【噛み合わせ・虫歯】親知らずが原因のトラブルと悪影響|トピックスファロー

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2012年10月30日
【噛み合わせ・虫歯】親知らずが原因のトラブルと悪影響

いつの時代も大事な時に人々を困らせてきた“親知らず”。親知らずが運んでくるトラブルとその悪影響を黙って見過ごすのは危険!遅かれ早かれ大きなトラブルと発展する事も少なくありません。一方で親知らずを上手に温存が出来れば大切な歯として将来的にもメリットを持つ一面もあったのです。

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親知らずは大事な時に問題を起こすトラブルメーカー?!

思春期後半から20歳以降のちょうど大学受験や就職活動などといった人生でも大切な時期に生えはじめ、様々なトラブルを招くという“親知らず”。
歯茎から出てこなかったり、スペースが足りない為に横向きに生えてきてしまったりと何かとトラブルの多く、しかもそういったトラブルを抱えているために、食べ物を噛み砕いたりする為に役に立つというわけではないのが親知らずです。

親知らずは退化の途中?

親知らずは第三大臼歯と言い、上顎と下顎のそれぞれ左右合わせて最大で4本生えてきます。
このため全永久歯が生えそろうと単純計算で永久歯の数は32本となるわけですが、必ずしも生えそろうわけではないのが親知らずのニクイところなのです。

生えてきたかと思ったら曲がってた、痛みだした、など何かと問題が多くトラブルメーカー的な親知らず。
しかし、現代人は徐々に親知らずが生えてこなくなってきているそうです。

人間の第三大臼歯は今まさに退化の真っ最中にあり、その徴候も著しいものだそうです。

ヒトと同じ仲間のチンパンジーやオランウータンの永久歯の数は32本で第三大臼歯が人間のように生えたり生えなかったりではありません。
それが北京原人で既に親知らずのサイズの縮小が見られ、日本人における親知らずが生えそろう確率は縄文人では8割、鎌倉時代では4割に下がり、現在その確率は4割を切り3割代となっているそうです。
つまりは日本人の7割弱の人が親知らずが生えそろわない、ということを表しています。

痛みで初めて気付く“親知らず”の存在

口腔内の衛生管理が主な原因として生じる虫歯とは違い、若干不意打ち的な要素を持っている感じすらしてしまう親知らずはトラブルメーカー的存在です。

親どころか本人も親知らずの存在に気付かない場合すらあり、奥歯に痛みを感じて歯科を訪れてから初めてその存在に気付くケースもあるそうです。
親知らずはスペース不足などの原因により正常な方向にスムーズに生えてこない場合が多いという特徴もあるために、“痛みの原因は歯の生え方”という状況も少なくないのだそうです。

その存在が深刻な噛み合わせトラブルを起こすかも…

親知らずが生えてくると発生する大きな問題として噛み合わせが変化するケースが挙げられます。
親知らずの無い状態で噛み合わせのバランスが保たれていた歯列に割りこんできた親知らずが、歯列・噛み合わせのバランスがとれていた歯を傾けたりしてしまう可能性も考えられます。
また、まっすぐ生えてくるとは限らない歯である故、曲がった方向や位置に出てきてしまうとこれも正常な噛み合わせに異常をきたす原因となります。
これにより顎関節症等を併発してしまったりするケースもあるのだそうです。

虫歯リスクが高く深刻化しやすい親知らず

また、親知らずは気づかないうちに虫歯にもなっていることも多くあります。
不規則な方向に生えることもある親知らずは、不揃いの歯列同様に磨き残しが生やすいために特に虫歯に気を付けたい部位だと言えます。

また生えれていない状態のままで歯肉に埋没していることもあり、汚れの蓄積などが原因となって歯肉炎を引き起こしてしまうこともあります。
奥歯であることからも気づかずに放置・悪化させてしまうと、隣の健康な第二大臼歯にまで虫歯の影響が及んでしまうこともあると言います。

親知らず温存の条件

実に困った要素が多い親知らずですが、これによる何らかの悩みを抱え歯科を訪れると担当医より抜歯を勧められることも多くあります。

実は歯科医の間でも第三大臼歯の抜歯は賛否両論があるのだとか。

しかし、基本的にはただでさえブラッシングしづらい場所に位置する親知らずは虫歯になりやすく、一旦は完治してもかなりの確率で虫歯が再発するのだそうです。

一般的に歯科医が親知らずの温存を勧める条件として、以下のことが挙げられます。

  • 第三大臼歯がまっすぐ正常に生えていること
  • ブラッシングなどのケアが行き届き虫歯がないこと
  • 第三大臼歯のある状態の噛み合わせが正常に機能していること

親知らずが生えることは決して不自然なことではなく、噛み合わせや痛み・虫歯などのトラブルがないなら他の歯と同じく価値のある貴重な歯であることに違いはありません。
正常に生えた親知らずを健康的に温存しておくことが出来れば、ブリッジ等の支台を必要とする歯科治療や他の大臼歯を喪失した時の代用など有効利用の可能性もあるのです。

著者:天地佑樹

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