キーワードは“日本のリアルな生活”
外国から来た友達を案内する。慣れている人なら別ですが、まず思うのは「どこに連れて行ってあげようかな」ということかもしれません。基本的には相手の意向に沿う形にするのが一番ですが、「お任せするわ」と言われた場合は、いっそ「日本のリアルな生活」を体験してもらうという心づもりで選ぶのはどうでしょう?本当の日本を感じてもらえるおすすめポイントをまとめてみました。
その1 伝統文化を感じてもらいたい神社仏閣編
日本といえば神社や仏閣をイメージする外国の人は多いかもしれません。そこで、お連れするときに注意したいことをまとめました。
参拝するときのマナーは丁寧に教えよう
まず参拝するときのマナーを丁寧に教えることです。神社、仏閣にはそれぞれ決められた参拝のマナーがあります。日本人の私たちであれば当たり前にできる(ことが多い)ことでも、外国のお客様にとっては慣れない場所。
丁寧に教えてあげましょう。「自分で教えられる自信がない」という人は、職員さんに声をかけるのもいいですね。
嫌がる相手は無理やり連れていかない
いくら神社、仏閣が日本的な建物であっても「自分の信仰する宗教以外の宗教施設には行きたくない」という人もいます。そういう人を無理に誘うのはやめましょう。
誰にだって、信仰の自由というものがあるのです。
日本の伝統文化もついでに体験してもらいましょう
神社、仏閣によっては、茶道、華道、写経、写仏など日本文化の体験教室を行っているところがあります。また、教室ほどではないけれど境内にお茶を出してくれる休憩所がある場合も。そういうところで日本の伝統文化に触れてもらうのもいい経験になるでしょう。
その2 日本の商品力を実感してもらいたい工場見学編
日本は世界にも類がない工業大国です。クオリティの高い商品を長年にわたって生み出してきました。外国の人だって、そのあたりはわかっているはずです。
日本のモノ作りは世界から注目されている
以前、こんなテレビ番組がありました。JRの新幹線の運行センターを海外の鉄道関係者に視察してもらうという番組です。彼らは「日本の運行体制はすごすぎる!」と感動の声をあげていました。その例からもわかるように
「日本のモノ作り」を見学してもらうのも、きっといい思い出の一つになるでしょう。
東京、大阪中心部から程近い工場見学スポット
もし、あなたが東京、大阪中心部から近いところで工場見学スポットを探しているなら、自信をもってお勧めしたいところがあります。
キーワードは「カップラーメン」。今では当たり前に食べているカップラーメン。これは日本の発明品だということはご存知ですか?
その歴史と製造工程を見学し、最後に自分のオリジナルのラーメンを作って持ち帰れる施設が横浜と大阪(池田市)にあります。東京都心部、大阪中心部からのアクセスもいいので、ぜひ検討してみてください。
横浜:「カップヌードルミュージアム」http://www.cupnoodles-museum.jp/
池田:「インスタントラーメン発明記念館」http://www.instantramen-museum.jp/
その3 満足して楽しんでもらいたいお買い物編
旅行の楽しみの一つは、お土産を買うことです。それは日本人だろうが、どこの国の人だろうが変わらないと思います。では、お買い物に案内するときのポイントは何でしょうか?
デパートと家電量販店は鉄板です
まず、外せないスポットといえば、デパートと家電量販店。日本のデパートの品ぞろえはかなり優秀です。食べ物からコスメ、服飾雑貨まで手に入らないものはない、といってもいいかもしれません。
また、日本といえば優秀な電化製品が自慢。電化製品の買い物をしたいという友達はぜひ家電量販店に案内してあげましょう。どちらも免税対応をしている場合がほとんどなので、免税カウンターの案内をしてあげることも忘れずに!
日本ならではの土産物を探せるスポット
日本ならではの土産物といえば和紙製品やお香など、伝統文化を感じさせるものがおすすめです。特に「鳩居堂」(http://www.kyukyodo.co.jp/)は手広く「和」を感じさせる品ぞろえをしているので、「日本らしいものを買って帰りたい」という人にとっては外せないスポットでしょう。
ドラッグストア、100円ショップは優秀です!
