『フィンペシア』とは何か?
AGA(男性型脱毛症)に効果的な内服薬です。
その主成分である「フィナステリド」は日本皮膚科学会が、AGA治療において「内服療法の第一選択薬として用いるべきである」と全面的に有効性を認めています。
実験では被験者の68%に軽度以上の改善効果が認められ、さらに服用し続ける事により78%まで増加したという実績があります。
一方で、国内の臨床試験で2.9%の被験者に性機能障害などの副作用がある事、女性には全く効果がない事も知っておかなければいけません。
またフィンペシアが今までの治療法と異なる点は、AGAに効果がある事が科学的に解明されている点があげられます。
その仕組みを説明する前に、まずAGAがなぜ起こるかの説明をしなければいけません。
AGA『男性型脱毛症』はどうして起こるのか?
AGA(Androgenetic Alopecia)の原因は、男性ホルモン『テストステロン』によるものです。
テストステロンは毛母細胞にある5αリダクターゼと結びつく事でDHT(ジヒドロテストロン)という成分に変化します。
髪は毛根内にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで成長するのですが、このジヒドロテストロンは、その場で毛母細胞の分裂を阻害。結果として髪の成長が止まり薄毛が進行する事となります。
補足として「薄毛は遺伝する」と言われますが、この説は科学的に正しいと言えるでしょう。
子供は遺伝情報として親のホルモンバランス、つまりテストステロンや5αリダクターゼの供給バランスを受け継ぐことになります。その割合は父親からは50%、母親からは75%とかなり高確率の為、親が薄毛の場合は、それなりに覚悟する必要があるでしょう。
またAGAが『男性型』と呼ばれているのは、原因となる『テストステロン』が、女性は男性の20分の1程度しか分泌されず、薄毛を促進するほどではない事に由来しています。
蛇足ですが「AGA=男性型脱毛症」という認識が広まった理由は、フィンペシアの前身で同じ効果を持つプロペシアが「AGA治療薬」として発売されたことによります。
そのあまりの効果の高さから、プロペシアの普及とともにAGAという言葉も広く認識されたという訳です。
フィンペシアはどうしてAGAに効果があるのか?
薄毛の原因ホルモン『テストステロン』の生成を、フィンペシアの主成分『フィナステリド』が抑制するからです。
その為、テストステロンの分泌量が少ない女性や、ストレスや頭皮環境による薄毛には効果がありません。
フィンペシアの服用方法
薬を飲み始めたら、効果が確認できた後も飲み続けなければいけません。
フィンペシアは脱毛原因『テストステロン』を抑え込むことで、その人が持っている発毛力を100%発揮させるための薬です。
つまりテストステロンが体内で分泌し続けている限りは、服用し抑制し続ける必要があるという事です。
何らかの理由により服用をやめてしまった場合、またテストステロンが発毛を妨害しますので、再度AGAが進行する事でしょう。
また即効性のある薬ではありませんので、最低6か月間の服用が推奨されています。
事実、上記の臨床試験は3年という期間で行われました。
これは1本の髪の生え変わり(毛周期)が7年かかる事、そのうち髪が生える成長期だけでも4年という長いサイクルで動いているためです。
また長期の服用により耐性がついてしまい効果が無くなる事を危惧されるかもしれません。
しかしフィンペシアに関しては耐性がついたという報告はありません。
飲み続けているのに抜け毛が増えてきたという事例は、髪の生え変わりがその期間に集中したという場合がほとんどです。
フィンペシアの副作用と注意点
フィンペシアの主成分『フィナリステリド』は男性ホルモンを抑制するため性機能障害、また低確率で肝機能障害を起こす場合があります。
また女性には効果がないばかりか、妊婦への投薬は男子胎児の発育不良を引き起こす可能性があるため禁止されています。同様の理由で子供の服用も認められていません。
さらにフィンペシアはAGAの治療薬であり、薄毛対策の特効薬ではありません。
抜け毛が減ったからと頭皮環境のケアを怠れば、別な理由の抜け毛が進行する事も考えられますので、あまり過信し過ぎないようにしましょう。
フィンペシアの購入方法
2012年の段階ではフィンペシアを病院など国内で直接で購入する事は出来ませんので、個人輸入を行うか代行業者を通す必要があります。
しかしWHOの試算では、世界に流通している薬のうち約10%が偽物だという報告がなされていますので、信頼できる代行業者を選ぶ必要があります。
特にフィンペシアは効果が表れるまで長い期間を必要としますので、すぐに本物かどうかの見分けがつきにくいというのもネックです。
なお薬事法の改定により医薬品をネットで購入する事が出来ない為、本当に買えるか疑問に思うかもしれませんが、今回のケースのような個人輸入に規制はありませんので問題ありません。
どうしても海外の業者は信用出来ないというのであれば、フィンペシアと同じ成分を持つ『プロペシア』を国内のAGA治療を行っている病院で手に入れることが出来ます。
しかしフィンペシアが年間6千円程度で購入できるのに対し、病院でプロペシアを処方した場合年間10万円の負担がかかると言われています。
飲み続けなければAGAが再発する為、両者のランニングコストを考えないわけにはいきません。
この2つの薬に効果の差はないと思って間違いはないでしょう。
経済的な負担が少ないが偽物のリスクがあるフィンペシアを個人輸入するのか。
経済的な負担を覚悟し、医療機関の診断の元でプロペシアを選ぶのか。
どちらを選択した方が良いかの判断は、個人の自由というより他はありません。