【番外編】四国、推し活遠征の旅 高知編-その2|トピックスファロー

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2025年7月25日
【番外編】四国、推し活遠征の旅 高知編-その2

普段はヨーロッパに足を運び、第二次世界大戦の史跡を巡って紹介している筆者ですが、国内旅行もします。固めの戦跡巡りとはひと味違う、旅行記をお楽しみください。

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1日で高知県、香川県、愛媛県を周る

高知で一泊した翌日は、愛媛県の四国中央市でおこなわれるライブ会場へ。

高知県から愛媛県まで鉄道で移動する場合、香川県を経由することになります。
少し遠回りですが、香川県を駆け足で何ヶ所か巡って愛媛県へ向かいました。

JR四国の特急「南風号」JR四国の特急「南風号」

琴平の観光スポット、金刀比羅宮

朝、高知駅からJR四国の特急「南風号」に乗って、約1時間半、香川県の琴平駅で下車します。琴平は金刀比羅宮(ことひらぐう)と呼ばれる、海の神様を祀る神社が有名で観光スポットとなっています。

金刀比羅宮は山の中腹に位置して、本宮までは785段の石段を登ることになります。

琴平に着いたのが、9時30分頃でした。路地に並ぶお土産屋やレストランは、まだほとんど閉まっています。6月下旬という暑い時期でしたが、比較的涼しい時間帯だったので、本宮まで向かいます。

コロナ渦をきっかけにウォーキングが趣味に

筆者は外出が制限されたコロナ禍をきっかけに、飛沫感染しにくい散歩をするようになり、今ではウォーキングがすっかり趣味となりました。平日は5km、休日には10kmほど歩くことが普通になっています。

歩くことは、お金がかからず、心身共に健康によい最高の趣味です。コロナ禍後の渡欧でも今まで以上に街中を歩くようになった気がします。先程の785段の石段も、スイスイと上がっていけたのもウォーキング効果かもしれません。

琴平駅から40分くらいして、金刀比羅宮(ことひらぐう)の本宮へ到着。見渡す讃岐平野が絶景でした。

一休みした後、琴平駅へ戻ります。

昔の京浜急行に会えることでん

JRの琴平駅の手前に、線路が行き止まり式のホームである頭端式の小さい駅があります。

この駅は、高松琴平電気鉄道(通称ことでん)の琴電琴平駅です。筆者が琴平で途中下車した最大の理由は、この「ことでん」に乗車することでした。

ことでんは、かつて首都圏を走っていた、私鉄の車両が譲渡されて走っています。その中には東京と神奈川の京浜地区を駆け抜ける、赤色の車体の裏路地の超特急と呼ばれる、「京浜急行」の車両も含まれています。

京浜急行沿線に住み、子供の頃から京急を愛用していた、神奈川県民の筆者にとって、昔の京急の車両に乗るのが楽しみでした。

その中でも、京急では1000形と呼ばれ、琴電では1080系と呼ばれる車両は、あらゆる種別に対応してきた一番好きな車両です。京浜急行では2000年直前に姿を消してしまった車両と、約25年の時を経て再会することができました。

ホームに入ってきた電車の外観はかつての赤の塗装ではありませんでしたが、懐かしさを感じます。そして乗車すると、昔の京急の姿が目の前に広がり、一層その思いは強くなりました。

青い長椅子、窓の形、薄緑の内装、運転席、

まさに京急で一番好きだった1000系です。

筆者の住まいの最寄り駅は本線でなく支線で、比較的新しい車両が運用されていましたが、時々、昔ながらの1000系が入線してくると嬉しかった子供時代を思い出します。

かつて京急の1000系だった、ことでんに乗り、高松を目指します。琴平からは約1時間。

懐かしい京急の音に揺られながら、まっすぐな単線をひたすら進んでいきます。

終点の高松築港駅の前には高松城跡があり、鉄道が城のお濠をぐるっとまわる光景がレアで気に入りました。

駆け足で高松駅前を観光、うどん

香川県の県庁所在地、高松市。JRの高松駅はことでんの高松築港駅から歩いて数分の距離にあります。駅前の高松シンボルタワーに登り、夜はレストランになる29階の展望台から見える大都会の高松の全景に感動しました。

手前に高松城とことでんの高松築港駅が見える手前に高松城とことでんの高松築港駅が見える

高松市は瀬戸内海に位置して港町でもあり、高松港コンテナターミナルも眺めることができました。

時間を見るとお昼過ぎ。この日は愛媛県の四国中央市で17時からライブなので、高松観光も駆け足になります。香川県といえば「うどん」です。駅前のうどん屋さんへ駆け込み、うどんを掻き込んで食べて、JR高松駅から予讃線の普通列車で四国中央市に向かいます。

道中、瀬戸大橋を横目に高松から約2時間半で、愛媛県の川之江駅に着きます。

寂しいライブ会場の最寄り駅

川之江駅は今回のライブ会場である、しこちゅ〜ホール(四国中央市市民文化ホール)の最寄り駅になります。

しかし、ライブ会場はここから約5kmあり、歩いても40分くらいかかります。会場まで行くバスも駅前から一日数本、川之江駅は無人駅で駅構内には周辺の情報もなく、タクシーが駅前にあるくらいでした。

