冷え性は未病!?体温が低いと代謝も血流も悪くなり病気になりやすい?|トピックスファロー

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2015年5月13日
冷え性は未病!?体温が低いと代謝も血流も悪くなり病気になりやすい?

冷えは原因不明の体調不良の代表格。西洋医学の範疇では病気ではありませんが、低体温であることで重大な病気を誘発することも。自覚症状はなくても、身体が冷えている人は男女問わず大勢います。まずはなぜ「冷え」が問題なのかを見て行きましょう。

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冷えは原因不明の体調不良の代表格です。

西洋医学の範疇では病気ではありませんが、冷えの症状は歩行時の足のしびれや痛み、貧血、不眠、イライラ、集中力の欠如、肌荒れ、肩こり、偏頭痛、生理不順、下痢、便秘など様々な症状があります。冷え=低体温であることで重大な病気を誘発することも。

自覚症状はなくても、身体が冷えている人は男女問わず大勢います。まずはなぜ「冷え」が問題なのかを見て行きましょう。

冷えと酵素の関係 


冷えは身体からのSOS

私たちの身体は常に新陳代謝が行なわれ、細胞は休みなく動いています。
その細胞の働きを促すものが酵素。酵素が働いてこそ私たちの身体は生きていられるのです。
例えば、胃にはペプシンという酵素が、唾液にはアミラーゼという酵素があります。
雪だるま
すい臓からはリパーゼという脂肪を分解する酵素が出ますが、これらは消化酵素と呼ばれ、食べ物の消化作業を助けます。そのほか、吸収を助ける酵素、壊れた細胞を修復する酵素など、様々な酵素があります。「○○○アーゼ」「○○○ラーゼ」というものは、ほとんど酵素です。

ちなみに、健康診断でおなじみのGOT、GTPの数値は酵素の活性を表したものです。どちらも傷んだ細胞を修復する働きをする酵素です。
ところが、身体が冷えて低体温になると、酵素の働きは鈍ってしまうのです。

低体温は、ホルモン異常を引き起こす 

酵素の働きは、すべて化学反応によって左右されるのですが、化学反応の反応速度は温度によって影響を受けます。
冷たい水より熱いお湯のほうが何でも溶けやすいのと同じで、高温であるほど反応速度は増し、低温では反応速度は鈍ってしまうのです。

体温が下がって酵素の反応速度が鈍ると、身体は様々な不調をきたします。
脂質の分解酵素が働かないと、肥満になります。

糖質を代謝する酵素が働かなければ、体内のエネルギーは産生されません。
たんぱく質の合成酵素が働かなければ、体内の組織はつくられません。
代謝に影響するホルモンの合成にも酵素は関わっていますが、低体温になると必要なホルモンもうまくつくられなくなります。

冷え性でおこる病気

不妊症になる?

女性ホルモンがうまくつくられなくなると、不妊症になったり、生理にも異常をきたす問題が起きたりします。男性ホルモンが足りなければ、筋肉も増えません。
血糖を下げるホルモンであるインスリンがつくられないと、糖尿病になるのは周知の事実です。

がんになる?

紫外線、ウイルス、病原菌、活性酸素などで傷ついた遺伝子を修復しているのは遺伝子修復酵素というのですが、低温によって働かなくなれば、そこから異常なたんぱく質が生まれ、がん細胞になる可能性もあるのです。

老化の進行

老化の主因と言われる活性酸素を中和するのも酵素の役割ですが、低体温で酵素の働きが鈍ると老化も進んでしまう。
糖尿病、動脈硬化、貧血、アトピー製皮膚炎、関節リウマチ、白内障など、低体温が原因のホルモン異常によりさまざまな疾患が起こる可能性も否定できないのです。

肩こり

冷え=血液の流れが悪くなっている証拠 

私たちの身体は本来、体温を保つようにできています。そのために大切な役割を果たすのが血液の循環です。

血液のうち「赤血球」「白血球」「血小板」は血球と呼ばれ、残りは血しょうと呼ばれます。
血しょうは血管を通って栄養素、老廃物、水分、そして熱を運ぶ役割があります。血しょうは、身体の各器官を結ぶ経路である血管を走り回る「トラック」のようなもので、各器官は細胞や酵素を作り出す「工場」のようなものです。

各器官で作られた酵素や栄養素、そして筋肉や内臓で作られた熱も、血しょうによって身体の隅々まで運ばれるのです。
ところが、血液の流れが悪くなると熱も運ばれません。だから身体が冷えるのです。手足が冷たい、というのは、血液の流れが悪くなっている証拠なのです。

日本人の体温は低い?体温を上げる生活習慣を心掛けよう!


近年、日本人の体温は低下傾向にあると言われています。

日本人の平均体温のデータは1957年に、東京大学の田坂定孝教授らが、10~50歳代の3094人(男性1445人、女性1649人)の健康な方の体温を計測した結果のものしかないのですが、それによると36.89度(プラスマイナス0.34度)となっています。

37度弱が平均体温ということですが、「それに比べると自分は低いかも?」と思う人は多いのではないでしょうか。

平熱が36.0度未満という人であれば注意が必要です。
36度未満というのは、漢方医学でいうところの「未病」状態だと認識すべきです。

加齢によって筋肉量が減ったり、血管が細くなったりして体温が下がるのは自然の摂理とはいえ、最近では子どもの平均体温も下がっているといいます。

子供の平均体温はさらに低い

ある中学校の先生が担当する1年生を調べたら、平均体温は36度程度だったそうです。
まだ12〜13歳の子どもなのに・・・とショックを受けた先生、慌てて「朝ご飯をしっかり食べなさい」「夜はちゃんと寝なさい」と指導。また、マラソン大会を企画し生徒の運動量を上げるよう工夫した結果、わずか3カ月で平均体温が0.3度上がったそうです。

人間の身体には本来、環境に合わせて体温を調節する機能を備えているものですが、現代人が低体温であるのには、熱を作り出す身体活動そのものが不足していることが考えられます。
     

   食事はしっかり食べていますか?
   適度な運動はしていますか?
   夜はぐっすり眠れていますか?
 
食べ物は熱の原料ですから、しっかり食べれば熱源は補えます。
運動して心拍数が上がれば血流が良くなり、身体は温まります。

子供笑顔

夜、ぐっすり眠ると、基礎代謝もしっかり行なわれます。「最近、身体の冷えが気になる」「もしかして自分は低体温かも?」・・・という人は、まず自分の日頃の生活から、「栄養」「運動」「休養」のバランスを見直してみてください。

体温を高めに保つ、熱をつくるトレーニングの基礎は、この3つのバランスにあるといっても過言ではないでしょう。「未病」状態の冷えから重大な病気を誘発しないよう、日頃から「栄養」「運動」「休養」のバランスを心掛けた生活していきたいものです。

著者:小谷祐子

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フリーランスライターとして、趣味でもあるランニングを中心に、健康・美容・スポーツ・食に関しての取材・執筆をしています。
企業のPR誌や社内報などの編集・執筆経験もあり、様々な職業の方へのインタビューをしてきました。
イベント台本やラジオ放送作家経験もあり。
取材を受けてくださる方、記事を読まれる方、みながハッピーに、そしてハッと気づくような文章を書いていきたいと思います。