アメリカンアパレルってどんなブランド?
『アメリカンアパレル』は、製造、販売、小売から、カスタマーサービス、写真撮影などまで、自社で行うという垂直統合型のアパレルメーカーで、小売店のほかにオンラインストアも経営しています。
世界の20か国に、約250の店舗を展開し、Tシャツやニットなどのカジュアルウェアをはじめ、子供服、ペット用品、アクセサリーに至るまで、幅広い商品の販売を行っています。
また、着心地が良いことで知られるTシャツを、他の販売業者やスクリーンプリント業者に卸売りしているのも、特徴の1つ。最近では、アメリカンアパレルのTシャツを使った、オリジナルプリントTシャツを販売するメーカーやブランドが増えています。
1989年にカナダ人のダブ・チャーニーによって設立されたアメリカンアパレルは、1997年に拠点を移したロサンゼルスに、本社と工場を構えています。
海外の人件費の安い地域に製造拠点を構えるメーカーが多い中、アメリカンアパレルは、あくまでも国内生産にこだわり、“Made in Downtown LA”をモットーとした、今となっては数少ないアメリカ製品を販売するブランドとなりました。
また、アメリカンアパレルの有名なポリシーが”Sweatshop Free”。労働者に対して、劣悪な環境や、低賃金、長時間での労働を強いることに、企業として反対する姿勢を明らかにしています。
豊富なTシャツが魅力!
アメリカンアパレルは、Tシャツメーカー?といわれるほど、Tシャツの種類が豊富。
もともとのブレイクのきっかけも、創立者のダブ・チャーニーが、当時のガールフレンドが着ていた体にフィットしたTシャツからインスピレーションを受けて作った、女性らしいラインを強調したTシャツでした。
そのアメリカンアパレルのTシャツの魅力は、まず、色の豊富さにあります。
デザインごとに7~8色あるのは、当たり前。多いものでは、50色を超える色数を揃えるデザインもあるほどです。
さらに、もう一つの魅力が、グラフィックTシャツのデザインの数。
2012年夏、ストリートファッションのブランド「フレッシュジャイブ」の創業者でもある、リック・クロッツ氏をグラフィックデザイナーにむかえた最初のコレクションでは、オウムやオレンジ、ビールなど色鮮やかなデザインから、ちょっときわどいデザインまで、30種類が発表されました。
さらに、星条旗やユニオンジャック、Made in LAなどの、既存のデザインを合わせると、なんと、その数は50種類以上!もちろん、日本の日の丸Tシャツもラインアップされています。
また、柔らかい肌触りと、繰り返しの洗濯にも強いところも、リピーターの心をとらえて離さない、魅力の1つかもしれません。
広告が何かと話題!
際どいスタイリングと大胆なポーズで、アメリカンアパレルの広告はさまざまな物議を醸してきました。
上半身があらわになったデニムの広告や、透ける素材のボディスーツなど、露出の多い写真が掲載された公式サイトが、「不快感を与える」という理由から、イギリスで一部の広告が禁止になったほど。
若い素人モデルの健康的な美しさに、「かわいい」「きれい」など、女性の顧客の支持が高いようですが、広告が禁止されてしまっては、元も子もありませんよね。
そんなアメリカンアパレルの広告に、ニューヨークでスカウトされたというモデルJackyが登場したことで、路線変更の兆しが見え始めました。
ベーシックラインのモデルに起用された彼女は、今年でなんと61歳!白髪のロングヘアが魅力の彼女は、もちろん歴代モデルでが最高齢ですが、抜群のプロポーションで大胆なポーズも難なくこなしています。
今回のJackyの起用は、これまでの若者路線から、ターゲットとする年齢層を上げるための戦略ではないか、という憶測が飛んでいますが、いずれにせよ、さまざまな話題を提供してくれるアメリカンアパレルの広告からは、今後も目が離せません。