案外あなどれないのが、ドラッグストアと100円ショップです。今、日本のプチプラコスメが海外で注目を集めているということはご存知ですか?ドラッグストアや100円ショップの商品は安いのに高品質ということで、日本のお土産として買い求めていく人がとても多いのだそうです。
日本のお菓子も安く売っていることがほとんど。「抹茶味のお菓子を買って帰りたい」という人は多いそうなので、案内してあげましょう。
帰りの飛行機で食べられるおやつもおすすめ
「翌日日本を出国する」という友達を案内する場合、帰りの飛行機で食べられるおやつを用意してあげると喜ばれます。そんなときにおすすめなのが、パン屋さんのパン。
ピンとこないかもしれませんが、日本のパン屋さんは品ぞろえが豊富で、とても完成度が高いのだそうです。
人によってはかなりのロングフライトになることもある帰り道、おいしい食べ物があるのは心強いもの。余裕があれば用意してあげましょう。
その4 希望をかなえて喜んでもらいたい食事編
極端な話、ご飯がまずいとそれだけで旅行のテンションはガタ落ちです。そんな思いをしてもらわないためには、どんなことに気を付ければいいのでしょうか?
High編 高級日本料理を体験してもらう
「日本に来たのだから、日本料理を食べてもらいたい」と思う人は多いかもしれません。ちょっといい値段がするお店を使おう、という人も多いと思います。たしかに、いい経験になりますが、気を付けてほしいことがいくつかあります。
高級日本料理店を使うときに注意したいこと
まず、相手の好みを聞いておくことです。
肉が好きで魚が苦手だったら、しゃぶしゃぶ、すき焼き、焼き肉、焼き鳥などの肉料理が主体のお店を予約する。
ベジタリアンだったら、精進料理など動物性たんぱく質を使わない料理を提供してくれるお店を探す。
そういった「相手のニーズにこたえた」店選びをすることが大事です。
また、外国人対応に慣れている店を探すのも大事なポイントです。無難な選択としては、ミシュランで星をいただいているお店や高級ホテルの日本料理店。満足してもらえるおもてなしができるお店かどうかを考えて選ぶといいですね。
日本人にとっては「当たり前」と言えることであっても、外国の人にとっては「当たり前ではない」ことは往々にしてあるもの。
わけもわからず「こうするのが礼儀」と言われても、相手は不快になるだけかもしれません。そのため、「なぜ、そうするのか」を的確に説明できるスタッフがいるということは安心感にもつながります。高級店ではこのあたりの事情も見据え、外国語のできるスタッフを配置していることが多いためです。
Low編 B級グルメを楽しんでもらう
高級料理ばかりが日本の料理ではありません。日本は食の充実している国です。だからこそ、B級グルメを楽しんでもらうのも選択肢の一つです。
困ったらグローバル展開しているチェーン店もアリ
では、どんなB級グルメのお店に連れていけばいいのか?一つの選択肢としては、グローバル展開しているチェーン店を選ぶことです。例えば定食屋の「大戸屋」(https://www.ootoya.com/)。海外ではかなりの高級レストランとして人気を集めているってご存知でしたか?
日本にいる私たちにとっては「リーズナブルに定食が食べられるお店」であっても、外国の人にとってはごちそうということもあります。
ハラルフードを扱うレストラン、食材店のまとめ
皆さんは「ハラルフード」という言葉をご存知ですか?わかりやすくいえば「イスラム教の戒律にのっとった食事」のことです。近年、インドネシアなどイスラム教圏の国からのお客様が増えています。
そういったお客様にも日本の食事を楽しんでもらえるよう、ハラルフードを出す飲食店が増えているのです。
「イスラム教徒の友達が来るけど、ご飯どうしよう」というときは、ハラル対応を行っている飲食店のリストがあるので、参考にしてみてください。
(参照:http://halaljapan.jp/muslim/restaurants)
日本の素敵な思い出を持ち帰ってもらうために
「こうすれば、日本の素敵なところを案内できる」というポイントをまとめてみました。でも、どんなテクニックを用いるよりも、一番大事なのは「素敵な思い出を持ち帰ってもらいたい」という真摯な気持ちです。あなたの友達が、より日本という国を愛して帰国してくれますように。