恋愛に対する恐怖
恋愛というものを「この世で一番素敵な病気」と言い表した人がいます。本当に他の病気と同じように人を不安にさせるものだと思います。一度患ってしまうと生活もろくに出来ないほど心も身体も影響を受けてしまいます。年齢を重ねてもこの病いに慣れることは出来ずに、振り回されてしまう人も少なくないのではないでしょうか。
恋愛がもたらすこの不安の実態は何なのでしょう？
相手に嫌われたくない、どう思われるか気になる、相手が何をしているか考えると何も手につかない、といったことが不安の正体だと思いますが、経験によりさらに膨れ上がったりもします。過去の恋愛であった嫌な思い出が鮮明に蘇り、嫌でも結び付けてしまうからです。ひどいフラれ方をして傷ついたことや、信じていたのに裏切られた経験があれば、多少のトラウマになるのは当たり前。
苦しいだけで終わった恋もあれば、思うように自分をコントロールできずに後悔したことなんかは誰でもあるのではないでしょうか。他人からすればたいした話ではないのですが、自分の過去だとくっきりと大きな傷になり残っているかもしれません。その不安が大きな恐怖を作り上げています。まさに病いと一緒。素敵とは言いましたがそこに立っている気分は病気と大差はないものだと私は思っています。
傷つきたくない人のためにこんな恋愛
傷つかない恋愛とはどういったものがあるのでしょうか。そんなのない、そんなの恋愛じゃないという声が聞こえてきそうですが、自分を騙し騙し探してみることにしましょう。
傷つく原因は相手が自分の思うようにならないからです。相手に何も望まなければ期待を裏切られることはないのです。これも恋愛術の１つと呼べるかもしれません。また他には格上の相手、同等の相手と恋愛することをやめればいいかもしれません。相手のランクをどんどん下げれば自分の思い通りに恋愛を進めることが出来ると思いませんか？でもその相手にもしもフラれたり裏切られた時、ショックはさらに大きくもう恋愛なんて出来ないかもしれないですが。
他にも恋愛相手を複数確保すれば１つダメになってもダメージは少ないなど、傷つかないために出来ることはたくさんありますね。でもやっぱり頭をよぎるのは、「こんなの恋愛じゃない」かもしれません。
では少し考え方を変えて擬似恋愛というものはどうでしょうか。異性のアイドル、ミュージシャンに熱をあげ心の支えにするのは恋愛といえなくもありません。最近では距離も縮まり会えるアイドルというのもいますから、アイドルに恋をするというのも以前とは全く違う感覚なのかもしれません。
それでもやっぱり繋がりが欲しいというなら、最後に挙げるのはネットでの擬似恋愛です。出会わないことを前提にネットで知り合いメールなどで恋愛するものです。
なんじゃそれ！？と思う気持ちもわかりますが、今の時代ではそれほど特異な例ではないのだといわれています。なにより傷つきたくない人が増えたことと、ＳＮＳなどのツールが普及したことの２つががっちりとマッチした、まさに時代の産物だといえるでしょう。
２０代から５０代にアンケートをとった結果、恋愛したいしたくないという考えの違いはありますが、過去に女性との交際経験がない男性は２８％にものぼるのだとか。もちろんライフスタイルの多様化により、恋愛より趣味や生きがいに時間を使いたい人が増えたのも事実。しかしこれを見るとそういう擬似恋愛に走る人がいても不思議とは思えないですよね。
ネットでの擬似恋愛、その効果とデメリット
以前と比較して恋愛下手な人が増えたというのは確実だといえるでしょう。でも擬似恋愛を一概に否定することはできないと思います。というのもその中には恋愛はしたいがリアルではできないという人が多く含まれているからです。恋愛というのは他人の心と繋がるということ。恋愛を経験して失うものもあると思いますが何かを学ぶことも絶対にあると思います。
擬似恋愛でそれを得れるのなら、何もしないよりプラスだという考え方は出来るのではないでしょうか。また人は何かに支えられながら生活しています。全く支えがないよりはそれが擬似恋愛でも支えや癒し、温もりを見つけれるというのは大きな意味があるものだと思います。しかしやはり一度その手軽さを知ってしまうとリアルな恋愛が出来なくなるという恐れもあるでしょう。
恋愛というものは自分をさらけ出すことも重要です。しかしネットでの擬似恋愛では簡単に自分を偽ることができます。容姿や経歴など都合よく嘘の自分を作り上げ、それを演じてしまう人も少なくありません。擬似恋愛でもたくさんの物を得られると思います。しかし本当の恋愛でしか得られないものがあるということも見直す必要があるでしょう。