温めたほうがいい?冷やしたほうがいい?頭痛の種類で変わる対処法|トピックスファロー

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2015年7月21日
温めたほうがいい?冷やしたほうがいい?頭痛の種類で変わる対処法

頭痛のとき「温めると良い」と聞いたことがある、でも「温めると悪化する」と聞いたこともある。一体どっちが本当なの!? 実はどっちも正解なんです。そこには頭痛の種類によって変わる対処法がありました。

WEBライター
  

頭痛の種類にはどんなものがあるの?

頭痛

頭痛は、大きく分けると「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2つからなります。

一次性頭痛

「頭痛の原因となる疾患」の存在しない頭痛を一次性頭痛と呼びます。頭痛そのものが独自に発生してくるものです。一次性頭痛は、以下の3つに細分化されます。

片頭痛

「偏頭痛」と表記されることもありますが、正しくは片頭痛といいます。頭の片側に痛みが発生することが語源です。症状には個人差があり、両側に痛みが発生する場合があります。痛みが激しく吐き気を伴う場合もあり、動くと悪化するため、寝込んでしまう方も。女性に多く見られる頭痛です「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる前兆を伴うケースもあります。

●閃輝暗点とは?

以下の症状を閃輝暗点と呼びます。

1.実際に光源があるわけではないのに、目の前に光を感じる
2.一時的に視界の一部が欠ける
3.ギザギザ・ジグザグの図形のようなものが見える

●片頭痛は遺伝する?

母親が片頭痛持ちの場合、その子どもも片頭痛持ちになる可能性は高いです。そのため「片頭痛は遺伝する」という説もあります。片頭痛の種のようなものが遺伝によって受け継がれるわけではなく、片頭痛が発生しやすい体質が遺伝するという考え方です。

しかし、親子であるならば同じ環境で生活し、同じ食事をとっているわけですから、そこに原因がある可能性も否定はできません。

緊張型頭痛

ストレスや体のコリが原因と考えられています。そのため、同時に肩や首の痛みを伴うケースも。幅広い年齢層で発生している頭痛で、子どもにも多く見られます。きついヘルメットで締め付けられるような痛みが長期間続くことが特徴的な頭痛です。痛みが起きる頻度によって、さらに以下の2通りに細分化されます。

●反復性緊張型頭痛

長期間のうち、痛みが発生するのは時々です。

●慢性緊張型頭痛

ほとんど毎日のように、長期間にわたり痛みが継続する頭痛です。

群発頭痛

「群発期」と呼ばれる特定の期間にのみ、集中的に発生する頭痛です。群発期は数カ月にわたることがあります。非群発期には頭痛は自然に治まることが特徴。男性に多く見られる頭痛です。睡眠中に痛みが発生することも、群発頭痛の特徴のひとつ。

痛みは片側のみですが、片頭痛との決定的な違いは痛みの強さ。片頭痛も強めの痛みを伴いますが、群発頭痛は痛みに耐えかねて自殺者も出るほどなのです。

例外1.複合型

一次性頭痛は、別々のタイプが混在するケースがあります。しかし、群発頭痛は他のタイプと混在することはありません。そのため、複合型は片頭痛と緊張型頭痛の混在ということになります。

例外2.性行為に伴う一次性頭痛

別名「オーガズム頭痛」とも呼ばれます。男性に多く見られる症状ですが、女性でも発生の可能性はゼロではありません。性的興奮を感じると、頭部の血管が収縮します。これにより、脳へ届けられる酸素が不足して、頭痛が発生するのです。

この段階では一次性頭痛ですが、クモ膜下出血などの危険な二次性頭痛の原因を引き起こす可能性もあるため、注意が必要。

痛みのタイプは以下の2通りです。

1.興奮により徐々に増す鈍痛
2.絶頂時の爆発的な頭痛

二次性頭痛

背景になんらかの疾患があり、それが原因となる症状の一部として頭痛が表れるケースが二次性頭痛です。症状が頭の痛みであることから、原因として脳の異常である場合が多くあります。頭痛は命の危険を知らせる信号である可能性もあるのです。

二次性頭痛の原因

二次性頭痛には以下の原因が考えられます。

1.クモ膜下出血
2.脳出血
3.脳腫瘍
4.脳炎
5.髄膜炎
6.インフルエンザ
7.風邪
8.低酸素血症
9.低血糖
10.褐色細胞腫
11.妊娠
12.月経
13.高血圧
14.顎関節症
15.中耳炎
16.緑内障
17.副鼻腔炎(ふくびくうえん)
18.歯髄炎
19.心身症
20.不眠症
21.うつ病
22.二日酔い
23.冷たい飲食物
24.薬物依存
その他、あらゆる感染症や各種ストレス

●アイスクリーム頭痛とは?

