旅行代理店のパンフレットを見て頭を抱えた件
それは2015年2月某日のこと。私は自分の部屋のパソコンの前で頭を抱えていました。なぜかって?高いからです、旅行代が。これだけじゃいったい何のことかわからないと思うので、ことの経緯を説明します。
2015年5月のゴールデンウィーク明けに彼が長期連休(8日間)を取れることになりました。「せっかくだから4泊6日でどこか行こうよ」という話になり、真っ先に候補に挙がったのがニューヨーク。友達もいるし、後で書く「911メモリアル」にも行ってみたかったのです。
基本的に、旅行の手配をするのが好きな私は、彼に「準備は私に任せて」と毎度のごとく得意気な顔で言いました。そこで家の近所の旅行代理店を回ってニューヨーク旅行のパンフレットを集めたのですが、信じられない現実に直面したのです。
それは、「旅行代金の高さ」。5月のゴールデンウィーク明けはいわば「閑散期」に当たるので、少しは旅行代が安いだろう、とたかをくくっていました。しかし、私のそんな目論見は木っ端微塵に打ち砕かれました。
納得できない!このランクでこの金額
正確な金額は覚えていませんが、1人28万円くらいしたと思います。しかも、これは(言い方悪いけど)あまり評判が良くないホテルで、なおかつ、飛行機はこれまた評判が良くないアメリカ系エアラインの場合。
ホテルをアップグレードして、飛行機を日系エアラインにすると、値段はもっと跳ね上がります。たぶん1人30万円を超えてしまっていたのではないでしょうか。2人で60万、いや、それ以上・・・あ、ありえない、マジで・・・。
めまいがしたのは言うまでもありません。「そうだ、ネットの旅行代理店なら安いかもしれない」と検索しました。確かに、対面型の旅行代理店よりは安いパッケージを提供してはいますが、それでも「わー、安い!」と叫べるほどでもありません。私の探し方に問題があったのかもしれませんが。「やばいなー、どうしよう」と焦り始めました。
何とかして安くできないものか?
私はいい加減な人間ですが、引き受けたことはちゃんとやりたい、という気持ちはそれなりにあります。なので、「高いから他のところにしよう」というせりふだけは、彼に言いたくありませんでした。
そこで、「次のこだわりポイントを押さえつつ、旅行代金を安くできる方法」を必死で考え始めました。ポイントはこちらです。
・飛行機は日系(できれば全日空。マイルを貯めているので)のフライトを選ぶ。
・ホテルは高級である必要はないけど、治安がよくてある程度きれいなところを選ぶ。
・空港とホテルの往復送迎もつけておきたい。
この3つのポイントを押さえつつ、旅行代金を安く抑えることは果たしてできるのでしょうか?
「自分でやるのが一番安い」ということに気が付いた!
そこで私はあることを思い出しました。私は一時期、韓流スターの追っかけまがいのことをしていたため、一人でソウルや台北に出かけていました。その時にお世話になったのが「楽天トラベル」(http://travel.rakuten.co.jp/)。
ホテルと航空券だけでいい、という場合、こちらが一番予約も楽だし、何かあったときに日本語で対応してくれるので安心です。
そして、何よりも旅行代理店に任せるところを自分でやることになるので、安い!!!
後でも書きますが、本当に驚くくらい安くなります。
納得のホテルとフライトなのに驚きの安さ
さっそく私は、ニューヨーク行きの飛行機とホテルのパッケージを探し始めました。
まず、旅行日程(この時は2015年5月14日から19日)と目的地(ニューヨーク)、出発地(成田)を設定し、その時点で予約ができるフライトとホテルの一覧を検索します。その中から自分の好きなフライトとホテルを選択する、という算段です。
検索した結果、フライトとホテルは次の組み合わせになりました。
・フライト:全日空(行きNH0010便、帰りNH1009便)
・ホテル:ザ・ロジャー・スミス(http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/141142/141142.html/)
ホテルは楽天トラベルの評価で「☆4」以上のところ、かつ、地下鉄の駅から近いという理由で選びました。有名なグランドセントラル駅から徒歩7分という立地も魅力でした。
近くに日本人が多く近く住んでいる「マレーヒル」という地域があるので、和食レストランや日本食材スーパーもありました。また、ニューヨークではやっているらしいギリシャヨーグルトも食べ放題(おやつや夜食に大活躍)。スタッフの方もフレンドリーだったので、何かと助かったホテルです。
さて、このスペックの旅行で、旅行代金は2人でおいくらだったでしょうか?なんと約31万円。さらに、行く直前(4月の終わりころ)に全日空がサーチャージの引き下げを行ったことで、14000円旅行代金が安くなりました。つまり、2人で30万を切ったわけです。
会社から帰ってきた彼にそのことを報告すると、「お前、すげえな・・・」と言われました。
ということで、無事にホテルとフライトの手配は完了したわけです。しかし、これだけでニューヨークに行けるわけではありません。他にもやらなければいけないことはたくさんあるのです。
ニューヨーク旅行には何が必要か?
