急成長するネット生保
近年、生命保険業界の中でも、ネット生保が業績を伸ばし、急成長しています。
ネット生保とは、ネット上で生命保険商品を取り扱う会社のことで、登場し始めたのは2008年頃と、新しいタイプの生命保険会社です。
ネット生保の中でも、ネクスティア生命保険(旧SBIアクサ生命)とライフネット生命保険は、開業以降、右肩上がりで業績を伸ばし続けており、生命保険業界の中でも、日々存在感を高めています。
また、最近は2社以外にも、オリックス生命保険の新規参入や、アイリオ生命保険と楽天による共同でのネット向け医療保険の売り出しが行われています。また、SBIホールディングスもネット生保への新規参入を計画がされています。
まだまだ生命保険業界でのネット生保のシェアは0.1%程度ですが、20代から30代という若い世代を中心に契約数を伸ばしており、さらなる成長が期待されています。
急成長の要因は?
近年、急成長しているネット生保。 しかしなぜ、ネット成長は急成長するようになったのでしょうか? ネット生保が有利とされている部分に、目を当ててみましょう。
保険料の安さ
ネット保険の最大のメリットといえば、やはり保険料の安さです。
保険料と言うのは、保険金の原価部分となる「純保険料」と、会社の利潤や、経費手数料の部分となる「付加保険料」に分けられます。
ネット生保は、ネットでの販売に絞ることで、書類や営業スタッフのコストをカットし、付加保険料の負担を軽減することに成功しています。
シンプルな保険内容
ネット生保で加入できる生命保険は、定期保険・終身保険・医療保険・がん保険など、必要最低限の生命保険がメインで、シンプルでわかりやすいラインナップとなっています。
また、ネット生保企業のホームページには、無料で保険料シミュレーションが出来るページがありますので、その場ですぐに、自分だけで色々なパターンを想定した見積もりが可能となります。
ネットでの申し込み
既存の企業の場合、夜遅くはコールセンターや企業が閉じてしまい、申し込みできない場合があります。
しかしネット生保は、ネットでの申し込みなので、24時間いつでも申し込むことが可能です。
また、申し込みも簡単で、その日のうちに申し込みを完了することができます。
これらの、ネット販売特有の安さ・手軽さを武器に、ネット生保は業績を伸ばして来ました。
ネット生保にもデメリットが?
前項のように、安さ・手軽さを売りにしたネット生保ですが、デメリットというのも存在します。
生命保険の種類が少ない
「シンプルな保険内容」というメリットの裏返しで、生命保険の種類・特約が少ないという点があります。
例えば、ネット生保の多くは、掛け捨て型の生命保険が多いため、生命保険に貯蓄性を求める方には、少々不利かもしれません。
また、契約内容次第では、ネット生保よりも既存の生命保険のほうが安くつく場合もあります。
ネット生保だから何でも安い、と言うわけではないのです。
対面営業がない
こちらも、「ネットでの申し込み」というメリットの裏返しで、ネット生保というのは営業マンと対面して契約する形を取っていません。
ですので、プロである営業マンのアドバイスを受けながら決めることが出来ません。
なので、生命保険を選ぶ際に少なからず、生命保険の知識を持っていないと、生命保険選びで失敗してしまう可能性があります。
また、ネットで個人情報の取引を行いますので、ネットへの不安がある方は、利用するのに厳しいかもしれません。
審査が厳しい
生命保険に限らず、ネットでの申し込みの場合、審査を文章で行わらなければならないため、より厳しい審査が必要になります。
少しでも疑いがある場合、断られてしまう可能性もあります。
生命保険への知識を付けよう
ネット生保専業会社である、「ライフネット生命保険」は、2008年5月の開業以降、約3年半で10万人の契約数を達成し、今では12万件まで契約数を伸ばすなど、急成長を遂げています。
さらに、同じくネット生保専業会社の「ネクスティア生命保険」も、2008年4月の開業以降、4万件以上の契約をまとめるなど、右肩上がりで成長を続けています。
また、最近発表された転職したい会社ランキングの金融部門で、「ライフネット生命保険」が圏外から5位に上がるなど、企業としてのブランド力も上がっています。
このように、近年注目されている、ネット生保。
しかし、注目されているからといって、何も考えずに食いついてはいけません。
保険料が安いから、手軽に出来るからといっても、それらはあくまで、生命保険を選ぶ際のメリットの1つに過ぎません。
ネット生保にも、デメリットがあると言う事を理解してください。
そして、ネット生保を選ぶ際は、ネット生保や生命保険への正しい知識を身に付け、専門家に相談するなど、慎重な生命保険選びを心がけましょう。