血精液症とはどんな病気なのか?
血精液症とは、その名前の通り精液に血が混じる病気です。血精液症になっている時の精液の色は、その時の健康状態や血液の新鮮さによって変化します。私は大学時代にこの病気を経験しています。何も知らない当時は、それはもう不安で仕方がありませんでした。あの恐怖は実際に経験した男性にしか理解できないでしょう。
血精液症を発症する原因
血精液症を発症する原因としては、いくつか考えられます。前立腺の炎症
前立腺炎とも呼びます。最も多いとされる原因です。前立腺に細菌が侵入することで、血管がもろくなり、射精などの衝撃がきっかけで出血するパターンです。この場合、病院での治療が必要となります。外傷
スポーツの最中などに、精巣が強く打たれたりすると体内で出血が起こり、精液に血液が混ざることがあります。また、その他の病気などによって前立腺の検査などを行った場合も、血管などに傷がついて出血を起こす原因となります。原因不明
原因不明と聞くと絶望的な響きに聞こえるかもしれませんが、血精液症の原因としてはメジャーなものです。また、原因が特定できない場合は他の病気との関連性も無いということなので、治療の必要はなく、ほとんどの場合は2~3週間で自然に治癒します。私の場合も、詳しい原因は特定できませんでした。医師が「不規則な生活や運動不足が原因となることもある」と言っていたので、その当時に深夜までアルバイトをしていたことが発端となっていたのかもしれません。
身体にどんな影響が起こる?
血液が混ざるというと痛いイメージがあるかもしれませんが、実は痛みが伴うことはほとんどありません。血精液症になってしまったら
実際に血精液症にかかってしまった場合、おそらく大半の男性はこの世の終わりのような表情をするでしょう。しかし、そのような時こそ冷静にならなければなりません。ここで具体的な対処方法を知っておきましょう。まずは恥ずかしがらずに病院へ
血精液症は非常にデリケートな部分の病気なので、病院へ行くのが恥ずかしいという人が非常に多いです。しかし、前述の通り前立腺炎が原因の場合は前立腺がんの可能性もわずかですがあります。そう考えると、真っ先に病院へ行くのが得策です。診断・検査の種類
診断は、泌尿器科で受けることになります。その際に受ける診断内容としては、いくつかの種類が存在します。1.外陰部診察
まず精巣や、その周囲の診察が行われます。これは外部から見た時に傷や異常が無いかを確認するための診察です。2.直腸診
次に、直腸診が行われます。その名前の通り医師が肛門から指を挿入して異常を調べます。前立腺や精のう(前立腺の後ろにある器官)に異常がないかを診察されます。3.超音波検査
ここまでで特に異常が見られない場合は、超音波検査が行われることがあります。精度が高く、かなりの確率で異常を検知できます。一般的にはこの一連の診断全てが行われ、問題がないかを総合的に判断されます。私もひと通りの診断を受けましたが案外一瞬で終わってしまうものなので、それほど抵抗感もないまま終了しました。医師はプロですので、安心して任せましょう。
行われる治療方法
検査の結果によって治療方法も変化します。前立腺の炎症だった場合
投薬による治療となります。個人差によって薬の種類は変わってきますが、抗菌薬や止血剤などが処方されることがほとんどです。完治までの期間は程度にもよりますが、2~3週間でほとんどの人は治ります。また実際は完治していても、古い血液が体内にたまっている場合もあるので、しばらくは精液に血液が混ざることがあります。1ヶ月以上は経過を見るのが確実でしょう。もし2ヶ月以上経っても血が混ざるようでしたら、再度診察を受けたほうがいいかもしれません。
原因が特定できなかった場合
ひと通り検査を行っても、前立腺などの器官に異常が見られない場合も多いです。この場合は特に不安になる必要はありません。なぜなら、自然に治癒することがほとんどだからです。この場合は何らかの衝撃によって、体内で出血していることがほとんどです。つまり、擦り傷や切り傷と同じです。2~3週間で治ります。ただし、こちらも前立腺の炎症と同様に、経過を見ても完治しない場合は、再度医師の診察を受けるようにしましょう。
高齢になるほど注意が必要な病気
血精液症は成人男性を中心に発症する病気であり、20~40代の男性においては特に珍しい病気でもありません。40歳以上だと「前立腺がん」も考えられる
40歳以上で血精液症を発症した場合、最も注意を払わないといけないのは「前立腺がん」です。血精液症は、前立腺がんが原因となって発症している可能性も、わずかながら存在するからです。なぜ40歳以上から前立腺がんの可能性が高くなるかというと、高齢になるほどホルモンバランスが崩れがちになることが理由のひとつです。前立腺がんは、放っておくと全身に転移し、命にも関わりますので早期の発見が重要です。
20代でも注意は必要
高齢になるほどリスクが高くなる病気ということですが、だからと言って20代や30代の人は安心して大丈夫というわけでもありません。若いからといって前立腺がんのリスクが0%ということではありませんし、他の病気に関わっている可能性も当然あるからです。前立腺の炎症が原因となっている場合は、病院の診断や治療無しで治すことは難しいです。もし血精液を確認したら、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
早期に医師の診察を受けることが最も大切
血精液症は、診察・治療方法も確立されている病気です。前立腺がんなどのリスクがあると言っても低い確率なので、基本的には大事には至らず完治できる病気です。しかし、精液に血が混ざるというインパクトと、デリケートな部分の病気であることから自分ひとりで抱え込んでしまう男性は多いです。考え方を変えると、デリケートな問題だからこそ自分の知識だけでは解決できないとも言えます。早期に原因を特定するに越したことはありません。
恥ずかしい気持ちは痛いほどわかりますが、医師もプロです。同じ症状で悩む患者を何人も診察しているので、あまり自意識過剰にならず病院へ向かいましょう。何より病院の診断を受けると、心に余裕ができます。ひとりで悩むより、原因をさっさと特定したほうが心も身体もスッキリしますよ。