。生活していく場所として不適切な条件があるからこそ誰も住みたがらないし「訳あり」になるのです。
家賃が安いから、と迂闊に入居すればさまざまな瑕疵に翻弄されて気の休まる暇もない、なんてことはよくある話なのです。

訳あり物件への入居を狙うのも良いのですが、自分で対応しきれるかどうかを考えた上で入居した方が無難なのです。

著者:塩屋 謙

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職業は編集・校正、そしてWEBライターでもあります。興味の範囲を広げつつ、様々な記事を書いています。