【第9回】パリから日帰りで行けるノルマンディー上陸作戦の戦跡|トピックスファロー

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2014年11月20日
【第9回】パリから日帰りで行けるノルマンディー上陸作戦の戦跡

ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡 シリーズNO9
1944年6月6日、アメリカ・イギリスを中心とした連合軍は、ドイツの占領下にあったフランスのノルマンディー海岸に上陸します。激戦を繰り広げた末、作戦は成功。ドイツ軍は敗走の一途を辿り、2ヵ月後のパリの解放へと繋がります。

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史上最大の作戦を繰り広げたノルマンディー

第2次世界大戦におけるヨーロッパ戦線で、転機となった有名な「ノルマンディー上陸作戦」。
1944年6月6日、アメリカ・イギリスを中心とした連合軍は、ドイツの占領下にあったフランスのノルマンディー海岸に上陸します。
激戦を繰り広げた末、作戦は成功。
ドイツ軍は敗走の一途を辿り、2ヵ月後のパリの解放へと繋がります。
ノルマンディー上陸作戦を描いた映画に「史上最大の作戦」(1962年)、「プライベートライアン」(1998年)などがあります。
今回はパリから日帰りで行けるノルマンディー地方の戦跡を紹介します。

ノルマンディー海岸へのアクセス

ノルマンディー地方の観光地というと、海岸上に浮かぶ島「モンサンミッシェル」が有名ですが、同じノルマンディー地方でも上陸作戦が行われた場所とは違います。
ノルマンディー上陸作戦の戦跡を巡る拠点となるのは、ノルマンディー地方のカーンという街になります。
カーンへ向かう列車はパリのサンラサール駅から発着します。カーンまでの所要時間は1時間50分から2時間10分ほど。サンラサール駅からカーン駅までノンストップの列車もあります。

ノルマンディー地方の戦跡巡りの拠点となる街、カーン

6月6日通り カーンは内陸なので上陸拠点の街ではありませんでしたが、激しい激戦の地となり、街の2/3が焼け野原となりました。
カーン駅から中心街にあるサン・ピエール教会まで伸びている通りは、ノルマンディー上陸作戦が決行された1944年6月6日にちなんで、「6月6日大通り」(AVE DU 6 JUIN)と名づけられています。
サン・ピエール教会まではカーン駅から約1KM程の距離ですが、トラムも運行していますし、徒歩でも行ける距離です。
サン・ピエール教会も当時の戦闘によって破壊されましたが、戦後に復元されました。また、カーン駅の駅舎にはフランス国鉄が建てた戦没者の名前が記された記念碑もひっそりとたたずんでいます。

カーンの平和記念館 Le Memorial de Cean

カーンの平和記念館 カーンの郊外に「平和記念館」(Le Memorial de Cean)があります。
館内には、第1次世界大戦から戦間期のヨーロッパ、第2次世界大戦の展示物があり、最後にノルマンディー上陸作戦のコーナーがあります。
ちなみに、戦時中の日本の展示物もあり、日本刀なども展示されています。
ノルマンディー上陸作戦に関する記念館というより、第2次世界大戦全体に関する記念館といった内容となっています。
ノルマンディー海岸の戦跡のパンフレットがたくさん置いてありますので、時間をかけてノルマンディーの戦跡を巡りたい人は、まずカーンの「平和記念館」で情報収集すると良いと思います。
また館内には、キレイなカフェテリアもあり、昼食をとることもできます。

アクセス:街の中心から2番のバスに乗って、終点のLa Foil – Memorial下車

アロマンケシュ上陸博物館

アロマンケシュの街並み カーンからは、上陸作戦が決行された海岸の一つで、「上陸博物館」もあるアロマンケシュ海岸が近いです。
アロマンケシュ海岸へは、カーンから列車で20分程のブイヨーという街からバスで行きます。
そのブイヨーの街中にも、ノルマンディーの戦いの様子を伝える「ノルマンディー戦争記念館」(Mesee Memorial de la Bataille de Normandie)があります。こちらも時間に余裕があれば、観ておけば良いでしょう。
ブイヨーの駅前から海岸へ行くバスは1時間に1本程度なので、時間帯によっては駅前からタクシーで行くこともオススメします(片道20ユーロほど)。
帰りのためにアロマンケシュのバス停で、ブイヨーまでの帰りのバスの時刻をチェックしておくのが便利です。

アロマンケシュの街はドーバー海峡に面したのどかな田舎街です。
上陸作戦当時、フランスの港はドイツ軍によって守られていたため、連合軍はアロマンケシュの砂浜に防波堤、桟橋などの人口の港を作る作戦を立て、兵士、物資、兵器を陸揚げしました。
街の中心に「上陸博物館」(Musee du Debarquement)があります。
館内は、ジオラマで上陸の経緯などが展示されています。博物館の外には実物大の戦車や戦闘機、大砲などのレプリカもあります。子供も楽しめるつくりとなっていて親子連れの見学客も多いです。
また、博物館のお土産コーナーには、帽子、マグカップなどのノルマンディー上陸作戦グッズが充実しており、ノルマンディー地方の戦跡を紹介した英語版のガイドブックも売っています。博物館の裏手にある高台に上ると、海岸線、当時作られた防波堤、アロマンケシュの町並みが見渡せ、ノルマンディー上陸作戦当時の情景に想いを馳せることができます。

数多くあるノルマンディー地方の戦跡

パリを早朝に出発して、日帰りで行けるノルマンディー上陸作戦ゆかりの戦跡は、カーンとアロマンケシュまでが限度だと思います。
しかし、ノルマンディー地方は、オマハビーチ、ジュノービーチなど、当時、連合軍が作戦のコード名で名付けた激戦地だった海岸が複数あります。 どこにも戦跡や、戦死者の墓地、記念館などがあります。
じっくり周りたい方は、カーンの平和記念館やアロマンケシュの上陸博物館で情報収集してから、数日間、ノルマンディー地方に滞在すると良いと思います。

【連載】ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡(第1回~第100回)
【連載】ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡(第101回~)

著者:ヒロマル

戦争遺跡ライター
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1979年神奈川県生まれ、神奈川県逗葉高校、代々木ゼミナールで1浪、立教大学経済学部卒業。

大学在学中からヨーロッパ、アジアなどを海外放浪してハマってしまい、そのまま新卒で就職せずフリーターをしながら続ける。その後、会社員生活をしながらも休み、転職の合間を利用して海外放浪を続ける。50ヶ国以上訪問。会社の休暇を利用して年に数回、渡欧して取材。

2012年からライター業を会社員との二足のわらじで開始。
2014年からwebメディア(株)フォークラスのTOPICS FAROで2つのシリーズを連載中。

▼もんちゃんねる(You Tube)
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▼「ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡」シリーズ
https://topicsfaro.com/series/warruins
ヨーロッパ各地を取材し、第二次世界大戦に関する場所を紹介。
軍事用語などは極力省き、中学レベルの社会の知識があれば楽しめる記事にしています。
同シリーズが2017年に書籍化。
「ヒトラー 野望の地図帳」(電波社)から全国書店の世界史コーナーで発売中。

▼「受験に勝つ!世界史の勉強法」シリーズ
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2018年から主に世界史を中心とした文系の勉強方法について執筆。
大学受験だけでなく、大学生や社会人の大人の教養としての世界史の勉強方法にも触れて、
高校生、大学生、社会人とあらゆる世代を対象としています。

世間の文系離れを阻止して、文系の学問の復権に貢献することが、2つの連載の目的です。

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