保険料の仕組み
月々に支払っている保険料ですが、その内訳は『主契約』と『特約』から成り立っています。
『主契約』とは、文字通りその保険のメインとなる契約。
『特約』とは、主契約を補うオプションやトッピングの様な物。
スマートフォンに例えてみます。
この時、機種(iPhone)が『生命保険』、最低限の通話機能が『主契約』、アプリが『特約』となります。
とりあえずiPhoneを契約すれば通話(主契約)はできますが、地図を開いたり、電車の乗り換えを調べたり、健康管理を行う事は出来ません。
それはアプリ(特約)の仕事です。
そして、アプリが増えれば、iPhone(生命保険)はどんどん便利になっていきますが、有料アプリならそれだけお金(保険料)がかかってしまいます。
さらに、多すぎるアプリの中には、全く使わない物があるという事も特約と似ています。
主契約の種類
代表的な保険の主契約としては、次のような保険があります。
これらは『主契約』ですので、単体でも保険となりますが、もちろん2つ以上の保険に加入する事も出来ます。(定期保険で死亡時に備え、医療保険で入院費をカバーする等)
死亡保険
被保険者が死亡した際に、遺族に支払われる保険。
主に、遺族の再出発の費用や、契約者の葬儀代に充てられます。
また、死亡保険に関しては、以下の3つに分ける事も出来ます。
終身保険
死亡保険の1つ。
保障期間が一生涯の為、確実に保障を受け取ることが出来ますし、解約時には『解約払戻金』が支払われます。
その為、このタイプの保険は資産としても考える事が出来ます。
定期保険
死亡保険の1つ。
契約時に「保険期間を決める」保険で、保険期間内に被保険者が死亡した場合にのみ、保障を受ける事ができます。
終身保険とは違い、解約時や満期で掛け金が戻ってくることはありません。
その為、「掛け捨て」と呼ばれていますが、その分だけ保険料が安いのが特徴です。
ネット生保の多くが、この定期保険です。
養老保険
死亡保険の1つ。
定期保険の様に期間を決め、その間の死亡保障に加えて、満期には死亡時と同額の保険金を受け取ることが出来る保険です。
医療保険
けがや病気で手術や入院が必要な場合に支払われる保険。
基本的に治療費や手術の費用に充てられる事になります。
場合によっては、『特約』として組み込まれる事もあります。
がん保険
医療保険の一種ですが、『がん』の場合にのみ支払われる保険。
がんは日本人の死亡原因のトップであり、どんな人でもがんになる可能性があります。
加えて、高額な治療費と長期にわたる療養。
また再発のリスクが付き物です。
そこで、がんに特化する事で医療保険よりも価格を抑え、それでいてしっかりとした保障を受けたいというニーズからできた保険です。
こちらも、『特約』となる事があります。
就業不能保険
病気やけがにより働くことが出来ず、収入が「0」になるのを防ぐための保険。
一人暮らしでは、長期入院などで働けなくなった場合、収入もなくなり生活する事が困難になります。
復職するまでの生活費の助けとなるのが職業不能保険です。
個人年金保険
一定の年齢になった場合に、毎年保険金から年金を受け取ることができる保険。
公的年金や企業年金とは別に受け取れる保険ですので、老後の生活にゆとりができます。
特約の種類
先に述べたように、特約はトッピングですので、特約のみで契約を交わすことはできません。
また、この特約を組み合わせる事で、個人の状況に合わせた細かい保険を作る事も出来ますが、反面、非常に複雑になります。
その為、シンプルを売りにするネット生保には、通常特約が付く事はありません。
特約は、保険会社によって種類があり、同じ名前でも内容が違うと言った事がありますし、扱っていない特約というのもあります。
契約の際には、しっかりと内容を吟味して、無駄な特約は付けないようにしましょう。
家族定期保険特約
被保険者の家族が死亡した時に保証を受ける事ができる特約です。
三大疾病保障特約
三大疾病と呼ばれる「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」のいずれかの条件を満たした場合、保障を受けることが出来る特約です。
成人病入院特約
「ガン」「脳血管疾患」「心臓疾患」「高血圧性疾患」「糖尿病」で入院した際に保障を受け取ることが出来る特約です。
女性疾病入院特約
「乳がん」や「子宮がん」など、女性の発生率が多い病気で入院した時に保障を受けられる特約です。
高度先進医療特約
国が高度先端医療と認めている治療を受けた場合に保険金を受け取れる特約。
リビング・ニーズ特約
被保険者が、医師より「余命6ヶ月」を診断された場合、生存中であっても死亡時と同じ金額の保障を受け取ることが出来る特約。
この特約に関しては、保険料はいりません。
他にもある『特約』の数々
他には、「災害時に受けられる特約」や「介護状態になった場合の特約」、「特定の病気になった際の特約」など、多くの特約が細かく決まっています。
保険加入や特約は自分のライフスタイルに合わせて選ぶ
必要な保険は、個人の状況によって全く違うものです。
知り合いの紹介や、保険の営業マンの言うままに保険を決めてはいけません。
もし独身なら死亡保険は少なく、医療保険や職業不能保険を厚くするべきでしょう。
逆に子供が小さいなら、成人するまでの費用として保険が必要になります。
どんなに安い保険であっても、総額は数十万円から数百万円になるのが保険です。
自分のライフスタイルに合わせ、生活が変わるごとに保険の見直しをするのが、賢い保険との付き合い方ではないでしょうか。