東京の温泉を楽しみませんか
温泉というと電車に乗って遠くまで行かなければ、と思っている人は少なくないでしょう。また、東京に温泉があると知っていても情緒がないと思っているのでは。しかし、東京の温泉は東京でしか味わえない情緒があります。ここでは入浴料500円以内のリーズナブルな銭湯を紹介しましょう。
昭和から続く温泉 その1 墨田区・大黒湯
スカイツリーの近くに昭和から続く銭湯がある。御殿のようないかにもレトロな建物の「大黒湯」。シャッターにはスカイツリーが描かれている。天然温泉と認められたのはごく最近だが、銭湯は昭和4年(1929年)からの老舗で、温泉は東京では珍しい無色だ。浴室は明るい白の壁が印象的。スカイツリーの帰りにちょっと寄れば旅行気分もアップ。
住所:東京都墨田区横川3-12-14 TEL:03-3622-6698
http://daikokuyu.com/
昭和から続く温泉 その2 台東区・蛇骨湯
浅草で温泉というと「浅草観音温泉」を思い浮べるか人が多いと思うが、負けず劣らず昭和の雰囲気を残す温泉が「蛇骨湯」だ。改装されていて古い建物がそのまま残っているわけではないが、昭和の雰囲気を残している。創業は江戸時代というから驚きだ。浴室は広く、壁には富士山が描かれている。露天風呂がついているのが魅力。
お湯は東京の温泉の特徴である黒湯。浅草観音や花やしきのあとで一風呂浴び、帰りの蕎麦屋で一杯。素敵な東京ホリデーを満喫できる。
住所:東京都台東区浅草1-11-11 TEL:03-3841-8645
http://www.jakotsuyu.co.jp/
昭和から続く温泉 その3 品川区・清水湯
東京の温泉で何とかけ流し。なのに、お値段はふつうの銭湯価格でリーズナブル。そんな夢のような温泉銭湯が武蔵小山にある清水湯だ。創業は古く大正時代だが、温泉を掘りだしたのは平成6年と新しい。
しかし、温泉は黒湯と黄金色の2種類があり、温泉ファンなら歓声をあげたくなる豪華さ。もちろん脱衣場も浴槽も広く、露天風呂まである。
武蔵小山は知る人ぞ知る焼き鳥の街。ミシュランにも掲載された「まさ吉」をはじめ、「炙りま専科」や「昌」など名店も多く、駅前の「鳥勇」などの立呑み屋はリーズナブルで美味しい。温泉の後はちょっと一杯もおつだ。
住所:東京都品川区小山3-9-1 TEL:03-3781-0575
http://www.shimizuyu.com/
大田区は温泉のメッカだった
東京でも特に温泉が多い地域が大田区で、20件を越す温泉施設がある。東急池上線と京急沿線に集中していて、昭和の面影を残す温泉銭湯も少なくない。池上線、京急線、JR線の接点である蒲田、名刹本門寺のある池上を中心に紹介する。
ツウ好みで長く愛される蒲田の温泉といえば
蒲田温泉
蒲田の温泉といえば、通の間では蒲田温泉が知られている。創業は昭和12年。リニューアルされる銭湯が多い中で、いかにも昭和の銭湯という雰囲気をそのまま残している。壁の染みにも年輪を感じる。温泉は黒湯。2階の休息室では飲食やカラオケも楽しめる。いかにも昭和の下町の雰囲気だ。
住所:東京都大田区蒲田本町2-23-2 TEL:03-3732-1126
http://homepage2.nifty.com/kamata-onsen/
改正湯
もうひとつぜひ行きたい蒲田の温泉銭湯が改正湯だ。改装され、昭和そのものの雰囲気はないが、創業は昭和4年と古く地元に長く愛され続けてきた。ここの名物は水槽。壁には富士山が描かれ、その下には魚が泳ぐ水槽があるという和みの銭湯だ。またここの黒湯は濃度が濃く、それだけ効用もある。
住所:東京都大田区西蒲田5-10-5 TEL:03-3731-7078
http://www.kaiseiyokujou.com/
蒲田には他に、寿湯、ゆ~シティー蒲田、天神湯などの温泉銭湯がある。温泉の後は、三州屋本店や鳥万本店などでちょっと一杯も楽しい。
池上も温泉では負けていない
久松温泉
