病害虫予防は「日ごろの観察」から!
野菜の葉や茎、その周辺などを、常日頃からよく観察するようにしましょう。毎日観察することで、葉の異変や害虫の存在にいちはやく気づくことができます。
病害虫を見つけたら
病気の葉や害虫を見つけたらすぐに取り除きます。その際に使ったハサミなどの道具はよく洗い、火であぶるなどして消毒します。土に触れていた支柱などもよく洗って乾かしましょう。
※具体的な病害虫の駆除方法などは次回ご紹介します
雑草は小さいうちに取り除こう
庭やコンテナには気がつかないうちに雑草が生えていますが、雑草は野菜の生育を妨げるだけでなく、病気の感染源や害虫のすみかとなります。できれば雑草は根の張らない小さいうちに、土の表面を浅く削るように取り除きましょう。
同じところに同じ野菜を植えると病気になる?避けるべき「連作」とは
去年トマトを植えたところに今年もトマトを植える。このような栽培を連作といいます。実はこの連作は、病害虫の被害を招く大きな原因のひとつです。
野菜は自らが必要とする栄養分を好んで吸収するので、連作をすると土中の養分に偏りができ、その野菜にとって大切な養分が不足することがあります。また、センチュウなどの特定の害虫や土壌の病原体の密度も、連作によって高まります。
「連作障害」をおこしやすい野菜とは
以下が連作障害をおこしやすい野菜です。夏野菜の代表、キュウリやナス、トマトなども、連作に弱い野菜です。
- ナス科・・・トマト、ナス、ピーマン
- ウリ科・・・キュウリ、スイカ、メロン
- マメ科・・・ソラマメ、インゲン
- その他・・・ハクサイ、サトイモ
など
生育障害を起こす「連作」を避ける方法とは
輪作
庭をいくつかの区画に分け、その中で植える野菜をローテーションさせながら栽培する方法です。去年トマトを植えたところにキュウリを、キュウリを植えたところにはピーマンを、ピーマンを植えたところにはトマトを、といったかたちでまわしていきます。
混作
複数の野菜を同時に植える方法です。複数の野菜のもとにいろいろな害虫があつまることで、それをエサにする天敵が増え、また害虫にとっても目的の野菜が見つけにくくなります。
一緒に植えるといいことたくさん!コンパニオンプランツ
一緒に植えることで、一方、または双方にとって良い影響を与える植物のことです。効果として、病害虫を防ぐ、生育を促進する、品質を上げる、などがあります。
花もある!主なコンパニオンプランツとは
コンパニオンプランツは野菜であるとは限りません。いく種かの花も、野菜のコンパニオンプランツです。
- キュウリ・・・ナガネギ、ナガイモ
- ナス・・・パセリ、ニラ、インゲン、ラッカセイ、マリーゴールド
- トマト・・・ニラ、バジル
- ピーマン・・・インゲン、ラッカセイ、ニラ、キンレイカ
病害虫をブロック!資材を使った病害虫対策とは
病害虫に強い苗を購入し、水はけのよい土作りを心がけ、毎日の観察を怠らない。こうしたきめの細かい栽培が病害虫の予防の基本ですが、その締めくくりとして、物理的に彼らを防除する方法を知っておくと心強いでしょう。病気や害虫を資材でブロックする方法は以下です。
防虫ネットでガッチリ防除!
主に庭で野菜を栽培している人向けの方法です。株の上にトンネル状のネットを張ることで虫が野菜に飛来するのを防ぎます。網目の大きさによって防ぐことのできる害虫が決まりますが、0.8mmの網目であればたいていの虫は防除できます。
0.8mmで防除できる害虫
- アザミウマ
- ハモグリバエ
- アブラムシ類
- ヨトウムシ
- モンシロチョウ
など。
株もとを覆い、野菜を守るマルチとは
地面を資材で覆うことで、泥はねによる病原体の感染などを防ぐ方法です。マルチの効果は以下です。
- 泥はねによる病原体への感染の防除
- 光の反射による害虫の忌避
- 地温を上げる、下げる
- 土中の養分流出を防ぐ
など
虫がくっつく!粘着シート
害虫が特定の色に集まる習性を利用したトラップです。黄色にはアブラムシ類が、青色にはアザミウマなどが引き寄せられます。野菜の近くにぶら下げておくだけで効果のある、お手軽な害虫対策です。
次回は具体的な病害虫の特徴やクスリの使い方などについてお伝えします!
出典:
野菜を病気と害虫から守る本 根本久
植物の病気と害虫 防ぎ方・なおし方 草間祐輔
「育つ土」を作る 家庭菜園の科学 木嶋利男
おいしいベランダ野菜 小島理恵
菜園生活パーフェクトブック 藤岡成介
ベランダ菜園スタートBOOK 平野編集制作事務所