女性向けラーメン屋に学ぶ女性客集客術!|トピックスファロー

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2012年9月25日
女性向けラーメン屋に学ぶ女性客集客術!

ラーメン屋は昔から男性向けの飲食店というイメージが強く、女性客が一人で気軽に立ち入れられる雰囲気ではないイメージがあります。しかし、最近では女性客が気軽に入れるラーメン屋が増加しています。女性向けラーメン屋はどのようにして女性客を獲得したのでしょうか?

WEBライター
  

女性客がラーメン屋に集まるようになったのはなぜ?

マーケティングの世界では「女性客の集客を第一に考えることが男性客の集客につながる」と言われています。女性客の心をつかめば、男性客も女性客に釣られて訪れるようになるという寸法です。
逆に男性客の集客が多いと、女性客は二の足を踏んでしまいます。危害を加えられるわけでなくても、男性が多いだけで圧迫感を感じる女性は少なくないからです。

この原理のためにラーメン屋は女性客が利用しにくい店として長年敬遠されてきましたが、最近では女性客が増加しているだけでなく女性向けを謳ったラーメン屋も少なくないのです。
どのようにしてラーメン屋は女性客を獲得していったのでしょうか?

店の雰囲気をモダンにする

女性客を集客する上でまず重要なポイントは、店内に「女性が入っても物おじしない雰囲気」があるということです。

例えば、いわゆるパイプ丸椅子がカウンターやテーブルに並んでいて、使いこまれたカウンターやテーブルには煮しめたような木目、換気扇なのか扇風機なのかわからないファンが頭上でブンブン唸っていて、テレビのチャンネルは野球中継に合わせているラーメン屋があったとします。
この店のメイン客層は女性ではなく、間違いなく男性です。「男性が好きそうな雰囲気」ではなく「女性が物おじする雰囲気」があるからです。

女性が好きそうな雰囲気のラーメン店は、大きな背もたれが付いた椅子と広めのテーブル、詰めて座らなくてもいいように余裕をもって椅子が配置されつや消しの黒がきれいなカウンター、小洒落た感じのジャズ音楽が流れる…そんな感じのモダンさです。しかも漫画どころか新聞も置いていません。
このように、集めたい客層に合わせた店の雰囲気づくりは重要な集客戦略の一つとなるのです。

店員に女性が多い

店側にはそんなつもりはなくても、女性客にとって多くのラーメン屋はアウェーです。なぜなら、女性店員・アルバイトが男性店員・アルバイトに比べて圧倒的に少ないからです。
いうなれば、「角刈りかパンチパーマが得意な床屋に女性客が髪を切りに行くか?」というのと同じことです。

店員と客の男女比率というものは集客において重要な意味を持っています。店員を含めて男性が多くいる店は女性にとっては圧迫感や「絡まれるのではないか」という緊張感を覚えてしまいます。逆に店員に女性が多いと男性は居心地の悪さを感じますが、女性は気楽に買い物や食事を楽しめます。
そのため女性向けラーメン屋はメインターゲットとなる女性に合わせて、女性店員やアルバイトを男性よりも多く雇うようにしているのです。

ターゲットのニーズに合わせた商品を提供する

ラーメンという料理は、どうしても旨味や特徴を脂に頼らざるを得ないものです。いわゆる「背脂チャッチャ」系はその名の通り豚の背脂を細かく砕いてラーメンに振りかけているのが特徴ですが、摂取カロリーも高くなってしまいます。豚骨スープは、豚骨から出る脂が乳化してスープに交じり合うことであの特徴的な白濁スープになります。

女性の場合、さっぱりした飲み口のスープとヘルシーさを美味しさととらえるため、ラーメンの食文化とは相反する嗜好があるといえます。

女性に人気のラーメン屋はさっぱり・すっきり系のスープに野菜やコラーゲンを盛り込んだヘルシーな具材が特徴のラーメンを提供しています。また、女性が喜ぶデザート類の提供にも力を入れています。
このように、ターゲットになる客層の嗜好やニーズを把握して、それに合わせた商品を提供することも、女性を集客するためには欠かせない一手となるのです。

「これぞ○○」というイメージを打破する

なぜか「行列の出来るラーメン屋」は判で押したように、「タオル鉢巻き・黒Tシャツ・腕組み」の三点セットがそろった、頑固そうでラーメンに一家言を持った男性店主がついてくるものです。そして、店員も大声で挨拶するのが当たり前の体育会系の雰囲気が漂っています。

このようなイメージを先行させて形から入ったラーメン屋は多く、女性客も男性客も辟易しているものです。そしてラーメン屋に限らず、美容院やブティックなどの接客業でもイメージ先行型の店はメインの客層に内心で食傷しているもので、商品やサービスの質が落ちたら即刻通うのを止めようと考えているのです。

逆に女性向けのラーメン屋は出来るだけ「これぞラーメン屋」と言わんばかりのイメージを、店内から店員教育に至るまで排除するように苦心しています。

固定観念的なイメージに乗っかるのも経営戦略の一つですが、同じような戦略を取っている店はごまんとあるものです。つまり、イメージ先行型の店は同タイプの店に紛れて印象に残りにくいのです。

著者:海老田雄三

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芸能、アニメ、ゲーム、音楽あたりが得意分野のはずが、気が付けばなんでも書くライターになっていました。アニメ、ゲームなどのサブカル誌によく寄稿しています。