【ボーダー】境界性パーソナリティ障害の3つの特徴と付き合い方|トピックスファロー

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2013年5月2日
【ボーダー】境界性パーソナリティ障害の3つの特徴と付き合い方

20代の女性に多く、対応を間違えると周りの人を含めて共倒れになる可能性の高い境界性パーソナリティ障害。ボーダーという呼び方でも知られるこの症状を見分ける方法はないのでしょうか。そこでボーダーを見分ける3つの特徴と付き合いからをまとめました。

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あなたの周りに、こんな人は周りにいませんか?

  1. それまで冷静だったのに、唐突に爆発して暴れ出す。
  2. 直前まで仲よくしていた人を、人格から否定するような攻撃をする。
  3. 1日どころか、数時間の間にコロコロと感情が変わる。
  4. 人間関係を『好き』『嫌い』の、二つでしか判断できない。
  5. 自殺衝動が強い。
  6. 一人でいる事を嫌がり、他人に依存する。

もしも、これらの行動に当てはまるものが多ければ、『境界性パーソナリティ障害』の可能性があります。

『境界性パーソナリティ障害』とは

若い女性

「境界性人格障害(BPD)」や「ボーダー」とも呼ばれる、人格障害(パーソナリティ障害)の1つ。
人格障害は10項目に分けられ、その中では「B群」に分類されています。

その他のパーソナリティ障害については『【個性が自分を苦しめる】パーソナリティ障害を知っていますか?』を参考にしてください。

患者の多くは20代の女性

患者は一般人口の約2%。
その内、80%が20代の若い女性という、非常に偏った統計が出ています。

境界線『ボーダー』で、感情が極端に変わる

この人格障害の最も大きな特徴は、『0と1のどちらかしかなく、あいまいな部分が無い』という事。
その為、普通に会話している最中に少しでもイヤな事があると、突然不機嫌になり感情を抑えきれない。
そして直前まで仲よくしていた人に対して、攻撃的になるといった行動を行ってしまいます。

境界性パーソナリティ障害を見分ける主な3つの特徴

非常に精神が不安定なボーダーですが、それを見分ける共通する3つの特徴があります。

特徴1:二極思考(二元論的思考)

コインの裏と表の様に、『とても幸せ』か『とても不幸』、あるいは『良い』か『悪い』の二つしか存在しません。
「とりあえず」や「ほどほどに」といった『あいまいな状態』が理解できず、受け入れる事ができません

特徴2:対人関係をうまく作れない

二極思考によるボーダーは対人関係にも当てはまり、『好き』か『嫌い』しかありません。
例えば「自分の事を大切にしてくれるいい人(好き)」であっても、「メールの返信が遅れた」という1点があっただけで、「嫌い」という評価に変わります。
しかも、その評価は直前の状況で簡単に揺れ動きます。

依存度が高く、相手を何度も試す

また、家族や恋人など一度心を開いた相手に対して依存する傾向が強く現れます。
さらに、自分の居場所を求めるように、何度も相手の気持ちを試す行動をとるようになります。

恋人に対して「自分以外との異性との全ての接触を断つ」「夜中でも平気で呼び出す」といった行為から始まり、最終的には実現不可能な要求をするようになっていきます。

特徴3:自傷行為

感情の振れ幅が激しく、衝動的に自分を傷つける事もあります。
多いのはリストカット。他には過食や、睡眠薬の過剰摂取といった事を何度も繰り返します。
特に自分が捨てられる事への不安が強く、「メールを返さない」「電話に出ない」「行動を注意する」といった程度でも、自傷行為へとつながりってしまいます。

境界性パーソナリティ障害との付き合い方

ボーダーは、依存する相手を求め、どこまで受け入れられるかを試してきます。
次々とエスカレートしていく要求の全てに答えていては、周りの人も振り回され患者と共に共倒れになってしいます。

付き合い方に、境界線を決める

「相談を受けるのは、日中のみ」「夜は会わない、電話にも出ない」など、できる事とできない事をしっかりと口に出して、ルールとして明確に決める事です。

ただし一方的にルールを突き付けても、ボーダーは「見捨てられた」と感じる事でしょう。

ルールを1つ決めるだけでも大変なことかもしれませんが、長期の視点で見ると両者にとって必ずプラスになります。

時間が経てば境界性パーソナリティ障害は治る

境界性パーソナリティ障害と診断された人の80%は20代の女性であることは、冒頭で述べました。
逆に考えれば、30代の女性でボーダーと診断される人は少ない。
つまり、一度ボーダーと診断されても年齢と共に症状が落ち着いてくるという事です。

実際に、アメリカで行われた調査によれば、境界性パーソナリティ障害と診断された1年後。
約40%の患者が自然に回復したという結果が出ています。

諦めず、距離を取って見守る事が一番の薬

境界性パーソナリティ障害の患者が最も恐れている事は、『自分が見捨てられて一人になる不安』です。

近すぎれば要求に潰される。
突き放せば、衝動的に自殺を繰り返す。
ボーダーの周囲の人は、見捨てていないという事を分からせると共に、一定の距離を持って見守る事ができるかがポイントとなるでしょう。

境界性パーソナリティ障害は、一生付き合うような病気ではありません。

時間はかかるかもしれませんが、精神科医と協力しながら治療する事をおすすめします。

著者:渡辺芳樹

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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。