3人に1人が無くなる心筋梗塞とは
心筋梗塞とは、心臓に血液が送られず、短時間で心臓が壊死してしまう病気。
生活習慣病の1つとされ、狭心症と並び「虚血性心疾患」とも呼ばれています。
加齢とともに発症する割合は上がっていき、男性では45歳、女性は65歳を境にして急上昇のカーブを描いています。
心筋梗塞の死亡率は非常に高い
発症してから6時間以内の死亡率が30%~40%と最も高く、例え病院に運ばれたとしても10%の確率で亡くなっています。
心筋梗塞から回復できるかどうかは、発症から1時間以内に病院で適切な治療を受けられるかどうかにかかっていると言えるでしょう。
確実に後遺症が残る
また、例え手術で一命を取り留めたとしても、ほとんどの場合で後遺症が残ると考えられます。
心臓(心筋)は、一度壊死すると、繊維状の組織となり元には戻りません。
その為、正常な働きをすることが出来ず、『不整脈』『狭心症』『低酸素脳症』などの後遺症に悩まされる事でしょう。
心筋梗塞の症状と前兆
胸部に感じる激痛が、最も分かりやすい症状でしょう。
「心臓を食い破られる」「焼けた鉄の杭を差し込まれたよう」と、死を覚悟する程の痛みを感じます。
冷や汗が止まらず呼吸困難になり、そのまま気絶する人も珍しくありません。
痛みが持続する時間は約30分。その後、痛みが引いたように感じます。
これは痛みを感じていた心臓の一部が壊死したためで、決して症状が改善されたわけではありません。
胸の苦しみは心筋梗塞の前兆
心筋梗塞で倒れる前に、「息がつまる」「心臓を木の板で押しつぶされる」ような、痛みや息苦しさ、もしくは左の肩から腕にかけてしびれを感じる事もあります。
これらは『狭心症』によって引き起こされる症状の1例。心筋梗塞の前兆とも言えます。
狭心症は見逃されやすい
心筋梗塞になる前に、血管が完全に詰まっていない『狭心症』になっている事が少なくありません。
しかし、狭心症の症状は激しい痛みもなく、数十秒から長くても数分で沈静化します。
その為、胸の痛みを軽くとらえ、病院に行かないまま病状が悪化していき、心筋梗塞を起こしてから病気に気が付く人がほとんどです。
逆に考えれば、心筋梗塞に関する知識を少しでも持っておけば、狭心症の症状があった時点で発症を防ぐ事も難しくはないという事です。
心筋梗塞の原因
- 血管の老化(動脈硬化)
- 肥満
- 高血圧
この3種類が心筋梗塞を起こす主な原因とされています。
心筋梗塞は早朝が危険
国立循環器病研究センターからは、『朝の6時~8時』と『夜の20時~22時』に心筋梗塞になりやすいというデータが発表されています。
また、『温かい部屋から、寒い外に出た時』や『お風呂』『トイレ』など、気温の寒暖差が激しい場所では心臓に負担がかかり、発症しやすいとも言われています。
心筋梗塞の予防法
心筋梗塞の予防には、『柔軟な血管の健康を保つ事』と、『心臓に負担を掛けない事』が重要です。
- ストレスを溜めない事
- ウォーキングなどの、軽い有酸素運動を行う事
- 禁煙
- 脂質を減らす
- お酒を控える
これらが、心筋梗塞を予防するのに、効果があると言われています。
1杯の水が命を救う
また、睡眠中に汗をかく事で、血液中の水分が減り、詰まりやすいドロドロの血液になる事があります。
このドロドロ血液の状態は、睡眠前と起床後に、1杯の水を飲むだけで解消されます。
寒い日のマフラーが心筋梗塞を防ぐ
急激な寒暖差は心臓に負担をかけ、心筋梗塞を誘発します。
寒暖差を緩めるには、きっちりと防寒対策をする必要がありますが。中でもマフラーは特に有効と言われています。
「たぶん大丈夫」で済ませないで
心筋梗塞は死亡率が高い、恐ろしい病気です。
しかも発症した直後から心筋が壊死を始めるので、初期対応の速さが生存確率と後遺症に大きくかかわってきます。
もしも、胸に違和感を覚える事があれば、それは心筋梗塞の前兆かもしれません。
早い時期に、一度病院で検査を受ける事をおすすめします。