相続税を納めるのは5%の人だけ。意外と少ない不動産と相続税|トピックスファロー

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2013年3月4日
相続税を納めるのは5%の人だけ。意外と少ない不動産と相続税

多額の資産を引き継いだ時、問題になるのが相続税。相続税を払いきれずに不動産を手放したという噂があるほど高額の税金が必要になると思っていませんか?しかし相続税を納めているのは全体の5%。納める人が少ない相続税を調べました。

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そもそも相続税とは何か

相続税とは、『故人から譲り受けた財産価額の合計が、基礎控除額を超えた場合に収める税金』の事。 相続税を払うのは、財産を譲り受けたそれぞれの人物に支払い義務があります。(妻、長男、次男が相続額に応じて個別に計算し、個人でおさめる)

また、支払期限は、相続した日(被相続人が死亡した日)の翌日から、10ヶ月以内。 この期日を過ぎると、減税措置を受けられないばかりか、延滞税が掛かる事になります。

不動産にかかる相続税

相続税は個人のあらゆる遺産にかけられる税金です。 不動産に限ると「マンションや持家などの建物」、「農地などの土地全般」。 他には「借地権」「借家権」「地上権」と言った、『不動産に関する権利』も財産とみなされ、納税の対象となります。

その為、不動産に関する限りは、非課税の物はないと考えて間違いはないでしょう。 ただし、生前に贈与され、すでに贈与税を支払った物に関しては、二重に税金を納める必要が無いので相続税から引く事ができます。

基本的な相続税の計算方法

課税遺産額の計算そのものは、それほど難しくはありません。 『正味の遺産額-基礎控除額=課税遺産総額』となります。

つまり、どれだけ遺産を残そうとも、『正味の遺産額』よりも『基礎控除額』の方が多ければ、相続税を支払う必要はありません。 実際に、日本では相続税を納める必要があるのは、全体の5%程度だと言われています。

相続税を納める人が少ない理由

基礎控除額が正味の遺産額を上回っていた場合、相続税を納める必要はありません。 では、その基礎控除額とはどうやって決めているのでしょう。

基礎控除額の計算式は以下の通りです。 『5,000万円+1,000万円×法定相続人の数=基礎控除額』

具体例を上げると、相続人が「妻」だけの場合では、基礎控除額は5千万円。 「妻」の他に「子供が2人」いる場合では、7千万円が基礎控除額となります。

さらに土地には減税措置がある

相続人が故人の土地に暮らしていたり、その事業を引き継いだ場合、高額な相続税が要求されると、どうなるでしょうか? おそらく、その高額な相続税を支払うために土地を手放し、住む場所や仕事を失う事になるでしょう。

そのような事が無いように、一定の条件を満たした居住・事業用の宅地に関しては80%の減額。 さらに貸付用の土地に関しては50%の減額が認められています。

減額率の具体例

例えば、9,500万円の価値がある土地に一人で暮らしている場合。 9,500万円から控除額5,000万円を引いた、4,500万円に対して相続税が掛けられます。

しかし、その土地で暮らしていた場合、9,500万円から80%減額されて、その土地の価値は「1,900万円」。 貸付用としても50%が減額され「4,750万円」となります。 つまり、基礎控除額の5,000万円以下となり、相続税は発生しません。

相続税の他に支払う税金がある

これまで見てきたように、居住用として使用している場合、不動産に関して相続税が発生する事はほとんどありません。 しかし、相続税が無いからと言って、税金を支払う必要が無いかというと、それは間違い。 相続した土地の権利を主張する為に、不動産登記の変更を行わなくてはいけません。

不動産登記と登録免許税

『不動産登記』とは、土地や建物の正式な持ち主(権利))を管理する為、国家機関の管理する登記簿に記載し、一般に公開する事を言います。 また、この登記(相続の場合は所有権移転登記)の際に必要となる税金が『登録免許税』です。

そして、この登記の書き換えを行うまでは、不動産の持ち主は故人という事になります。 つまり相続の権利があり、場合によっては相続税まで支払ったとしても、その不動産の正式な持ち主にはなっていないという事になります。

登録免許税の計算方法

土地、建物に関する所有権の移転登記の計算方法は以下の通りです。 『不動産の価額(固定資産税評価額)×0.4%(1,000分の4)=登録免許税』

例えば、9,500万円の不動産の場合では、38万円の登録免許税が必要になる計算です。

所有権移転登記の期限

所有権移転登記は義務ではありません。極端な例を上げれば、登記をしない事で法に触れるという事はありません。 その為、「相続税の様に何日以内に登記を済ませ、登録免許税を納付する」とは決まっていません。

しかし、正式な所有者が決まらない不動産は相続争いの火種にもなりかねませんし、数十年と年月が経つと、「変更の手続きを行いたくても必要な資料が集まらない」と言った事にもなりかねません。 必要な時は、早めに登記の変更をされた方がよろしいでしょう。

不動産取得税は不要

また、売買などで不動産を手にした場合、『不動産取得税』を1度だけ納める必要があります。 しかし、相続により不動産を取得した場合に限り、非課税と認められていますので、税金を納める必要はありません。

相続税の相談は、国税庁か税理士へ

不動産に関する相続税の事を説明しましたが、本来、相続税は故人のありとあらゆる財産を元に計算されます。 また、故人との続柄によって控除の額が変化したり、土地と建物では計算方法が違うなど、簡単に素人が判断できないケースもあります。 もしも相続税を納める可能性がある場合は、『国税庁財産を相続したとき』を調べたり、税理士に相談する事で、申告漏れなどが無いように処理する必要があるでしょう。

著者:渡辺芳樹

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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。