バーチャルFXで上手くいってもリアルのFXでは上手くいかない?
FX相場というものは、誰かが得をすれば誰かが損をする仕組みになっていて損が重なった投資家は相場から退場してしまうものです。
つまり、FX相場は構造上、回を重ねれば重ねるほど参加者が減ってしまうので、常に新規参入者が集まらなければならないのです。
新規参入者の受け入れ口になるのが仮想相場でFXを体験できるバーチャルFXなのですが、バーチャルFXから入った投資家の多くは、相場に負けて退場せざるを得ない事が多いのです。
なぜ、バーチャルFXで経験を積んでも現実で通用しないのでしょうか?
身銭を切っていないための感覚のズレ
まず、バーチャルFXでは参加者全員にバーチャルFX内で使える同額の仮想通貨が与えられます。
この仮想通貨を投資してFXを体験して行くのですが、ここに問題があります。
現実のFXでは投資できるのは自分で稼いだお金ですが、バーチャルFXでは無駄遣いしても増やしても懐に影響しない仮想通貨を使うため、身銭を切る感覚や慎重さが身につかないのです。
それは「次の給料日まで10日ほどあるのに、所持金が1000円しかない」という状況に合った時、所持品を処分して当座のお金を作って乗り切るか、クレジットカードで次の支払日までやり過ごすかのようなもので、お金に対する考え方は大きく違ってきます。
所持品を処分して作ったお金は重く感じ無駄遣いしないようにしようと思うものですが、カード払いではお金のやり取りが見えないのでお金の使い道を考え直すことはないでしょう。
その為、現実のFXでも大事な身銭を仮想通貨のようにジャブジャブと使ってしまうのです。
自分のお金でないからこその大胆さ
バーチャルFXの弊害は、仮想通貨を与えられるということにも言えます。
この仮想通貨が与えられるのは一回限りではなく、最初からやり直せば何回でも与えられるのです。
つまり、失敗しても何のペナルティもないので、FXのリスクを学べないのです。
そのため、バーチャルFXでは現実では出来ないような大胆な投資が誰にでも出来てしまいます。
最初に貰った仮想通貨を全額投資することも、チャートの逆張りを仕掛けることも自由です。
投資は一種の賭けなので、リスクが大きい投資ほど見返りも大きくなるものです。つまり、バーチャルゆえの大胆さが当たって大儲けする事も難しくないのです。
バーチャルゆえの反応の良さ
現実のFXは、ネットを介して取引されていますが回線の状況や業者のサーバ状況などによって損失を出してしまうこともしばしばあります。
ポジションを維持したまま一日置いていたら大損を出して、残高が蒸発し莫大な追証金を請求されていたという話には枚挙に暇がありません。
しかし、バーチャルFXの場合は回線状況などに左右されることなく、最速で最善の反応を返すことが出来てしまいます。
実際の市場の状況を反映させているバーチャルFXでも、それは変わりません。
そのため、リアルのFXでもバーチャルと同じように反応できると思ってしまいトラブルへの対処力が身につかなくなってしまうのです。
バーチャルで勝てても現実では勝てないのは当たり前
このように、バーチャルFXはFXとはどのようなものかを学ぶには最適と言えますが実際のFXを行う上では逆に足かせになってしまうこともあります。
バーチャルFXは入門用なので、実際よりも難易度は低く設定されていますしゲームのようにやり直し出来るので、実際にお金を運用しての投資における押し引きの勘が養えません。
実際の相場において大事なのは勝ち続ける事ではなく、損失を最小限に抑える事です。
つまり、バーチャルFXで勝てるからと言って自分を天才投資家だと思うべきではないのです。