カキ氷やアイスクリームなど、冷たいものを一気に食べた場合に、キーンとする頭痛を感じることは有名なお話です。これは、ノドが冷やされたことが原因の「アイスクリーム頭痛」。体温を一定に保つために血管を膨張させて多くの血液を送り込もうとするのです。

上記二次性頭痛の原因の13番目に「高血圧」の項目がありますね。血圧が上がると、膨張した血管が頭部内で神経に触るため、頭が痛くなるというメカニズムです。

●リバウンド頭痛とは?

「鎮痛剤は常習的に使用を重ねることで耐性がついて効きが弱くなる」というイメージを持っている方が多いかもしれません。しかし、実は、鎮痛剤は耐性による効き目の低下という性質はないのです。では、なぜそのような説が語られているのでしょうか?

それは、上記二次性頭痛の原因の24番目に記載した「薬物依存」に原因があります。鎮痛剤には依存性があり、継続して使用を続けると、飲んでいないときに頭痛を発生させるのです。これを「薬物乱用頭痛」または「リバウンド頭痛」と呼びます。

危険な二次性頭痛の見極め方

「命の危険を知らせる信号」の一面を持つ二次性頭痛。しかし、実際に自分の頭痛がそうであるかどうかは、どのように判断できるのでしょうか?以下の項目を参考にし、不安があればすぐに検査を受けてください。

しかし、頭痛の症状のみで判断をすることは医師でも難しいもの。以下に当てはまらないからといって素人判断で放置することも危険です。頭痛が長く続く・痛みが激しいなど、少しでも不安に感じることがあれば、早いうちに検査の機会を設けましょう。

1.前兆がなく、突然頭痛が起きた
2.痛みの強さや痛み方など、今まで経験したことのないタイプの頭痛だ
3.だんだん痛みが強くなる
4.頭痛のほかに、手足が動きにくい・言葉を発しにくいなどの症状がある
5.頭以外にも痛い場所がある
6.持病がある
7.50歳以上である

一次性・二次性に明確に分類できない頭痛

疾患や体の変化などを原因として発生する頭痛は二次性頭痛に分類されます。二次性頭痛の項目では、原因のひとつに「月経」を上げました。しかし、月経由来の頭痛は「片頭痛」であるとされています。

片頭痛は、一次性頭痛の一種に分類されることは既にご紹介しましたね。そのため、月経に伴う頭痛は一次性頭痛であり二次性頭痛でもあるといえるのです。

月経関連片頭痛

月経が原因で起きる片頭痛は「月経関連片頭痛」と呼びます。これは、ホルモンバランスの変化によって起きているのです。「エストロゲン」と「プロゲステロン」というふたつのホルモンは、月経前になると急激に分泌量が増加します。

そして月経が始まると、逆に分泌量は激減し、この落差が原因で、脳の血管が膨張するのです。血管の膨張が頭痛を引き起こすことは「アイスクリーム頭痛」の項目でも触れましたね。

ホルモンバランスの急激な変化がある時期といえば、女性には「妊娠」という機会があります。ところが、逆に、妊娠期間中は月経関連片頭痛が抑えられる傾向にあるのです。かといって、妊娠中には頭痛が発生しないというわけではありません。

二次性頭痛の項目で、あらゆるストレスが原因となって頭痛が発生する可能性があることはお分かりいただけたかと思います。妊娠中は、女性が大きなストレスにさらされ続ける期間です。ホルモンの乱れによる月経関連片頭痛ではなくとも、二次性頭痛が発生するケースは大いにありうると言えるでしょう。

鎮痛剤に頼らずに頭痛を軽減する方法

薬

鎮痛剤には依存性があり、頻繁に使いすぎると飲んでいないときに頭痛を起こします。頭痛を抑えるために薬を飲んでいるのに、それが原因で頭痛が起きるようになってしまっては、本末転倒ですよね。そこで、鎮痛剤に頼らずに頭痛を軽減させる方法をご紹介しましょう。

まず、代表的な方法に「温める」と「冷やす」があります。「まったく逆ではないか!」と思うかもしれませんね。そこには、頭痛のタイプによる違いがありました。

温めると良い頭痛とは?

