パスポートで名前が書けない!佐藤はSATOU?SATOH?正しい表記教えます|トピックスファロー

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2013年5月8日
パスポートで名前が書けない!佐藤はSATOU?SATOH?正しい表記教えます

グアムにハワイと費用を抑えて2人で海外旅行に行きたいと考える人も多いでしょう。その時に必要なパスポートでトラブルになる人が増えています。それは名前の表記の仕方。実はパスポートに使われるローマ字は授業で習ったものと違うって知っていますか?

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ちょっと分かり難い『ヘボン式ローマ字』のルール

パスポートで使用するローマ字には、『ヘボン式ローマ字で表記する』というルールが決められています。
このヘボン式ローマ字というのは、外国人(非日本語圏の人)が読みやすく、さらに発音しやすいようにと表記されたローマ字です。

その為、小学校で習ったローマ字や、キーボードで入力する時のローマ字とは『一部』変更がされています。
パスポート以外では、駅名の表記に使われる程度で日本人にとってはなじみの薄いローマ字となってしまいました。

大野と小野は同じ”ONO”?

ヘボン式の特徴として分かりやすいのが『音を伸ばす「うう」は”U”「おう」は”O”』というのがあります。
この表記に従うと
・大野(おおの)⇒”ONO”
・小野(おの)⇒”ONO”
という、漢字も読みも違うのに、表記は一緒という混乱する状況がたびたび起こってしまいます。

ちなみに、タイトルの佐藤(さとう)さんの場合では”SATO”と表記するのが正解。
もちろん里さんは”SATO”のままです。

同じ行なのにつづりが違う場合もある

日本語は50音で表記され、「か行」と言えば、か”KA”、き”KI”、く”KU”、け”KE”、こ”KO”と、子音は同じ母音を変化させるのが基本でしょう。
しかし、紛らわしい事に、同じ行なのに子音の表記が途中で変わるケースがあるので要注意です。

途中で表記が変わる50音

SA

SHI

SU

SE

SO

TA

CHI

TSU

TE

TO

HA

HI

FU

HE

HO

ZA

JI

ZU

ZE

ZO

DA

JII

ZU

DE

DO

まだまだあるヘボン式ローマ表示の落とし穴

これらの他にも、ヘボン式ローマ字で名前を書く時に注意しないといけないポイントがあります。
簡単に紹介しましょう。

  • 『ん』は”N”だが、”B”,”M”,”P”の前にあると”M”になる

本田(ほんだ)⇒”HONDA”
難波(なんば)⇒”NAMBA”
本間(ほんま)⇒”HOMMA”

  • 促音(っ)は子音を重ねる

服部(はっとり)⇒”HATTORI”

  • しかし後ろが、”C”の時は、前が”T”に変わる

吉兆(きっちょう)⇒KITCHO
ちなみに、”C”で始まるのは、ち”C”、ちゃ”CHA”、ちゅ”CHU”、ちょ”CHO”のみ。

条件を満たせば、非ヘボン式ローマ字でも登録ができる

なかなかに面倒なヘボン式ローマ字ですが、ある条件を満たしていればヘボン式以外のローマ表記も認められる事があります。

非ヘボン式が認められる5つの条件

  1. 『さとう』、『おおの』のような音を伸ばす場合。
  2.  “R”ではなく”L”で表記したい場合。(原則として、ら行は”R”で表記)
  3. 国際結婚や親が外国人で、外国式の表記で登録したい場合。
  4. ミドルネームがある場合。
  5. 海外での仕事の関係で、旧姓を併記する場合。

一度、非ヘボン式ローマ字に変えると、もう元には戻せない

以上の条件を満たし、変更したい名前のつづりを使用した公的文書があれば変更する事が可能。
ただし、非ヘボン式を選択すると、二度と名前の変更はできません。

「えんじぇる」の表記は”ENJERU”? それとも”ANGEL”?

Jo King(ジョーク)にCarrie Oakey(カラオケ)にGoogle(グーグル)と、日本以外でも話題になる事が多いキラキラネーム。
そこで気になるのが、天使(えんじぇる)や月(らいと)、月雫(るな)、香音(かのん)といった外国語と意味が近く、同じ読み方をする名前を登録する場合。

この時、パスポートで登録するのは、読み方準拠の”ENJERU”か、単語の表記で”ANGEL”のどちらがただしいのでしょうか。

判断基準は『読み方』

パスポートの名前表記で使うのはヘボン式ローマ字という大原則があります。
そしてヘボン式ローマ字では”A”は(え)ではなく(あ)。
“GE”は(げ)になり、子音1字の”L”に読み方は存在しません。
つまり、(えんじぇる)⇒”ENJERU”や、(ないと)⇒”NAITO”が正しい表記の仕方になります。

非ヘボン式ローマ字での登録も難しい

別の可能性として、非ヘボン式ローマ字にして表記を変えるという方法がありますが、「読み方が英語っぽいから英語表記で」という理由での変更は難しいでしょう。

前述したように非ヘボン式に変更するには、いくつか条件があります。
この条件に当てはめて考えると、『2の親のどちらかが外国人の場合』ならば変更できる可能性はあります
しかし両親ともに日本人の場合では、”ENJERU”を”ENJELU”に変えるのが関の山といったところでしょうか。

あなたは自分の名前が書けますか?

パソコンで入力する機会が多い人ほど陥りやすいヘボン式ローマ字の罠。
初めてパスポートを取得する際は、パスポーの必要書類と一緒に、自分のヘボン式ローマ字での記入方法も確認しないと、窓口で余計な恥をかく事になるかもしれませんよ。

著者:渡辺芳樹

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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。