騒音トラブルの原因は音が伝わり過ぎるから
マンションやアパートで生活していると『隣の部屋の声がうるさい!』『上の階の人の足音が気になってイライラする!』というトラブルが発生します。
しかし、たいていの人はトラブルを起こそうとは思っていません。
それでも、集合住宅において騒音のトラブルが後を断ちません。
なぜでしょうか?
その理由の一つに部屋の素材が“音を伝え過ぎる”ものでできているというものがあります。
例で考えてみましょう。
築何十年も経つ木造のアパートと新築の鉄筋コンクリート製のマンションを比べた際、どちらが騒音トラブルになりやすいでしょうか。圧倒的に前者の方がトラブルになりやすいでしょう。木材は音を通しやすいからです。
現在は住宅の素材も変化しつつありますが、家屋の素材に木材を用いているのは依然として多いです。
この様に素材がトラブルを誘発するということがあるのです。
ですから、効果的な騒音対策をとりたいのであれば、どんな素材でできているかを考える事がポイントになってきます。
素材による音の伝わり方を知る
騒音トラブルをふせぐにあたり、音の性質を考えておくのは良い事です。
音は発せられると空気を伝って減衰しながら広がっていきます。そして素材(ここでは壁)にぶつかると、一部は反射して戻ってきます。残された部分は素材によって吸収され『熱エネルギー』へと変換されていきます。
全ての音がここでゼロになれば良いのですが、反射せず熱エネルギーにも変換されずに残る部分があります。これを透過音といいます。いわゆる壁を通過してくる音です。
反射する割合や吸収する割合の低い素材の物(ベニヤ板や薄手の木材)を壁や天井・床に使用していれば、当然音は通過しやすくなります。
逆に言えば、音が通過しにくい素材(コンクリート素材など厚手の物)を使用している部屋なら騒音トラブルは少なくなります。
この透過音を抑えられれば、騒音トラブルを回避する事ができるのです。
一工夫するだけで効果的な4つの遮音術
これから紹介する4つの方法を行なえば、かなり遮音できます。
遮音術1 壁際に音の発信元を置かない
音は減衰しながら広がっていくという性質があります。
また、木材などでできた壁は音を伝えやすいという性質があります。
もし、音が減衰する前に壁にあたったらどうなるでしょうか?当然透過音は多くなります。
となると、この二つが近くにあれば、騒音トラブルが起きる確率は高くなってしまうのです。
ですから、壁際に音の発信源を置かない事だけで、騒音トラブルの確率を低くする事ができるのです。
遮音術2 壁際には背の高い家具を
壁際に背の高い家具を置くことで遮音効果を高める事ができます。直接壁に音がぶつからない分、透過音も少なくなります。さらに、遮音効果を高めたいなら、家具の中に荷物を隙間なく入れておくのも良い方法です。あえて障害物を置くことによって遮音効果を生むことができるのです。
遮音術3 カーテンやカーペットは厚手が◎
音の侵入元は壁だけではありません。窓や床からも入ってきます。なので、厚手のカーテンやカーペットを使用する事で、遮音効果を高める事ができます。
それでも下の階の方が『歩く音がうるさい!』と言ってきたのであれば、カーペットの下に防音シートや畳を入れる事で音をシャットアウトできます。
遮音術4 隙間テープや防音シートでシャットアウト
手っ取り早く防音したいなら壁を防音素材にすれば良いのですが、アパートやマンションだと勝手に工事ができません。
そういう時に便利なのが、隙間テープや防音シートです。ドアや窓の隙間には隙間テープを張り、壁や床には防音シートを張るだけで効果は全然違います。
さらには、パネル型の防音壁というのも発売されています。
(貼り付け作業はオーナーや大家さんの許可のもと行なってください。)
4つの工夫=音を伝わらせない 見事な騒音トラブル回避術
音は障害物にぶつかると反射・吸収・通過という3つの性質を持っています。
その性質を知り、どこを抑えるなら効果的かを知る事で騒音トラブルに役立ちます。
さらに効果を高める4つの工夫をするなら、騒音トラブルは回避できるでしょう。
集合住宅での生活を多くなってきている世の中です。隣人との付き合いで無駄に摩擦を生じさせない様に
些細な点から気を配ると大きなトラブルに発展する事は無くなります。
その第一歩として、騒音対策をしてみてはどうでしょうか。