グラついた歯を固定して治療しやすくする暫間固定|トピックスファロー

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2013年3月6日
グラついた歯を固定して治療しやすくする暫間固定

歯周病が進行すると歯ぐきがブヨブヨに膨らんで、グラグラした歯が根っこから脱落しやすくなってしまいます。いったん歯が抜け落ちてしまうともう元には戻せなくなってしまいます。そうならないために、歯を維持したまま歯周病の治療を進める方法である暫間固定について解説していきます。

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歯周病で歯を失わないための暫間固定

毎日の歯のケアが十分でないことは虫歯や歯周病を引き起こす原因となってしまいます。虫歯の場合、ある程度は歯が残るので神経を取ってインレーを充填したりクラウンをかぶせれば、虫歯になる前とそう変わらない程度に復元することも難しくはありません。

しかし、歯周病の場合はそうはいきません。歯槽膿漏にまで進行すると歯茎の腫れに伴う歯のぐらつきや、歯槽骨から歯が抜け落ちるといったように歯が根元から抜けることさえあるのです。

歯が抜けてしまわないように、早急に治療することが大事なのですが歯のぐらつきが大きい場合は「暫間固定」(ざんかんこてい)という方法で治療することが求められるのです。

暫間固定とは?

暫間固定は歯科の専門用語で、「一時的に歯を固定して歯のぐらつきを抑えて噛み合わせられるようにする」という治療法です。

歯の生え変わりや歯周病などで歯がグラグラしている時は、強く噛み合わせるとグラついていた歯がさらにグラついてしまったり、噛み合わせた勢いで根元から取れてしまうことがあります。

一度根本から抜けた歯は元に戻すことはできないため、グラついた歯を固定して動かないようにした上で歯周病の治療を進めるというのが暫間固定の目的なのです。

暫間固定のやり方

暫間固定は「暫くの間」と書くように治療が終わるまでの間、しっかりと固定しなければなりません。その為、虫歯治療で使うレジンやワイヤーなどを使ってグラついている歯の両側の歯と接着・固定を行います。

しかし歯周病によってグラついている歯がある時は、周辺の歯もグラついている事があるので場合によっては2本以上の歯をワイヤーで連結する形で暫間固定することもあります。

暫間固定のデメリットは?

暫間固定にはグラついていた歯も収まり、食事もスムーズに出来るようになるというメリットがありますがデメリットもあります。

暫間固定のために連結させた歯にはグラつきの分だけ負担がよけいにかかるため、グラついていた歯ごと抜けてしまう可能性があるのです。歯周病の進行によって歯が抜けそうになっているということは、周辺の歯肉にも影響が及んでいるということなので、治療は慎重に進めなければなりません。

また、暫間固定はあくまでも一時的なものなので歯がグラつかなくなったからと硬いものを噛むなど歯に負担が掛かる食べ方をすると固定自体が取れてしまうことがあるので注意しましょう。

歯が歯槽骨から抜けていたら…

暫間固定をした上で治療すれば、歯周病で抜けそうになった歯も元通りになるというわけではありません。歯周病が進行していると、歯を支えている歯槽骨から歯が離脱した状態になっている事があるのです。

このように歯が歯槽骨から離脱した状態になっていると、歯が抜けた部分の歯槽骨は吸収されて歯茎も痩せてしまいます

歯が歯槽骨から抜けている、または歯周病の治療が完了している場合は暫間固定から永久固定に切り替えていきます。

永久固定は、グラついている歯を中心にした複数本の歯に対するブリッジの装着で行います。永久固定でのブリッジは、抜けてしまわないように力の入り方を計算して歯の削り方・ブリッジの形状を決めていきます。

著者:和田ちえみ

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三度の飯より書くこと聞くことが好き。インタビューやプロフィール作成、企業社内報など堅い文章も書けます。人の話を聞き、それをまとめるお仕事が多いです。