クラウド化に利用されるGmail
ビジネスでメールを利用する場合、メールソフトは各社員のPCにインストールされたメールソフトを用いて、安全なメールサーバを経由してメッセージをやりとりするのが一般的です。
しかし、いつでもどこでもさまざまな情報にアクセスできるユビキタス環境が整ってきた今、メールのやりとりは会社のデスクトップPCだけではなく、ノートPCやタブレット、スマートフォンなどのモバイル端末でも可能でなくてはいけません。
大きな企業は自社のメールシステムをウェブメール化し、インターネットに接続できる環境であればどこからでもメールの送受信ができるようにしています。
これはクラウドといわれ、データやシステムを個々のデバイスに集中させずに分散させて共有し、情報の共有化や消失のリスク軽減などを図るために積極的に進められている方法です。
一方で、そのようなシステムを自社で構築できない会社はメールのクラウド化を実現するためにフリーのウェブメールサービスを用いています。フリーメールというとYahoo!のヤフーメールやMicrosoftのHotmailなどが有名ですが、近年急成長を遂げているメールサービスがGoogleのGmail です。
セキュリティの問題が懸念されるフリーのウェブメールであるのに「ビジネス利用」が増えてきているGmailの魅力についてご紹介します。
Gmailが選ばれる5つの理由
Gmailがビジネス利用に選ばれ始めてきた理由は以下の5つです。
その1 ウェブメールである
これが一番の理由となります。従来のメールシステムで難しかった「会社の外でのメール送受信」を実現するためです。
外出や出張、自宅など社外にいるときに急な案件をメールで対応することが可能となります。Gmailの設定では会社のメールアカウントを登録しておくことでメールの「チェック」だけでなく、会社用メールアドレスでの「メール送信」もすることができます。
また、Gmailを使った送受信のやり取りも会社のメールサーバに残しておく設定にしておけば、大事なメールを外でも会社PCでもまた参照することができます。
このようにウェブメールであるGmailを利用することでどこでもメール送受信ができる、ということとメール情報を会社PCだけでなくクラウドにも保存しておくことができるようになります。
その2 複数のメールアカウントを集約できる
その1で述べたように、Gmailでは複数のメールアドレスのメール管理をまとめて行うことができます。会社から割り当てられたアドレス以外のフリーメールアカウントなどもGmailでまとめて管理することができます。
その3 充実したフィルタ機能
Gmailの人気のひとつにフィルタ機能が充実しているということが挙げられます。精度の高い迷惑メールフィルタや自分で簡単にカスタマイズできるフィルタ機能によって自動的にメールが振り分けされ、大事なメールを確実にチェックすることが可能です。
フィルタを用いたメール転送も可能なため、任意のメールだけ別のメールアドレスに転送するということもできます。
その4 高度な検索
メールの本文には重要な情報が含まれており、そうした重要なメールは時々刻々と蓄積されて膨大なデータとなっていきます。
そうしたデータの山からお目当ての情報を引き出すには高度な検索機能が必要です。そこで優れた性能を示すのがGmailです。検索エンジンの王様 『グーグル』 のアプリケーションであるため、検索機能は他のメールソフトより高精度です。
その5 やっぱりGoogleだ
そして、最も大事なことはGoogleのメールサービスだということです。Googleは今やただの「検索サイトの会社」ではなく、インターネット上の大部分のサイトやサービスがGoogleと何らかの関係を持っているのでWEBの中心に位置しているのではないかと思われるほどです。
そのため、Gmailと連携しているサービスも多く、特にAndroid(Google社製のOS)のスマートフォンではGoogleのアカウントを取得しておかないと何もできません。したがって、Androidユーザーを中心にGmailを利用する人がどんどん増えてきています。
そういった背景以外にもGmailは以下のようないろんな機能を提供しています。
- グーグルカレンダーとの連携
- ウイルススキャン
- 自動不在応答機能
- ビデオチャット
- 下書きを自動的に保存してくれるオートセーブ機能 などなど
セキュリティの問題がビジネス導入の課題
このように、Gmailは
- クラウド化
- 複数メールアカウントの集約
- フィルタ機能
- 高度な検索
- Google製だから
といった理由で、ビジネス利用でも選ばれ始めています。
ただ、Gmailを始めとするウェブメールサービスの欠点はセキュリティの問題が避けられないことです。本来は社内で厳しく管理しなければならない情報もインターネットを経由してしまうことになり、情報漏えいの危険性や不正な攻撃を受ける脆弱性が生まれやすくなってしまいます。
そこで多くの企業はこうした外部のウェブメールを規制していて、社員が利用できないようにしています。
しかし、業種や職種によっては セキュリティのリスク < クラウド化の利点 というように、Gmailを利用するメリットをとれる可能性もあるためビジネス利用が増えてきているようです。
リスクと仕事の効率化のバランスを考慮して上手に活用できると良いですね。
最後に、Gmailを使う上で最低限気をつけておきたいこととしては
- 共有PCではアカウント名やパスワードが残らないようにし、必ずログアウトする
- スマートフォンにもセキュリティソフトを導入する
などがありますので、十分気をつけてご利用ください。