ストレス解消法は脳で決まる!?解消法に見る男女の違い
ストレスを発散できないままため込んでいると、目に見えて機嫌や体調が悪くなっていくものです。
自分では冷静なつもりでいても、沸点が低くなるのかちょっとしたことですぐカッとなったり、ちょっとでも上手くいかなければ大事な仕事でも放り出したりしてしまうようになってしまいます。
このような行動が許されるのは子供のうちだけで、大人になったら慎まなければいけないので、ストレスの発散は社会人の義務とも言えます。しかし、自分なりのストレス解消法が出来ている人はそんなに多くないのが実情なのです。
ストレスの解消には脳が快を感じる事が重要
人がストレスを感じるのはどこか、という問いに「心」と答える人は少なくないでしょう。しかし、人はストレスを脳で感じているものなのです。
人の感情は脳が分泌する脳内物質と連動していて、楽しいと感じることをすればそれに応じた脳内物質が分泌され気持ちを盛り上げてくれるようになっているのです。
それと同じように、ストレスをため込んでいくとノルアドレナリンという脳内物質の分泌量が増加していくのです。
ノルアドレナリンは、「怒りのホルモン」とも呼ばれる興奮を司る脳内物質で、交感神経を活発に働かせる作用があります。つまり、ストレスが溜まれば溜まるほど脳は興奮状態に置かれやすくなり、身体の働きを乱してしまうことになるのです。
ノルアドレナリンの働きを抑えるのが、快の感情に合わせて分泌されるβエンドルフィンです。βエンドルフィンはモルヒネの約2倍という強い鎮静作用を持っていて、ノルアドレナリンの強い興奮を鎮めてくれます。 つまり、ストレスを解消するためには解消法で快を感じられる事が大事なのです。
男性と女性は快を感じる行動が違う
ストレスの解消には快を感じることが大事、とはいうものの「これだけをすれば誰でもストレス解消」という方法があるわけではありません。
その人ごとの気質や嗜好、そして性別に合わせてストレス解消法を探さなければなりません。
特に、男性と女性では脳が快を感じる方法が違うこと、そしてこの快の感じ方の違いがストレス解消法に大きく影響しているのです。
男性は欲求を満たすことで快を感じる
男性の場合、浴びるように酒を飲んだり、一日中眠りこけたり、美味い物を食べに行ったりといったように、欲求を満たす事をストレス解消法にしている人が多いものです。
人間の脳は欲求を満たす行動をとると「報酬系」と呼ばれる神経が働き、やる気物質と呼ばれるドーパミンが分泌されます。
男性の脳は慢性的なドーパミン不足で、ドーパミンの分泌を促す事によって快を感じやすくなるのです。
女性は甘味や涙で快を感じる
女性の場合、温泉に入ってリラックスしたり、映画などを見て泣いたり、スイーツを食べたりすることをストレス解消法にしている人が多くみられます。
女性の場合、男性に比べると脳はセロトニンが不足しがちなので、甘いものを食べたり泣いたりする事でセロトニンの分泌を促してストレス解消に繋げているのです。
セロトニンは体内時計のリセットを行う脳内物質であり、最近はノルアドレナリンの作用を抑えるストレス解消物質としての役割が注目されています。
男女の脳の違いは趣味にも反映される
このように、男性と女性では脳の性質の違いからストレス解消になる行動が大きく違ってくるものです。そして、脳の違いは趣味にも表れます。
例えば、男性の場合、ゲームやギャンブル、ドライブといった趣味を持つ人は少なくありません。
これらの趣味は報酬系を刺激する「欲求を満たす行動」としての面を持っているのです。
特にギャンブルやドライブのようなスリルを感じる行動は、強い緊張から緩和へ転ずる性質があるため、ドーパミンの分泌が非常に大きくなるのです。
一方女性の場合、ランチの食べ歩きや旅行などのようにセロトニンを分泌させる趣味を持っている人が多くみられます。
女性の趣味は男性には余り理解できないことが多いのですが、「ストレス解消に繋がっている」と考えれば納得がいくのではないでしょうか。