さて、ここでニューヨークに行くには何が必要か、ということについて改めて考えてみましょう。私たちの場合は、次のようなことが必要になりました。
・「ビザ免除プログラム」に基づいた渡航情報の登録(ESTA)
・空港~ホテル間の往復送迎
・「911メモリアル」のチケットの手配
・ニューヨークで人気の精進料理店「嘉日」の予約
・現地でのwifiルーターの手配
大まかに書いただけでも、結構ありますね。これらのタスクをどう片付けていったのか、順を追って書きたいと思います。
まず「ESTA」を手配しよう!
アメリカ本土、ハワイ、グアム、サイパンなどの「アメリカ領」に旅行されたことがある方はご存知かもしれませんが、現在、日本を含む一部の国の人々には、「ビザ免除プログラム」という制度が設けられています。
通常、アメリカに渡航するにはビザが必要となります。しかし、一定の条件を満たした短期間の滞在の場合、事前にパスポート情報、滞在地等、一定の情報を登録すれば、ビザが免除されるというのがこの制度の概要です。
このビザ免除プログラムには「電子渡航認証システム(ESTA)」という技術が導入されています。つまり、ESTAへの登録を済ませることにより、アメリカ領土に渡航することが可能となるのです。
ESTAへの登録方法
では、ESTAへの登録はどうやってやればいいのでしょうか?まず、自分でやる場合について説明します。まずはこちらのページにアクセスしましょう。「米国大使館ESTA(エスタ)申請公式ウェブサイト」(http://japanese.japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-esta2008.html)。
こちらにESTA申請についての詳しい情報が書いてあります。そこから、実際にESTAを申請するサイトへのリンクがありますので、そちらに移動してください(https://esta.cbp.dhs.gov/esta/)。移動したら、ページの上部にある言語選択から「日本語」を選択します(https://esta.cbp.dhs.gov/esta/application.html?execution=e1s1)。
あとはすべて日本語で書かれた質問に答えを入力(ローマ字、もしくは選択式で)すればいいだけなので、簡単です。料金は14ドルで、クレジットカードで決済します。
しかし、「簡単」と言っても落とし穴があります。それは「万が一、間違えた情報を入力してしまった場合の対応」です。「男なのに女と選択してしまった」など、パスポート情報の基本的な記載の間違いなら、訂正はできます。
esta@cbp.dhs.gov に次のような内容のメッセージを送りましょう。「間違えたので以下の申請をキャンセルしたい。
パスポート番号が間違っていないので新規申請ができない。ESTA申請番号、名前、パスポート番号、国籍、訂正箇所」こんなの自分で書けない、という人でも、インターネットの翻訳サービスを使えば簡単にできます。こういう場合はまだいいのです。
質問の返答ミスをすると大変なので、早く申請する
問題は「質問事項に間違えて回答してしまった時の対応」です。病気(重大な伝染病や重大な精神病。「鬱で精神科にかかっている」くらいなら問題ありません。)や犯罪歴があるかどうか、ということを中心に質問するのですが、これを読んでいるほとんどの人は全部「いいえ」でしょう。
万が一間違えて一つでも「はい」にしてしまった場合、かなり面倒なことになるようです。ESTAによる入国はほぼ不可能になるので、アメリカ大使館に観光ビザを申請する必要があります。
しかし、そういうデリケートな質問に「はい」と答えている以上、ビザが下りる確率もかなり低いようです。そして、何より時間がかかります。1週間はみておいたほうがいいそうです。楽しみにしていたはずの旅行に行けないばかりか、アメリカ領土に今後足を踏み入れることができなくなる、という最悪の事態に発展する可能性もあります。
そういう「あってはならない間違い」を避けるためにも、アメリカ方面への旅行が決まったらすぐにでもESTAの申請は行ったほうがいいでしょう。一般的には渡航の72時間前(3日前)までにすればいいとされていますが、早いに越したことはありません。
まさに「善は急げ」です。私はホテルとフライトを押さえた時点でESTAの申請(彼と私の分)を行い、無事に許可が下りました。
送迎タクシーも日本から手配して大正解
