【自己破産】失うものがあり制限がつく制度
何かの理由で借金が膨らんでしまい、どうしようもなくなってしまったら『自己破産』という方法をとる事ができます。
裁判所により支払いが無理と判断されれば、自己破産が適用され再スタートを切る事ができます。
これは国民全員に与えられた権利ですので、自己破産をする事が罪として問われるという事は全くありません。
でも、最終手段として用いた方が良いでしょう。
なぜなら、自己破産により支払いが救済されても、制限が課せられる事や、失うものがあるからです。
どれ程多くのものを持っていたとしても、生活必需品ではないと判断されれば換価されます。
特に購入した家はその対象になります。
また、自己破産をしたという事による影響(ブラックリスト登録)というものもあるでしょう。
さらに、自己破産後の引越しという面においても制限がついてしまうのです。
そうだとすれば、自己破産をしてしまうと引越しができなくなるのでしょうか?
必ずしもそうではないようです。
条件を満たせば引越しをする事はできるのです。
引越しができないという噂は法律によるもの
自己破産をし、家が競売にかけられ引越しを余儀なくされたとしても、破産者には引越しに関して制限が課せられます。
これは、自己破産をした事に対する戒めや制裁を加えているという事でしょうか?
決してそうではありません。
『破産法37条第1項』によって、破産者は自由に引越しができないのです。
そこには
と定められているのです。
この為に、家が競売にかけられていたとしても、自由に引越しをする事ができないのです。
もちろん、長期の旅行に行く事もできませんし、新居が見つかったとしても家具を持ち運ぶ事も出来ないのです。
と言ってもこの制限が長期間になる事はありません。
自己破産後に引越しをする時の方法
破産手続きをし自己破産が認められた後に、引越しを考えている場合はどうすれば良いのでしょうか?
先程の“破産法37条第1項”の中には、『…裁判所の許可を得なければ…居住地を離れる事ができない。』とあります。
ですから、裁判所からの許可がおりれば引越しする事が出来るのです。
破産者の移転する先の情報が解れば裁判所側も許可を出しますので、何が何でも引越しできないという訳ではないのです。
または、同時廃止事件の場合は引越しできます。
同時廃止事件とは、破産者が換価できる財産を持っていない時の破産を言います。
なので、破産者が換価できる財産を持っている時の破産は、“破産管財人事件”と処理され裁判所からの引越し許可が必要になります。
もしくは、破産手続きが終了し免責が下りるまで待ってから、引越しをする事ができます。
ですから、自己破産後の引越しは条件が付けばいつでも自由にできるのです。
自己破産の事実!制限が伴うが引越しは可能
本来であれば、自己破産をするような事態にならなければ良いのですが、何らかの事情で借金が膨らんでしまったら、最終手段として自己破産をする事ができます。
自己破産は、借金を0にして再スタートを切る事ができる権利です。
しかし、多くの制約がつくのも事実です。
そして、そこには誤った解釈をされる事があります。
特に引越しに関しては、『自己破産後はできない』という誤解が生じる事があります。
確かに法律を見れば引越しが不可能に思えるかも知れません。
しかし、実際は法律で引越しを雁字搦めにする事はありません。
自己破産後による引越しには条件が付きますが、許可さえ下りれば自由に行なう事ができるのです。