投資家の心得
FXの世界では、様々な理論が提唱されています。
その中でも、有名な理論の1つが、ギャン理論です。
ギャン理論とは、20世紀前半に活躍し、巨万の富を得た投資家、ウィリアム・D・ギャンが提唱した、テクニカル分析の理論です。
元々ギャンは商品相場を得意としていたため、一概に為替に有効とは言えないかもしれませんが、時代が変わった現代、投資家の心得として語り継がれています。
ここでは、ギャン理論の中でも有名な、「価値のある28のルール」を紹介します。
どう動けば良いのかわからない、そんな難しい局面を迎えたときどうすれば良いのか、参考にしてみてください。
価値ある28のルール
- 資金と損失の限度 ・・・ 1回の売買における損失の限度は、総資金の10分の1までに抑える。
- ストップロスは必須 ・・・ 損失が拡大しないよう、損失限度内にストップを入れるようにする。
- オーバーポジションは禁止 ・・・ 資金配分にあったポジション量を心がける。過剰な取引をして全資金を失うようなことはしない。
- トレーリングストップ ・・・ ストップロスを引き上げ、利益が損失にならないようにする。
- トレンドフォロー ・・・ トレンドに逆らった、下がり続けてる為替の売買(逆張り)は厳禁。
- 迷いは禁物 ・・・ 迷ったときは手仕舞いし、取引をしない。
- 流動性のないものに手を出さない ・・・ 活発に売買され、値動きのある通貨ペアで取引すること。
- リスク分散 ・・・ 資金を一極集中させるよりも、いくつかの銘柄に分散させたほうが、リスクは少ない。
- 指値注文の禁止 ・・・ プロのように張り付いて売買する場合はともかく、個人投資家の場合は、その全てではない。
- 手仕舞いルール ・・・ 理由もなく手仕舞いをしない。自分なりのルールを作り、それにしたがって手仕舞いする。
- 利益を売買につぎ込まない ・・・ 利益がでて余剰資金が出来た場合は、売買資金とは別勘定として見る。
- 小利益の売買はしない ・・・ スワップ金利狙いや、スキャルピング取引をしない。
- ナンピンはしない ・・・ 値下がりするたびに買い増しする事をナンピンという。相場が反転すれば利益が出るが、リスクが大きすぎるのでしてはいけない。
- 待つこと ・・・ 我慢できないからといって、無駄な売買をしてはいけない。
- 小さな利益と大きな損益は避ける ・・・ 小さな利益では、すぐにひっくり返ってしまう。また、損益が出たからといって待ち続けると、莫大な損失になる。これらは避けるように。
- ストップロスキャンセルの禁止 ・・・ レートがストップに近づいてくると迷いが生じるだろうが、決してキャンセルしてはならない。
- 頻繁に売買しない ・・・ 頻繁な売買は手数料やスプレッドがかかるだけでなく、失敗率も増えてしまう。
- ショート(売り)の活用 ・・・ ロング(買い)だけでなく、ショート(売り)も儲けるチャンスがある。
- 値ごろ感で売買はしない ・・・ 安値覚え、高値覚えは厳禁。安値だからといって、それ以上や安くならないとは限らない。高値も同様。
- ピラミッディング(買い増し、売り増し)のタイミング ・・・ トレンドが出来る前だと、はね返される可能性も。買いも売りも、ラインを抜けた事を確認した上で行くように。
- ピラミッディングの選択 ・・・ 銘柄によって、上昇トレンドの強いものや、書こうトレンドの強いものがある。より強いものを選ぶように。
- ヘッジの禁止(両建て禁止) ・・・ 損失を減らそうと、同じ銘柄の反対売買をしてはいけない。
- 理由とルールに基づいた売買 ・・・ 自分のルールを決め、それにしたがって売買をする。
- 利益確保後の売買禁止 ・・・ 十分な利益を確保したら、無駄な売買を行わない。
- 天底の憶測禁止 ・・・ 天井や底を勝手に憶測しても、それがハズレだったら泥沼に嵌ってしまう。
- 噂や不確かな助言で売買しない ・・・ 噂話や信憑性のない話で動いてはいけない。自分自身で、慎重に判断する。
- 損切り後は売買資金を減らす ・・・ 損益を出した時点で、相場を読み違えているのに、無理をに勝負をするのは危険。
- 不適切なポジションメイクや手仕舞いの禁止 ・・・ たとえ一時的に収益が出ても、間違った取引はほとんどの場面で損になる。
鵜呑みにしない
ギャン理論は、時代が変わった現代でも、心得として語り継がれています。
しかし、これらを実践すれば必ず成功する、と言うわけではありません。
また、「9.指値注文の禁止」のように、現代では推奨されていないものや、人によって有効じゃないと思う項目もあります(「7.流動性の低いものに手を出さない」、「22.ヘッジの禁止(両建て禁止)」など)。
ギャン理論を鵜呑みにせず、自分の経験則を生かして、自分なりのルールを作っていくことも大切です。