とりあえず、駅から近い予約したホテルに向かいます。道中の駅前の商店街は土曜日の昼間なのにほとんど人通りがなく、シャッター街となっています。

ホテルにチェックインして一休みした後、夕方近くになり若干涼しくなり、会場まで歩いて行くことにしました。上述の通り、筆者は歩くのにハマり、特に知らない街中はテンションが上がります。

たまたまホテルのエレベーターで話した人が、ライブに行くために福岡から遠征してきた方で、その方は駅前でタクシーを拾って向かうとのことでした。

筆者はホテルから会場まで、Googleの位置情報を頼りに歩きます(近年渡欧した際も重宝します)。

道に迷うことなく、会場に着くことができました。会場に着くなりホテルで話した方がいて、タクシーできて途中見つけたら乗っけていこうかなと思ったと言われました。タクシーの運転手さんに、会場まで歩いて行く人がいると話したら、こんな暑い中、この距離は無理ですよと言われたそうです。自分が徒歩マニアとして常人を超えつつあるのを感じた瞬間でした。

ライブ会場ライブ会場

昨日の高知に続き、席も前の方で盛り上がった後、会場を出た時は、19時30分過ぎで薄暗くなっていましたが、帰りも歩くことにしました。

その道中、後ろからついてくる人がいてよく見ると、ホテルと会場で話した方でした。その方も歩いて帰るというので一緒に帰り、よければ夕飯でも一緒にという話しになりました。

ライブや野球の推し活遠征の醍醐味の一つだと思うのが、こういう何気ない出会いからファン同士の交流が生まれるということです。

2人で川之江駅周辺まで戻り、シャッター通りの商店街とはいえ、数軒飲み屋が空いていたので入り、森高千里さんを熱く語りながら、違うテーブルで1人飲みしていたファンの方も誘い3人で飲みました。そして、有り難いことに、その一緒に歩いてきた福岡の方に全額奢っていただきました。

森高千里さんも九州の熊本出身ですが、九州の方は男女共に筋が通り、芯が強い人が多い気がします。そして、LINEを交換して次のライブで再会する約束をしたのでした。

ライブの告知チラシライブの告知チラシ

日本最大の建造を誇る今治造船

四国の2日間のライブも終わり、翌日は松山空港から帰京なので、川之江駅から予讃線を更に乗り継ぎ、松山まで向かうことにしました。

普通列車で松山まで2時間半ほどになりますが、途中、タオルの生産で有名な今治駅で下車します。

今治は「今治造船」という、日本最大の造船メーカーがあります。筆者は会社員として国際物流業界で働いていますので、国内外の港に関心があります。

海外に渡航できないコロナ禍の時も森高さんの国内ツアーを通じて、各地の港に足を運ぶようになりました。

ヨーロッパで戦跡紀行をしているように、観光客があまり行かない港湾に近づくことは、マニアックさ、アクセスが良くない場所への訪問は通じるものがあります。

参考記事

【第85回】コロナ禍後、ヨーロッパの戦跡取材再開まで

今治造船の今治工場の大型船を建造するドックが対岸から見られる場所があります。

今治駅の隣の駅である、波止浜駅から歩いて15分、住宅街を抜けると巨大な船が現れます。輸出入が行われる港ではありませんが、日本最大の建造量を誇る今治造船での建造シーンは生で見てみたいと思っていました(2024年、日本で36%の建造シェア)。

松山に着いたのは夕方前。

前回はジャイアンツ戦の応援に来た15年ぶり2度目の松山です。その時、道後温泉などに行ったので今回は駅前を少し歩いて空港に向かいました。

空港で愛媛名物、鯛めし空港で愛媛名物、鯛めし

国内線の帰りのフライトは空港で現地のスイーツをバラで買って食べるのがお決まり国内線の帰りのフライトは空港で現地のスイーツをバラで買って食べるのがお決まり

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【連載】ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡(第1回~第100回)
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著者:ヒロマル

戦争遺跡ライター
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1979年神奈川県生まれ、神奈川県逗葉高校、代々木ゼミナールで1浪、立教大学経済学部卒業。

大学在学中からヨーロッパ、アジアなどを海外放浪してハマってしまい、そのまま新卒で就職せずフリーターをしながら続ける。その後、会社員生活をしながらも休み、転職の合間を利用して海外放浪を続ける。50ヶ国以上訪問。会社の休暇を利用して年に数回、渡欧して取材。

2012年からライター業を会社員との二足のわらじで開始。
2014年からwebメディア(株)フォークラスのTOPICS FAROで2つのシリーズを連載中。

▼もんちゃんねる(You Tube)
https://www.youtube.com/channel/UCN_pzlyTlo4wF7x-NuoHYRA

▼「ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡」シリーズ
https://topicsfaro.com/series/warruins
ヨーロッパ各地を取材し、第二次世界大戦に関する場所を紹介。
軍事用語などは極力省き、中学レベルの社会の知識があれば楽しめる記事にしています。
同シリーズが2017年に書籍化。
「ヒトラー 野望の地図帳」(電波社)から全国書店の世界史コーナーで発売中。

▼「受験に勝つ!世界史の勉強法」シリーズ
https://topicsfaro.com/series/wh
2018年から主に世界史を中心とした文系の勉強方法について執筆。
大学受験だけでなく、大学生や社会人の大人の教養としての世界史の勉強方法にも触れて、
高校生、大学生、社会人とあらゆる世代を対象としています。

世間の文系離れを阻止して、文系の学問の復権に貢献することが、2つの連載の目的です。

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