さて、ESTAが手配できたら、次は現地での行動についてです。私たちが使う飛行機(全日空)はニューヨークのジョン・F・ケネディ(JFK)国際空港に着陸します。この空港、ニューヨークの中心部のマンハッタンからはかなり離れているので、どうやって移動すればいいか悩みました。
自分たちでタクシーや地下鉄を使うことも考えましたが、慣れない異国で、重い荷物を引きずって移動するのは肉体的にも精神的にもかなりきついです。と、なると、誰かに送迎をお願いするのが一番いいかも・・・ということになりました。そこで、彼に意見を聞いてみると「できれば日本人のドライバーがいるといいなー。だっておすすめとか聞けるじゃん」と言われました。
なるほど、日本人ねえ・・・と思い、現地のエージェントで日本人の方が経営している会社はないものか探し始めました。そこで見つけたのがこちら。
「あっとニューヨーク」(http://www.at-newyork.com/)。
さっそく見積もりをお願いすると、専用車での送迎で往復360ドル。決してお安くはないですが、安心感は抜群です。お願いすることにしました。
そして、実際に使ってみた感想ですが、とてもよかったです!ニューヨークに到着したときのドライバーさんとは意気投合してしまい、彼と私とで、フェイスブックのアカウント交換をしました。帰りのドライバーさんもとても物腰が柔らかくて素敵な方でした。そして車は高級車(レクサス!)。頼む価値は十分にあると思います。
あっとニューヨークは様々な観光スポットの手配、レストラン予約も代行してくれるので、「こういうことがしたい」という希望があれば、どんどんお願いしてみるといいかもしれません。自信を持っておすすめします。
人気のあの場所のチケットは日本から手配しました!
ここで、なぜニューヨークに行くことにしたのか、という理由について改めて触れておきたいと思います。私たちがニューヨークを選んだ理由はいろいろありますが、一番の理由は「911メモリアル」(http://www.911memorial.org/)に行きたい、という理由からでした。2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロの追悼施設です。
私と彼は、この施設が落成したと聞いたときから、「いつかは一緒に行って、手を合わせてこよう」と話していたのです。そこで、「絶対ここには行かないとね」という話にはなったのですが、インターネットで検索をしてみると、とんでもない事実が浮かび上がりました。一覧です。
・チケットは事前予約をしていかないとものすごい時間待たされることになる。
・セキュリティチェックも厳しい(空港並みです!)ので、アポイントの時間には余裕を持っていくこと。
・いつ行っても混んでいる。
「チケットを日本から手配すべき」という結論になりました。そこでチケットの手配を始めました。
911メモリアルのチケット入手方法
まずはトップページから「Buy Ticket」をクリックします(https://www.911memorial.org/visit-911-memorial-museum-0)。すると「Visit the 9/11 Memorial Museum」というページに遷移するので、そこから「Tickets&Info」を選びます。
そうするとチケットの購入画面が出てきます。大人の場合は「Adult」を選び、クリックすると入場希望日と時間を選ぶ画面が出てくるので、あとはそれを選んで決済すれば完了です。そうすれば登録したメールアドレスにチケットのPDFが届きます。
当日はそれを印刷して持っていき、入場しましょう。あまり難しくはありません。でも、自分でできる自信がない人は、さきほどのあっとニューヨークのような代行業者に頼むのも一つの手段です。
慰霊碑の役目を果たす最後の柱
ちなみに911メモリアルの感想ですが、「実際に行って見てみないと、本当のところはわからない」というのが感想です。展示物も膨大で、急ぎ足で見ても3時間くらいかかります。そして、展示物の最後に「最後の柱」と呼ばれるワールドトレードセンターの支柱が飾られています。
これは事故現場に最後まで残されていた支柱の残骸です。事故処理に当たった人たちが殉職していった仲間の登録番号、メッセージを書いたり、写真を貼り付けたりしていました。いつしか慰霊碑の役割を果たすようになっていたそうです。
これがミュージアムに搬入されたときは、アメリカでの公職従事者の葬儀の慣例に習い、星条旗に包まれていたそうです。ここには書けないくらい、いろいろなことを考えさせられますが、ぜひ見ていただきたいです。
レストランもインターネットで手配できますよ!