名刹本門寺の門前町池上にもぜひ行きたい温泉銭湯がある。久松温泉と桜館だ。久松温泉は昭和30年代から半世紀以上ずっと続いている、温泉銭湯の老舗。広い浴室でゆっくりと温泉を楽しめる。お湯はやはり黒湯。大広間では飲食ができ、毎月第四土曜日の朝には寄席も行われている。
住所:東京都大田区池上3-31-16 TEL:03-3751-0119
http://www.hisamatsu-onsen.com/
桜館
桜館はやはり昭和からの温泉で、リニューアル後も雰囲気を残している。ここも黒湯で、浴槽がいくつもあるのが魅力だ。また、半月で男湯と女湯を交換するので、さらに多彩な浴槽が楽しめる。露天風呂もあり、春には桜、秋には月を眺めながらの入浴は殊に風流で、都会の喧騒を忘れさせてくれる。
住所:東京都大田区池上6-35-5 TEL:03-3754-2637
http://sakurakan.biz/
ここまで来たら本門寺は訪れたいもの。そして、門前の蕎麦もぜひ食したい。
まだまだある大田区でおすすめの温泉
六郷温泉
蒲田や池上以外にも六郷や羽田付近にも温泉は多い。京浜急行六郷土手駅からすぐの、六郷温泉もそのひとつだ。昭和の雰囲気を色濃く残す黒湯の温泉を楽しめる。
住所:東京都大田区仲六郷4-19-2 TEL:03-3731-0024
幸の湯
さらに、京浜急行空港線・糀谷駅の幸の湯も忘れてはならない。やはりかなり濃く昭和の雰囲気が残っている。お湯は薄い茶褐色で少し変わっていてそれがまた魅力だ。
住所:東京都大田区西糀谷1-25-15 TEL:03-3741-4321
益の湯
最後にもうひとつ、東急池上線久が原駅前の益の湯を紹介する。創業60年を超える老舗だ。浴室に男湯は富士山、女湯は高原が描かれ、まさに昭和の銭湯という雰囲気を保っている。お湯はやはり黒湯で、飾り気のない浴室がかえって魅力的だ。
住所:東京大田区南久が原2-1-23 TEL:03-3751-3003
東京の天然温泉スパも楽しもう
あまり知られていないが、東京は全国でも有数の温泉地帯。最近は複合娯楽施設のスパが良く知られている。温泉銭湯のような情緒には欠け、入浴料金も高いが、施設が充実していて丸1日楽しめるのが魅力だ。今ネットで話題の天然温泉スパを紹介する。
話題のスパここだけは行きたいベスト3
第3位 東京のスパの代名詞「大江戸温泉物語」
江戸の町並みをイメージしたテーマパーク温泉。温泉は露天風呂のある大浴場や、プライベートな温泉付き個室(別料金)もあり。飲食店舗もたくさんあるので、ゆっくりと楽しめる。
住所:東京都江東区青海2-6-3 TEL:03-5500-1126
http://www.ooedoonsen.jp/daiba/
第2位 遊園地豊島園が運営する「豊島園庭の湯」
男女別の露天風呂付き大浴場はもちろん、何といってもうれしいのは水着で入れる混浴の温泉があること。さらにマッサージ等の癒し系サービスも充実し、日本庭園まである。もちろん食事もおいしく、至れり尽くせりのスパだ。
住所:東京都練馬区向山3-25-1 TEL:03-3990-4126
http://www.niwanoyu.jp/
第1位 板橋にこの温泉有り「さやの湯処」
60年近い歴史を持つ邸宅が元になっているため、他のスパにはない歴史の重みが感じられる。もちろん浴室は広く、日本庭園が見える露天風呂もある。さらに源泉かけ流しというのがうれしい。食事も旬の食材を味わえる。都会の喧騒を忘れ、老舗の温泉旅館に来たような気分になる、ぜひ訪れたい温泉だ。
住所:東京都板橋区前野町3-41-1 TEL:03-5916-3826
東京で温泉を満喫しよう
1.東京には長く愛された歴史のある温泉銭湯が多い。
2.それぞれが工夫を凝らしていて充分に温泉を味わえる。
3.特に大田区は温泉銭湯が集中している。
4.東京は1日楽しめる話題のスパも多い。
5.湯上りのイッパイはまた格別。
東京の温泉銭湯は商店街や住宅街など何げない場所にある。注意しなければ通り過ぎてしまいかねない。しかし、中に入ればさまざまな工夫が凝らされていて実に楽しい。露天風呂やサウナなど旅館やホテル並みの施設もある。週末は東京の温泉旅行をお楽しみください。