ルールを守ってアウトドアレジャーを楽しもう
釣りやキャンプなどのアウトドアは最初に釣竿・テント・寝袋・ランタン・飯ごうなどの設備投資さえ済ませれば、後はほとんどただで楽しみ続けることが可能なレジャーです。
都会の喧騒とは無縁の大自然の中、海や川で魚と格闘したり、文明の利器を使わずに食事を作って眠りにつく、そんな非日常を楽しむのがアウトドアの醍醐味といえます。
しかし、自然の中で過ごすということは何をしても自由というわけではなく、アウトドアならではのルールに従って活動しなければならないのです。
アウトドアレジャーでのモラル崩壊が嘆かれる今だからこそ、ルールを守って楽しくアウトドアを満喫しましょう。
持ち込んだゴミは必ず持ち帰る
アウトドアレジャーでは水・食料から燃料までを完全に自給自足で賄うことは不可能ではないけれども、とにかく手間がかかるので食料・燃料は家から持ち込むことになります。
子供がいる家庭ならばポテトチップスなどのお菓子やジュースのペットボトル、紙コップなども持ち込むことになるかもしれません。
食品・飲料などの包装材はプラスチックなので、自然の働きで分解されることはありません。
また、食べ残しを放置しておくとクマなどの野生動物が味を覚えて人里に下りて行ってしまうことがあります。
針付きの釣り糸をそのままにして鳥が飲み込んでしまったケースもあります。
家から持ち込んだゴミは必ず家に持ち帰って処分するようにしましょう。
火の始末は確実に
キャンプといえば焚き火やキャンプファイヤーというように、アウトドアレジャーには火はつきものです。
昔から「火は野生動物を遠ざける」と言われていますが、実際には逆に興味を引かれて近づいてくるようです。
石を集めて作った簡易かまどでの焚き火やキャンプファイヤーをする際には、必ず消火用の水を用意しておきましょう。
「放っておけば薪が燃えつきて勝手に消える」と思うかもしれませんが、薪が燃え尽きても炭は燻っています。
消火する際は水を掛けてからさらに炭をよく踏みつけて火の気が起こらないようにしましょう。
テント設営場所は細心の注意を払って選べ
自然の中での一夜を明かす拠点となるテントは、キャンピングカーに押されてはいるものの、アウトドアの必需品であることには変わりありません。
テントを張るという難行をできるようになって始めて一人前、みたいな伝統がアウトドアの世界にはありますが、テントを張る場所はよく考えて選ばなければなりません。
まず、河原に設営するのはNGです。川の増水やダムからの放水があった時、真っ先に被害に合うことになります。地盤が緩いと寝ている間にペグが倒れてしまう可能性があります。
海辺でのキャンプは、できるだけ陸寄りの場所を選ばなければなりません。砂浜は満潮時に水に浸かってしまう可能性があります。
他の人もいるキャンプ場では夜遅くまで騒がない
「気心の知れた仲間とキャンプ」というと、満天の星空の下で焚き火やキャンプファイヤーを囲んでフォークギターの伴奏で歌ったり踊ったり…というイメージがなぜかあるものです。
最近のキャンプ場は、水洗トイレや水道付きの炊事場だけでなく電源まで設置されているという便利さが向上した結果、ラジカセなどを持ち込んで明かりをつけっぱなしにして夜遅くまで騒ぐ迷惑客の増加が問題になっています。
「旅の恥はかき捨て」と考えているのかもしれませんが、周囲に迷惑をかけるのはアウトドアでなくてもマナー違反です。
クマやイノシシなどの野生動物が闊歩する森の中ではないのですから、音と明かりは出しすぎないように気配りすることが大事です。
禁じられていることは絶対にやらない・させない
海や山には「してはいけない」「入ってはいけない」という禁止事項がいくつもあるものです。
しかし、友人同士でキャンプや釣りに行くと集団心理で気が大きくなるのか、受け狙いで禁止事項を破りたがる人は少なくないものです。
例えば遊泳禁止の所で泳ぐ、テトラポットの隙間に入ろうとする、火気厳禁の場所で焚き火・バーベキュー・花火をする、整備されてない獣道や藪に入ろうとする、キャンプ禁止の場所にテントを張る…などです。
禁じられている物事は、何らかの理由があるものです。遊泳禁止の場所なら「引き潮が強く泳げる人でもあっという間に沖に流される」とか、テトラポットの隙間は不規則な形になっているので落ちると二度と出られないとか、火付きの良い草木が群集しているから火気厳禁だとか、それなりに筋の通った理由があるのです。
海や山では禁止されていることは素直に受け取り、自分だけでなく友人や家族にも徹底させることが大事です。禁止事項を破ると命が危機にさらされる可能性が非常に高いだけでなく、消防署や警察などにも迷惑をかける結果に繋がるのです。