温めると良い頭痛のタイプは次の2つ。

・緊張性頭痛
・性行為に伴う一次性頭痛

首まわりや肩を温めるとよい

温める部位と方法は、下記のとおりです。

・蒸しタオルなどで首周りや肩を温める
・スカーフやマフラー、タオルなどにカイロを巻き込んで、首に巻く
・肩に乗せるタイプのレンジ湯たんぽグッズを利用する

マッサージやストレッチで血流を促進すると効果的

温めると良いタイプの頭痛は、主に血行が悪いことが原因なので、次のような方法で血流を促進することが効果的です。

・マッサージ
・ストレッチ
・適度な運動
・低周波治療器
・サロンパスなどの貼り薬

冷やすと良い頭痛とは?

冷やすと良い頭痛のタイプは次の3つ。

・片頭痛
・高血圧による二次性頭痛
・二日酔いによる二次性頭痛

こめかみや目の周りを冷やすとよい

冷やす部位と方法は次のとおりです。

・小さく切ったシップ薬(温シップはNG)や氷でこめかみを冷やす
・ひえピタに代表される貼り薬や氷を利用して額を冷やす
・保冷剤や水で絞ったタオルを使って目の周りを冷やす

カフェインやマグロ、カツオの摂取も効果的

冷やすと良いタイプの頭痛には、次のような方法も効果的です。

・こめかみを押さえて血管を圧迫し、血流の勢いを緩やかにする
・コーヒーや紅茶、緑茶などを飲み、カフェインを摂取する
・カツオ、マグロ、ハマチなどを食べ、セロトニンの生成を助ける
・酸素吸入

●酸素吸入が効果的なのはなぜ? 酸素

片頭痛などは、血管が膨張したことで神経に触り、痛みを起こさせるタイプの頭痛。そもそも、血管が膨張しているのは、酸素を送る必要があると体が判断しているためです。冷やすことで痛みは抑えられますが、本来必要であったはずの酸素の運搬を阻害しているので、症状は長引いてしまいます。

そこで、外部から濃度の高い酸素を取り入れることで、酸素を必要とする状況を早く改善することが目的です。スポーツジムや特定の治療施設に「酸素カプセル」と呼ばれる装置があります。頭痛の対処のためだけにそんな施設を利用するのはあまりに大げさですよね。

それなら最初から医師の診断を受けたほうが早いというもの。そんな方のために、簡易的な酸素吸入用のスプレー缶が販売されています。酸素缶は、スポーツショップやホームセンターなどで購入できます。

対応が難しいタイプの頭痛もある

単純な「温める」「冷やす」といった対処法にあてはまらないタイプの頭痛があります。

複合型は、部位によって対応を変える

一次性頭痛の複合型には、緊張型頭痛と片頭痛が混在するものがあります。緊張型頭痛は温めると良い、片頭痛は冷やすと良い、と対処法が分かれてしまっていますね。では、複合型頭痛にはどのように対処すると良いのでしょうか?

それは、一部を温め、一部を冷やす。部位によって対応を変えると良いのです。首や肩を温め血行を促進してコリをほぐし、同時に、頭部を冷やして血管が膨張しすぎることにストップをかけましょう。

アイスクリーム頭痛は、頭を冷やして首を温める

二次性頭痛のひとつ「アイスクリーム頭痛」は、ノド元が冷やされたことが原因です。そのため、単純に首を温めれば良いと思うかもしれません。しかし、頭痛を起こしている原因は、冷えた体温を戻そうとする働きにより、血管が膨張していることです。

血管を収縮させるためには、冷やす必要があります。矛盾するように思えるかもしれませんが、アイスクリーム頭痛には、やはり頭部を冷やすことが有効です。複合型と同様、同時に首周りを温めるとより良いでしょう。

