自分の備えはどうするべきか
シングルマザー(ファーザー)にとって、一番の懸念事項は「何かあったとき、子供に負担をかけないか」ということです。当然、保険選びもその観点から慎重に行う必要があります。
その1 病気になったときのお金
まず、備えとして大事なのは「病気になったときのお金」です。
大きな病気になったときどこまでカバーできるか
あなたが仮に、がん・脳卒中・心臓病などの「三大成人病」にかかった場合、かなり高額の医療費がかかります。また、これ以外にも、厚生労働省により難病指定されている病気はたくさんあります。
しかし、「高額療養費」制度といって、入院などにより高い医療費を支払った場合、所得に応じて一定の金額(これを自己負担限度額といいます)を超えた部分が戻ってくる、という制度があります(参照:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030/r150)。
また、難病指定されている病気にかかった場合、お住まいの地域の保健所に申請すれば、医療費の助成が受けられます。そのため、健康保険でカバーされない先進治療を受ける場合を除けば、治療費の心配はあまりしなくていいでしょう。
それよりも手厚く考えるべきなのは「治療を受けている間の生活費」です。最近は医療も進歩し、がんになっても通院で抗がん剤治療を受けながら働く人もでてきました。しかし、病気になったら、以前のようにフルタイムで働けないことがほとんどです。治療を受けている間の生活費をどうするかということに主眼を置いて保険選びをしましょう。
その2 万が一のときに子どもに残すお金
次に、不運にしてあなたに万が一のことがあった場合にどうするか、ということに話を移します。あなたがいなくなってしまったら、お子さんはどうするのでしょうか。別れたパートナーや親せきが引き取ってくれるにしても、当座の生活費は残してあげたいものです。
そのため、生命保険を選ぶときは、死亡保障にも目を向けましょう。死亡保障は亡くなったときに一度に受け取れるタイプ(一時金)か、亡くなったあと数年にわたって受け取れるタイプ(年金)かのどちらか選ぶことができます。
子どもが大人になるまでは手厚く、その後は見直しを!
当然、死亡保障が手厚くなればなるほど保険料はかかります。少しでも保険料を節約するにはどうすればいいのでしょうか。オススメなのが「保険金の見直し」です。子どもが大人になるまではある程度手厚くし、その後は金額を減らすというのも保険料の節約には役立ちます。
子どもの備えはどうするべきか
では、子どもの備えはどうするべきなのでしょうか。
その3 大学、短大、専門・各種学校に進学したときのお金
まず、子どもにかかるお金で大きなウェイトを占めているのが「教育費」です。すべて公立の学校に通わせたとしても、それなりにお金はかかります。
定期積立や学資保険で毎月積み立てる
子どもを大学まで行かせるとして、一番多いパターンを考えてみました。「幼稚園~高校が公立、大学が私立文系」とします。この場合、約900万かかることになります(文部科学省 「平成22年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より。参照:https://www.nomu.com/loan/lifeplan/k_education_01.html)。
つまり、ある程度の蓄えは必要ということです。定期積立、もしくは学資保険などを上手に活用して、「毎月少しでもいいので積み立てる」という姿勢を忘れないようにしましょう。
奨学金は返済計画をしっかり立てて利用しよう
「奨学金ってどうなんだろう」ということも懸念事項の一つかもしれません。現在、奨学金を返済できない人が多い、ということが社会問題となっています。
奨学金として一番一般的な日本学生支援機構の奨学金には、利子のない「第一種」と利子のある「第二種」があります。できることなら第一種を利用できるように頑張ってもらうこと、返還プランを綿密に立てることが必要です。
また、大学によっては独自の奨学金を設けているところもあります。返還不要のものもあるので、そういう奨学金を利用することも考えましょう。その4 子どもが病気になったときのお金
子どもだって病気になる可能性はあるもの。そういうときの場合はどうすればいいのでしょうか。
学資保険に医療特約はつけるべきか?
先ほども書いた通り、健康保険に加入していれば、所得に応じて高額医療費の一部は戻ってきます。また、地方自治体によっては、一定の年齢以下の子どもの医療費に対する助成を行っていることもあります。
それを考えると、学資保険をかけている場合に医療特約を必ずしもつけなくてもいいかもしれません。医療特約を付けた場合、途中で解約したときに戻ってくるお金が安くなってしまうケースも多々あるからです。医療特約を付ける代わりに、その分を貯蓄に回すといいでしょう。
その5 子どもが事故を起こしたときのお金
子どもが、日々の生活で誰かにけがをさせてしまうおそれはあります。そういう場合はどうすればいいのでしょうか。
自転車の事故には注意
子どもの場合に注意させたいのが「自転車の事故」です。自転車はマナーを守って乗らないと、それだけで凶器となる乗り物になります。自転車で対人事故を起こし、不運にも相手の方が大けがをされたり、亡くなってしまった場合、数千万円単位の損害賠償を請求されることもあるのです。
子どもとともに損害保険に入ろう。不測の事態に備えるには、損害保険に入っておくことが一番です。
損害保険に入っておけば、子どもが誰かにけがをさせた場合の治療費や賠償金をカバーできることも多いです。ご自身の損害保険を検討するときに、家族扱いで子どもも入れることができないか相談してみるといいでしょう。
成人する前と後では保険に求められるものは違う
シングルマザー(ファーザー)の保険選びで一番重要なことは「ライフステージに応じた見直し」をすることです。子どもが成人するまでは、親が守ってあげなければいけない部分は多々あります。
しかし、子供が成人してからは、その部分は格段に減るでしょう。 もちろん、精神的なサポートは一生涯必要なのは言うまでもありませんが。「今、自分たちの人生がどのステージにあって、そのためには何が必要か」という観点で保険を検討すると納得のいく保険選びができると思います。