よく見かけるミントって、本当はなんだか知っていますか?
ミント。ハーブはよく知らなくても、この名前は聞いたことがあるがでしょう。タブレットや、口腔洗浄剤などに使われているこの成分、植物の葉自体はお菓子やお茶などに使われることが多く、カフェなどで目にする機会も多いハーブです。
このミントとはなんであるか、知っていますか?
ミントは、海外では雑草扱いされている植物。繁殖力がとても強く、わずかな根から息を吹き返したように再生・繁殖することから、「ミントテロ」と呼ばれるほどです。ハーブ愛好家だけでなく、ミントテロは一般的にも知られており、SNSなどではミントテロによる嫌がらせの記事などを目にすることもあると思います。
ミントで嫌がらせ、って?
ミントで嫌がらせ?
不思議に思われるのも無理はありません。ミントの根や、根の付いた一枝を土に置くと、あっという間に増殖します。一度ついてしまった根は、抜いてもぬいても留まるところを知らず、やがては大地一面をミントで埋め尽くします。その繁殖力の強さから「ミントテロ」と称され、その性質を利用した「雑草テロ」の嫌がらせについて、エピソードを紹介したSNSを時々見かけることがあります。
ミントは雑草。でもそれは反対に、少々雑に扱っても大丈夫な育てやすい植物であることを意味します。ミントの性質を理解して、上手に育て、清涼感溢れる夏を満喫しませんか?
いまがちょうど、育て初めにいい時期だと思います。
ハーブの達人・アン先生から初心者のあなたへアドバイス
扱い方を間違えると、雑草のように繁殖してしまうミント。そのミントを上手に育てるには、どんなところに気をつければいいのでしょうか?
今回も、茅ヶ崎にあるハーブ教室「茅ヶ崎でリトリート サロンドアン」のアン先生に初心者でも楽しく始められるハーブワンポイントアドバイスをいただきながら、皆さんと楽しくハーブにチャレンジしたいと思います。
「ミントは、繁殖力が強く育てやすい植物です。でも、繁殖力が強すぎるので、いくつかの注意点があります」
それはいったいどのような注意点なのでしょうか?
「ミントは、基本的には地植えにしないこと。繁殖力が強いので、地植えにしてしまうと広がりすぎて、他の植物が育たなくなる可能性があります。どうしても地植えにしたいときは、根をジュート布(麻布)で包んで、根が広がるのを防ぐ対策を取るようにしましょう」
ジュート布は、ご存じ麻袋などに使われているあれです。あの布で根を包み植えるだけで、ジュート内に根が収まり、縦横無尽に成長するのを防いでくれるのだそう。
「ほかにもジュートで鉢を包んだりすると、インテリアとしても使えますよ」
なるほど。ハーブの緑と、ジュートの茶色は確かに合いそうですね。とてもおしゃれな印象をもてそうです。
実際に、ミントを育ててみよう
自宅で育てていたミントをアン先生のアドバイスに従って植え替えてみました。
「ミントには、いろいろな種類があります。プランターで育てるときの注意は、品種の違うミントを混ぜて寄せ植えにしないこと。ミント同士根が絡んで混同し、やがてミントではないものになってしまうの。もし寄せ植えにしたいときは、根をジュートで包んでくださいね」
ミントが混ざってミントではないものになってしまう・・・。これは、ちょっと衝撃でした。寄せ植えのハーブはよくあるし、初心者は、ミント同士なら混ぜても大丈夫だと考えてしまいがち。
ということで、今回は三種類のミントを別々の鉢に植え替えることに。大きなプランターの端が変に空いているのは、ここにジンジャーミントを寄せ植えしていたものを、アン先生のお話を聞いて慌てて鉢に分けたからです。1カ月くらいで分けたのですが、すっかり根が張ってしまっていて、分離させるのもちょっと大変でした。生えてきては抜いて、鉢に植え、を繰り返して、ようやく片側をすっきりさせることができました。
ミントも、水栽培できます
ローズマリーのときもそうでしたが、ミントも水栽培することができます。切ったり、抜いたりしたミントを水に挿しておくと根が生えてきます。そのまま水栽培でもいいですが、基本的には土に植え替えるのがベスト。このときも、種類ごとに植えることをお忘れなく。
水栽培のミントも繁殖力は旺盛なので、のびてきたら上の部分だけ摘み取ってお茶などに使っても、またすぐ下葉が成長してこのサイズになります。写真は上の部分を摘み取って半月くらいたったもの。つまり、そのくらいミントの繁殖力はすごいという証ですね。
育ったミントは、葉を1枚口に含むだけでもすっきりとした清涼感が味わえます。自分で育ててれば、オーガニックミントで安心ですね。ぜひ、お試しください。
取材協力:
サロンドアン茅ヶ崎 山崎安佑美先生
http://salonann.com/
写真提供:
黒田カオリさん