冷やし温め作戦は最後の手段

「冷やす場所・温める場所が違うのだから、どんな頭痛であっても頭部冷やし・首肩温めでいいんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。しかし、本来冷やすだけで良いタイプの頭痛のときに、同時に温めたり、逆に温めるだけで良い頭痛を冷やしたりすると、悪化する可能性があります。

「自分の頭痛のタイプがわからないからとりあえず両方やってみよう」とするよりも、冷やすだけ・温めるだけのどちらを試してもうまくいかなかったときに、初めて冷やしつつ温めるという方法を試してみてください。

群発頭痛は対処が難しいので、すぐ病院へ

群発頭痛が起きる詳しい原因は、いまだ解明されていません。直接的な原因は、動脈の炎症であるという説が濃厚。しかし、動脈の炎症がどうして起きるのか、なぜ時期的なものなのか、それがわかっていないのです。

炎症が原因であれば冷やすことで軽減できる可能性も考えられます。でも、群発頭痛の特徴は、耐えられないほどの痛みです。外側から冷やして軽減した程度では焼け石に水。群発頭痛を持つ方には、医師の診断を受けることがオススメされています。

血液と頭痛の密接な関係

脳へ送られる酸素が不足して起きる頭痛も、酸素を送り込もうと血流の勢いが増して起きる頭痛も、どちらも血液の状態が大きく関係することが、おわかりいただけましたか?血液がサラサラで、血管内に流れを阻害するかたまりなどができていなければ、酸素を順調に送り込めるため、酸素不足による頭痛は起こりにくくなるでしょう。

また、血流の勢いが同じであった場合、血管内にかたまりができている状態・できていない状態を比較すると、できている状態のほうが血管はより太く膨張します。

つまり、血液をサラサラに保ち、血管内にドロドロ血液のかたまりができることを回避することが、めぐりめぐって頭痛の予防に役立つのです。

また、血液がドロドロの状態だと、脳梗塞などを引き起こしやすくなります。ですから、脳梗塞を原因とする二次性頭痛が起きる心配も軽減できるのです。

血液をサラサラにする食品

血液を良い状態に保つためには、以下の食品を積極的に取り入れることが効果的です。

・多めの水分
・ウーロン茶
・青魚
・海草類
・キノコ類
・緑黄色野菜
・黒豆
・納豆
・豆腐
・酢
・ヨーグルト
・リンゴ

ぬるめのお湯・半身浴入浴法で血液サラサラ

半身浴

お風呂を上手に利用すれば、血液の状態を良く保つことができます。まず、お風呂の温度は熱過ぎないよう気をつけましょう。熱過ぎるお湯は、逆に血液をドロドロにしてしまいます。ぬるめのお湯で、時間をかけてじっくりと温まりましょう。

ただし、長時間の入浴は心臓に負担がかかるので、半身浴がオススメです。また、汗をたっぷりとかいて老廃物の排出を促すため、入浴前に水分を取りましょう。さらに、汗をかいたあとは、また水分補給を忘れずに。

頭痛のタイプを見極めて正しい対処法を選ぶ

まとめると、以下のとおりになります。

1. 頭痛の種類を見極めよう

以下の簡単な分類から「これかな?」と思うものを見定めてみましょう。それから、期間的な条件などをあてはめて絞り込んでみてください。以下のどれにもピッタリ当てはまるものがないと思ったら、二次性頭痛の可能性が考えられます。

・前兆や目に違和感を感じたら片頭痛
・締め付けられるような痛みなら緊張型頭痛
・耐えられないほど強い痛みなら群発頭痛

2.頭痛の種類に当てはまる対処法を選ぼう

・片頭痛は、頭部を冷やす
・緊張型頭痛は、首周りと肩を温める
・複合型なら、頭部を冷やしつつ首周りと肩を温める
・群発頭痛は、冷やせば多少は軽減する可能性もあるが、医師に相談する
・二次性頭痛は、二日酔いなど明確な心当たりがない場合は、医師に相談する

3.血液をサラサラにして頭痛を予防しよう

著者:山田直実

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2年程WEBライターの活動してまいりました。ライターになる以前はFLASHゲームを作るお仕事をしておりました。どうぞよろしくお願いいたします。WEBライターとしての経験をいかしてWEBライティング専用のエディターを作って公開しております。こちらのURLからご覧下さいませ。http://writing-san.blog.jp/