日商ビジネス英語検定試験とは
簿記や国際会計検定(BATIC)といった試験でおなじみの『日本商工会議所』が認定する英語の民間資格。略称は『日商英検』。 ビジネスツールとしての英語力を測るものであり、『自分の考えを正確に伝える』事に重点をおき、『書く能力』を重視した試験内容となっています。
日商英検とTOEICの違い
日商英検とTOEICは、どちらもビジネスを意識した英語能力を測定する試験であり、『読み』『書き』を重視している事は同じです。 それでは、具体的な違いを紹介します。
日商英検は、より実務的
日商英検で答える試験は、ビジネスの現場で日常的に使われる場面を想定した内容となっています。 その為、英文による企画書や報告書、メールの作成が問題として問われてきます。
日商英検は、ネットで試験を受ける
TOEICがマークシート方式なのに対して、日商ビジネス英語検定は、全てネットに接続されたパソコン上にて解答を行います。 その為、パソコンの基本的な操作(マウスを使う、キーボードが打てる程度)が必要です。
日商英検は、即座に採点される
TOEICは、データを集計しアメリカで分析を行う関係上、採点までに長い時間が必要です。 一方の日商英検では、2・3級は試験終了後、即座に結果を知る事が出来ます。
他にも細かい違いは多い
これ以外では、TOEICはスコア式に対して1級~3級のランク式。日商英検は時間が短いなど、細かい違いはいくつも見る事が出来ます。
貿易実務検定の勉強にもなる検定試験の対策法
「£」「B」「HK$」。これらは各国の通貨を表していますが、どこの国か分かりますか? また、輸出取引の第二段階において、契約が終結した後、なにをしたらいいか分かりますか?
上記の2つの質問は、日商ビジネス英語3級の問題サンプルです。 このように、日商英検では英語の知識だけでは答えられない問題が出題されます。 独特なテストですので、公式テキストや模擬問題集が有効でしょう。
貿易実務検定の内容をフォロー
実はここで必要になる貿易の基礎知識は、海外取引の検定試験として有名な『貿易検定』の基礎的な内容と被る箇所があります。 『海外取引と貿易書類』『国債マーケティング』『英文契約書』の知識は、特に役に立ちます。
日商英検とTOEICのどちらを優先して取るべきか
日商ビジネス英語検定では、海外貿易や取引業務の知識も問われる試験です。 その為、貿易関係の企業であれば高評価の対象となります。 また英語の勉強をしながら貿易実務検定の基礎が学べるというメリットもあるでしょう。 逆に貿易が重視されていない企業では、通常の英検と勘違いされる程度の認知度しかありません。
就職や転職先の希望が貿易を行っている企業であるならば、日商ビジネス英語検定に加えて貿易実務検定を取得すれば武器になるかもしれません。
しかし、それ以外の企業を目指すのであれば、知名度の高いTOEICが優先で間違いないでしょう。