気軽に自己破産すると大変なことになる!?
「失われた十年」が三周目に突入した現代日本では、自己破産者が年々増加の一途をたどっています。
自己破産は「借金が多すぎて払いきれません」と裁判所に申し立てて、「この人には支払い能力以上の借金があるので借金を払わなくていいようにします」という裁判所からの許可を貰う仕組みです。
しかし、自己破産は「いくら借金をしても返さなくて良い仕組み」ではありません。自己破産を行なうことには大きなリスクが付いてくるのです。
破産したことが他人に知られる!
自己破産するには裁判所に申し立てを行なわなければなりませんが、申立先が裁判所であるということが実は大きなネックになります。なぜなら、裁判所が取り決めたことは全て公告として官報に記載されます。
そして裁判の結果だけでなく、破産宣告も「裁判所からの公告」として官報に記載されるのです。
自己破産すると「破産者名簿」という名簿に名前が記載されるのですが、破産者名簿で閲覧できるのは自分の項目だけなので他人に知れ渡る可能性はゼロです。
しかし官報の閲覧には制限がないので、何かの拍子で他者に自己破産したことが知られる可能性があるのです。
クレジットカードさえ持てなくなる!
自己破産するとそれまでの借金が棒引きになりますが、これはお金を貸していた側にしてみれば凄く納得がいかないことでもあります。
要するに「返してくれるものとしてお金を貸していたのに、金を返さないどころか自己破産する原因にされた!」「二度とこいつには金を貸したくない!」という思いを貸金業者やカード会社は自己破産者に抱いているということです。
そのためにか、自己破産が認められた自己破産者は金融業者のブラックリストに名前が載せられて、サラ金や銀行のローン、クレジットカードの利用が厳しく制限されます。
このブラックリストは7年ごとに更新されるので、最大七年の間は借金が出来ないものと考えた方が良いでしょう。
借金の理由によっては許可されない!
自己破産はどんなに多額の借金でも免除できる魔法ではありません。借金の種類によっては免除されなかったり、自己破産が許可されなかったりする場合があります。
自己破産でも免除されない借金には「本人の悪意、または重過失によって生じた損害賠償」「養育費等の扶養義務に基づく債権」「雇用契約を交わしていた従業員の給与」などがあります。
自己破産が不許可になる借金は「遊興・ギャンブル目的の浪費」「株式などの投資で生じた借金」「自己破産前提で返す気がないのに行なった借金」などです。
自己破産すればいい、と気軽に考えて借金を重ねていくと取り返しの付かない結果を招く可能性が極めて高いのです。
職業資格が停止させられる!
弁護士や行政書士などのいわゆる「士業」と呼ばれる国家資格や、社会的信用が重要になる種類の職業では、自己破産することによって欠格と見做されて資格が停止させられる場合があります。
ただし破産による資格停止は、申し立てをしてから裁判所からの免責許可が下りるまでの約3ヶ月間の期間に限ってのことなので、免責許可が下りれば復職することは可能です。
しかし、逆に言えば一部の職業についている人は自己破産を申し立ててから3ヶ月の間は無収入状態になるということでもあるのです。