【都市計画法】10年後まで資産価値の減らない不動産の選び方|トピックスファロー

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2013年2月4日
【都市計画法】10年後まで資産価値の減らない不動産の選び方

不動産における資産価値とはどこにあるのでしょう。建物?土地?いえ、それは『環境』にあるのです。10年後に損をしない為には街の開発予想が重要。そこで都市計画法から損をしない不動産の選び方を紹介します。

企画やWEBサイト製作までも手掛ける、ライターもどき
  

資産価値は『環境』が決める

簡単な例を上げてみます。さて、どちらの物件が資産価値は下がりにくいと言えるでしょうか?
(A)徒歩10分圏内に駅やコンビニ、公園といった施設が揃っているが、特に特徴の無い普通の木造アパート。
(B)コンビニは遠く、交通機関はバスのみ。しかし世界的に有名な建築家が設計した高級デザイナーズマンション。

答えは、『(A)普通のアパート』です。

資産価値の判断基準

資産価値は「建物」と「環境」の二つの要素を考え、『将来、売れるのか』と考えると分かりやすいでしょう。
しかしこの二つを同列で考える事はできません。

1・新築は購入した瞬間に『中古』になる

建築家が自ら手掛けたデザイナーズマンションは、おそらく外観も利便性も素晴らしい物なのでしょう。
しかし、あなたが買った瞬間に、その物件は『中古扱い』になります
その為、新築で購入した以上の金額で取引できるとは考えられません。

もっとも手掛けた建築家がガウディ並みの評価を得て、マンションが「カサ・ミラ」のような扱いを受ければ、100年後であっても資産価値は上がるかもしれません。
しかし投資の対象としてもギャンブルが高過ぎます。

2・建築物は『老朽化』する

経年劣化は避けては通れません。
また、ここ数年で太陽光発電やオール電化が普及したように、次々と新しい技術が整備されていきます。
10年後、古臭い物件と思われる事になるでしょう。

3・建物は『リフォーム』できる

価値を上げる手段の一つとして、 『リフォーム』や『立て直し』をする事も出来ます。
当初は、さえない普通のアパートでも、最新設備を揃えた高級マンションにする事も不可能ではありません。

4・売却時、『建物が邪魔』になる可能性がある

不動産を手放す事になった際、その物件が今まで通り住宅用として使われない事も考えられます。
買い手が「マンションはいらない。更地で欲しい」という条件を出して来たのなら、建物を取り壊す費用は売り手である貴方の負担になります。
高級マンションと木造アパートでは、取り壊しの費用にもおのずと差がでる事でしょう。

5・周辺環境は変えられない

物件を選ぶ際に重要になるのが交通機関。
その為、「駅まで徒歩〇分」という利便性の高さをアピールした広告を良く見かけます。
しかし残念な事に、「線路が通っていないから」と購入した物件の近くに駅を作る事も、電車のダイヤを変える事も、個人の裁量を超えています

6・土地はどの様にも利用できる

マンションを建てた場合、それはマンションとしての価値しか持ちません。万が一、火災などで失った時、建物の価値も燃えてなくなったと考えられます。
しかし、良い環境にある土地ならば、そのまま駐車場などへ利用する事も簡単です。

10年で環境が一変する事もある

資産価値は「建物」と「環境」で決まります。
しかし両者を比べると、圧倒的に『建物』が不利、という事が分かってもらえたでしょうか?
そうとなれば、『環境が良い』不動産を探すことになりますが、10年後にその場所がどうなっているかを判断するのは難しいでしょう。

例えば2012年に開業したスカイツリーでさえ、建設地として決定したのは2006年の事。
新タワーの設立プロジェクトが動き始めたのですら2003年です。
たった9年の間で、東京のど真ん中に600メートル級の建築物ができるなど、誰が予想できたでしょうか?

価値の下がらない環境は『都市計画法』から見極める

スカイツリーは極端な例としても、マンションを購入した数年後、近くにより大きなマンションが建設。
景観や見晴らしを損ね、一日中、日の当たらない部屋になる、といった事態は否定できないでしょう。

しかし、ある資料を確認する事で、悪い環境になるリスクのある土地を見極めることが出来ます。
その資料が『都市計画法』というものです。

街作りのガイドライン『都市計画法』

都市計画法の基本理念は、『住民が健康で文化的な生活を送れるよう機能的な都市を作るべく、合理的な土地の利用を定める』ものです。

この都市計画法では、「低層住宅地域」「高層住宅地域」、「商業地域」、「工業地域」という風に、土地を利用目的別に分けて管理しています。
これにより、「便利だから」と住宅街の中央に原子力発電を作る事もなければ、「人が集めやすい」と団地の真横に24時間体制の工場が作られることもありません。

都市計画法の使い方

都市計画に関しては、『国土交通省の都市計画』に詳しい事がアップされています。
また東京都内の具体的な利用計画に関しては、東京都都市整備局の都市計画情報インターネット提供サービス』から、簡単に調べる事ができます。

都市計画図はこう使う

例えば、「12メートルを超えた建築物を建ててはならない」という規定がある「低層住宅地域」は、おそらく閑静な住宅地として開発されていくでしょう。
また、「商業地域」に近い物件は、交通が良く買い物にも便利な活気のある場所、と考える事も出来ます。

この通りに開発がされるとは限らないので、「ここの地価が上がる」とは言えませんが、少なくとも工場の騒音や振動に悩まされたり、高層マンションの陰で日照権すらなくなる、というトラブルを避ける判断材料となるでしょう。

将来を見据えた資産運用

多くの人にとって、不動産の購入は一生に一度の大きな買い物です。
自分の大切な資産を守り、運営していくためには、物件だけではなく、街そのものがどう変化していくのかも考えなければいけません。

著者:渡辺芳樹

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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。