わたしたちが選ばれる理由
わたしたちの商品が、多くのユーザーさんに選ばれ、さらに有名メーカーからOEMパートナーとして指名を受けられる理由は、開発力・デザイン力で一番のメーカーになることを目標に、かつ実行に移しているからだと考えています。
その考えのもとで制作してきた商品が評価され、信用を得てきたため、自社製品を持つ会社と協力や開発を一緒にする機会もあります。また、常によいものを作りたいという思いと実力を兼ね備えているからこそ、その評判も広がり、新たな顧客獲得にもつながっています。
他社との差別化
スーツケースは概して画一的なデザインになりがちです。しかし、わたしたちは、他社と同じようなデザインのスーツケースを作るつもりはなく、世界にふたつとないスーツケースを作ることを考え取り組んでいます。そのため、おのずとデザイン開発、技術開発に力を入れていて、同時に力もついてきているのです。
ストッパー付きキャスター
わたしたちがスーツケースを開発するときに大切にしているのは、ユーザーさんの意見です。これまで開発した代表的なものとして、スーツケースのキャスターにストッパーを付けた例があります。これは「電車やバスの中でスーツケースが動いて困る」という声から生まれました。この機能のおかげで、「ちょっと立ち止まって電話するときにも便利だ」という声もいただいています。
また、ストッパーを付けただけでは、ストッパーのかけ忘れがあることが分かりました。そのため、引き手を伸ばしているときはストッパーが解除され、引き手を収納したときは自動的にストッパーのロックがかかるといった、利用状況に合わせた機能に進化させています。
引き手を収納したときにはロック、伸ばしているときにはロックが
解除されるようになっています(SSCシステム:特許第4757356号)。
荷物容量が増えるアコーディオン式バッグ
みなさんは、旅行に行ったとき、お土産が増えて荷物のパッキングに困った経験がありませんか?そんな声に応えて、ハードタイプのスーツケースに、アコーディオンのような蛇腹の部品を入れ、幅を広げられる機構を開発しました。これを使えば、荷物容積を増やすことができます。
これなら帰省時に荷物が増えても安心ですね。
荷物の重さが分かる量り付きスーツケース
また、こんなものも開発しました。飛行機を利用するとき、預け荷物の重さをスーツケース自体で量る機能を内蔵させたスーツケースです。これも、特に女性が重い荷物の重量を量るのが大変という状況を変えるために考え出しました。
裏技として、別のスーツケースを載せて差分を引けば、
そちらの重さを量ることもできます(実用新案登録 第3185393号)。
ほかにもあるある、かゆいところに手が届く便利機能
ほかにも、ぬれた折り畳み傘を収納するポケットや、飲みさしのペットボトルを立てたまま置けるボトルホルダー、レジ袋を掛けるためのフックなども開発しました。また、ダイバーさんがウェットスーツを入れられるように、防水加工を内面・パーツ共に施したものもあります。
ウェットスーツを入れてもぬれず、水も漏れ出しません。
自社提携工場の強み
商品の開発は、基本的に社長のわたしが自ら手掛けています。それをデザイン部門が具体的な図面に起こして、工場でひな形に落とし込んでいきます。わたしたちの強みは、自社提携工場を持つことで、細かい改良や対応にもフレキシブルに対応できることです。
一般に、工程を画一的に決めてしまう大手企業の生産ラインでは、細かい仕様変更などの対応は簡単ではありません。顧客からの要望にフレキシブルに対応できる体制がB to Bの信用にもつながっているのです。また、これも大事なことですが、開発した技術や特許を得たものについても、自社提携工場での生産であれば外部に流出することもありません。
ニーズの変化へ対応
少し前までは、スーツケースは高価なもので、一家に1つあれば十分とされていました。海外旅行へ行くにも大ごとで、家にあるスーツケースを家族で使い回していたのです。しかし、今では価格も下がってデザインも豊富になったため、スーツケースは一人1つか、それ以上持っていても不思議ではなくなっています。
最近では若い女性が日常的な移動にも使うなど、用途の変化にも興味深い動きがあります。
“みんな同じデザイン”から、わたしだけの“好きなデザイン”へ
これまでスーツケースは「どれも似たようなもの」といった認識を持たれていました。しかし、これまでお話したように、今やそれも変わりつつあります。
わたしたちがデザインや開発に力を入れ始めたきっかけは、販売した革のスーツケースを持ってヨーロッパ旅行をした女性からいただいた手紙です。手紙には、
という内容が書かれていました。それを読んでわたしは「もっと多くの人に喜ばれるスーツケースを作りたい!」という一心で自社提携工場を作る決断をしたのです。今後も自慢できるスーツケースを作り続けることで、取引先やユーザーさんたちに喜んでもらいたいと考えています。