男性10人に1人が経験する【尿路結石】の原因と治療法|トピックスファロー

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2012年11月2日
男性10人に1人が経験する【尿路結石】の原因と治療法

尿路結石は耐えられない痛みを伴う症状として有名ですが、その原因がどこにあるか、いまだにハッキリとした事は分かっていません。男性の10人に1人がかかると言われるこの病気の気になる治療法や食事からできる予防法などを調べてみました。

都内在住のフリーライター。犬猫と仲良く暮らしてます。
  

尿路結石とは

尿は腎臓で作られ、尿管を通り、一時的に膀胱に溜められた後、尿道を通って排出されます。
この尿が通過する場所を尿路と言い、『尿路上に石ができる事を尿路結石』と呼びます。

上部尿路結石が全体の95%

結石は腎臓で作られることが多く、腎臓と尿管で確認されるのが全体の95%。
この位置にできる結石の事を『上部尿路結石』と呼び、腎臓から尿管へ結石が落ちてくる時に、背中から側腹部にかけて鋭い痛みを伴います。
また、膀胱と尿道に結石ができた場合は『下部尿路結石』と呼ばれ、特に尿道を通る際には「カミソリで切り裂かれている」と表現される程の痛みを感じます。

尿路結石は男性に多い

尿路結石は20代~40代の男性に多く発病する事が確認されています。
その割合はおおよそ5:2。日本人男性の10人に1人がかかる病気と言われています。
また、この病気は非常に再発率が高い事でも知られ、一度発病すると一生付き合う覚悟が必要になります。

尿路結石の治療法

治療法は、結石の位置や大きさに合わせて大きく2種類から選択されます。

自然排出

結石が5mm以下と小さい時に行われ、全体の70%はこの自然排出を行います。
結石が出るまでの期間は個人差があり、2週間から長い時は6か月の時間を要します。
その間は結石を溶かす薬や、尿管を弛緩させる薬を使う事になりますが、当然痛みは襲ってきますので、痛み止めは欠かせないようです。

手術による治療

結石の大きさが1cm以上あり、自然排出が不可能な場合。あるいは腎機能が低下しており緊急性が認められる時は手術が行われます。

体外衝撃波砕石術(ESWL)

手術の多くは『体外衝撃波砕石術』という体外から衝撃波をぶつけ結成を砕く方法が主流です。
砕かれた結石はそのまま尿とともに排出される事となりますが、もう一度結石となって固まるケースや、破片が尿管に詰まるケースもあります。
費用はおよそ10万円以下。
日帰りが可能な手術です。

ESWL以外の手術

ESWLでは破壊できないほどに成長した結石に対しては、尿路内に内視鏡を通してレーザーで直接砕く方法や、背中側から内視鏡を挿入し処理を行う方法もあります。

尿路結石の原因

結石はその80%が『シュウ酸カルシウム』によって作られています。その為、コーヒーや紅茶、清涼飲料水、ホウレンソウを取り過ぎる事も、尿路結石を発病する確率を上げる要因とされています。
他には尿路が詰まりやすいといった場合にも、尿路結石ができやすい傾向にあります 。

しかし尿路結石の核となる成分がなんなのかはまだわかっていません。
その為、発病した原因の多くは、その理由を特定する事ができないでいます。

尿路結石の『痛み』

尿路結石の大きな特徴として、『ひどい痛み』が必ず取り上げられます。
その表現は『大人が転がりまわる』、『焼けた鉄の棒を突き刺したよう』、『あまりの痛みで気が遠くなる』など様々ですが、共通しているのは『まともに耐えられるような痛みではない』という事でしょうか。

痛みの場所と原因

結石が腎臓内にあるうちは、ほとんど痛みを感じません。

そこから尿に乗り尿管で詰まった時点で、突然激しい痛みに襲われるになります。
それは、尿管に詰まった結石により尿の流れが滞る事で、腎臓の内圧が上がる為に起こります。
この時は、結石のある方の背中とわき腹にズキズキとした痛みを感じ、その痛みは腰、鼠蹊部から太ももにまで広がっていきます。
痛みは2時間~3時間ほど、強くなったり弱くなったりを繰り返しながら続きます。

また、同時に尿管が痙攣を起こし、それが痛みの原因となっている事も多く、痛み止めの他に鎮痙剤を処方するのが一般的です。

結石が膀胱にまで来ると、全く痛まないという人や、あっても鈍痛程度と痛みは一時的に収まります。
しかし結石が尿道に移動すると、今度は尿道の内側を削られるような痛みに襲われる事になります。

尿路結石の症状

何かと痛みにばかり目を奪われがちですが、厄介な症状は他にも表れます。

血尿

多く見られるのが、結晶が内壁を傷つける事によって起きる血尿。
しかし、尿路結石が原因の血尿は、見た目では分からないケースも多くあります。

頻尿・残尿感

結石が膀胱と尿管にあると、頻尿や残尿感を感じる事が多くなります。
ほぼ同時期に血尿や、腹部の痛みを感じた場合は医師の診断を受ける事をおすすめします。

尿路結石が原因で合併症を併発

結石が詰まる事で正常に尿を排出する事が難しくなり、結果的に腎臓に負荷をかける事となります。
尿の詰まりにより腎臓が広がる『水腎症』。
そこから『尿路感染症』を引き起こし、最終的には『腎不全』となる事も考えられます。

食事による予防法

尿路結石の再発率は非常に高く、5年以内には45%、10年以内には60%と言われています。
その為、結石を作らない事が重要になります。
その中で特に気を付けなければならないのが、『食事とその取り方』です。

水分を取る

結成を作らない為には尿を長くとどめない事が重要です。
その為には水分を取り、尿を多く出すことで体内のミネラル濃度を低く保つことが有効です。 目標は1日に2リットルの尿を出す事。
さらに、結石は寝ている間に作られることが多いので、夕食後に多くの水分を取る方が効果的です。

ただし利尿作用があるからと、ビールやアルコールを取る事がおすすめできません。
特にビールには結石の元となるシュウ酸が多く含まれており、利尿作用によって尿は出ますが、体内の水分は増えていませんので脱水状態となります。
結果、尿はその濃度を増やし結石の生成を促すことに他なりません。

適度にカルシウムを取る

結石の主成分がシュウ酸カルシウムを言う事を知っていると矛盾に思うかもしれませんが理由があります。
問題となるのは、シュウ酸が腎臓に運ばれ、そこでカルシウムと結びついてシュウ酸カルシウムになる事です。
しかし適度なカルシウムを摂取すると、腎臓に運ばれる前の腸内でシュウ酸はシュウ酸カルシウムに変化します。カルシウムと結びついてシュウ酸カルシウムまで成長した物を腸は吸収できずに、そのまま便となって排出されます。
結果、腎臓内のシュウ酸は減少するという事につながります。

著者:坂下モド

都内在住のフリーライター。犬猫と仲良く暮らしてます。
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ペットを飼っている関係上、ペット関連の記事を多く執筆。現在ではジャンルを問わず、政治・経済なども