「写真技能士」を知っていますか?
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「写真技能士」は、職業能力開発促進法に基づいて実施されている技能検定の1つです。
技能検定ってどんな制度?
技能検定とは、一定の基準によって働く人の技能を検定し、国がその技能を証明する国家検定制度です。厚生労働省が実施計画を定め、中央職業能力開発協会が試験問題を作成、そして各都道府県が試験の実施を行っています。
昭和34年の実施スタートして以来、年々検定する技能は充実し、平成25年には114の職種の検定が実施され、技能を証明する資格として多くの職場で評価されています。
写真技能士の3つの等級区分
写真技能士の技能検定では、技能の程度によって等級が「1級」「2級」「3級」に分けられています。等級ごとの試験の程度は以下の通りです。
- 3級・・・初級技能者に必要な技能の程度
- 2級・・・中級技能者に必要な技能の程度
- 1級・・・上級技能者に必要な技能の程度
受検験資格
原則として技能検定では、受験する職種についての実務経験が必要とされています。等級ごとに必要とされるの実務経験は以下の通りです。
- 3級・・・受検する職種の実務経験がある
- 2級・・・2年以上の実務経験がある
- 1級・・・7年以上の実務経験がある
「写真技能士」の試験内容とは?
写真技能士の技能検定では、等級ごとに学科試験と実技試験が行われます。
学科試験
等級ごとの試験の形式と問題数は以下の通りです。
- 3級・・・真偽法の問題を50問(試験時間1時間)
- 2級・・・真偽法および四肢択一法の問題を50問(試験時間1時間40分)
- 1級・・・真偽法および四肢択一法の問題を50問(試験時間1時間40分)
実技試験
等級ごとに肖像写真および画像修復の技能が問われます。
3級実技試験
3級の実技試験では、下記の手順で肖像写真の作業試験を行います。(試験時間2時間55分)
- 男性モデル1名を黒白120(ブローニー)フィルムおよびデジタルカメラで撮影。
- フィルムの現像処理後、コンタクトプリントおよび6切(8/10)の引伸しプリントを行った黒白ポートレート写真を制作し、提出する
- デジタルカメラで撮影したカラーポートレート写真のデータを提出する。
2級実技試験
2級の実技試験では、下記の手順で肖像写真制作と画像修復の作業試験を行います。
肖像写真制作
モデル2名(スーツ姿の男性・洋服姿の女性)をデジタルカメラで撮影。画像の選択と画像処理を行い、カラーポートレート写真を制作する。(試験時間1時間15分)
画像修復
支給された画像データの色補正の修復を行う。(試験時間15分)
1級実技試験
1級の実技試験では、下記の手順で肖像写真制作と画像修復の作業試験を行います。
肖像写真制作
モデル3名(スーツ姿の男性・振袖姿の女性・羽織袴姿の男性)をデジタルカメラで撮影。画像の選択と画像処理を行い、カラーポートレート写真を制作する。(試験時間2時間15分)
画像修復
支給された画像データの傷などの修復を行う。(試験時間45分)
受検の申し込みについては、最寄りの都道府県職業能力開発協会にお問い合わせください。