おっと、ご飯の話もしておかないといけませんね。ニューヨークのご飯事情についてはいつかどこかで書けたらいいな、と思うのですが、ニューヨークでレストランを予約するにはどうすればいいか、ということについてご説明します。
ニューヨークに「嘉日(かじつ)」(http://kajitsunyc.com/)という精進料理店があります。私と彼は京都が好きで、京都に行くといつも行くお麩のお店があります。その「麩嘉」というお店が経営するお店です。かなりお高い、と聞いていましたが、「せっかくだから」と予約することにしました。
レストラン予約に便利なグルメサイト
予約するのに使ったのは「Open Table」(http://www.opentable.com/start/home)というサイトです。つい最近、日本でもサービスをスタートさせました(http://www.opentable.jp/start/home)。システム的には日本の「ぐるなび」「ホットペッパー」などのレストラン予約サイトと一緒です。
まず、予約したいレストランがある都市と地域(ここでは「Newyork」「Manhattan」)を選ぶと、その地域にあるレストランを検索することができます。お目当てのレストランが見つかったら、あとは時間と日時を指定し、予約フォームに入力すれば完了です。
当日は店に行けば大丈夫!ちなみに、電話番号の入力を求められますが、日本の携帯電話では入力できないので、ホテルの番号を入力しておけば大丈夫です。
ちなみに、「嘉日」のお味ですが、とてもおいしかったです。「野菜だけでこんなにおいしいものが作れるのか!」と驚くような味でした。しかし、お財布にはかなり厳しかったです。帰国後の晩御飯はしばらく鰹節ご飯でした・・・(もちろん冗談ですが、それぐらいいい値段がしたのです)。
wifiルーターがあれば何でもできる!
最後に、現地でのIT事情についてまとめておきたいと思います。私と彼は、スマートフォン(アンドロイド)の他に、タブレット端末(これもアンドロイド)を使っています。現地でも使いたいよね、ということで、wifiルーターを借りることにしました。
本当はSIMロックを解除して、現地でSIMカードを買うことも考えたのですが、日本の携帯で本当に動作するのかなんてわからないし、手数料もかかります。なのでやめました。
ルーターレンタルの方がパケット通信料より安い
wifiルーターは日本から手配していきました。「グローバルWiFi」(http://townwifi.com/)を利用し、成田空港で借りたのです。レンタル料は保険料込で11000円くらいでした。海外でパケット通信をすると膨大なパケット通信料がかかることを考えると、こっちのほうが沢山の端末で使えるし(たしか5台までいけると言われた)、お得かもしれません。
基本的に、海外に行った場合、英語が得意な私が交渉を担当し、彼が地図を見たり、道を決めたりするという役割分担があります。
今回はwifiとタブレット端末があったおかげで、「グーグルマップ」で自分たちの行きたいところにすいすい行くことができました。また、込み入った話をしなければいけないときは翻訳アプリが本当に役に立ちました。
ということで、wifiが使えると何かと役に立つことが多いので、ぜひ手配して旅行に行かれることをオススメします!
自分でできることとできないことをはっきりさせよう
ここまで、自分で旅行を手配する、ということについて書いてきました。自分で旅行を手配するのはかなり大変な部分もありますが、やってみると結構楽しいです。「自分で作り上げている」という実感がわくからかもしれません。
しかし、お年寄り、海外旅行が初めての人、お子さんがいらっしゃる場合、フォロー体制が整っているほうが何かと安心なはずです。そういう場合は旅行代理店を通じて予約した方がいいでしょう。
要は、「自分でできること」と「できないこと」をはっきりさせれば、おのずと自分に合った旅行の形が見えてくるものです。それに沿って旅行を選べば、楽しい旅行になるでしょう。
話はズレてしまいますが、どういう旅行の形態であっても、海外旅行保険に入ることを強くおすすめします。旅先で何かあったとき、高額の医療費を請求されるということは珍しくありません。備えあれば憂いなし、です!もちろん、私たちも入っていきました。