【叢生】歯が収まりきれず日本人がなりやすい不正咬合|トピックスファロー

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2012年12月25日
【叢生】歯が収まりきれず日本人がなりやすい不正咬合

日本人は、歯が収まりきらない『叢生』という症状を引き起こしやすいです。なぜそんな事が起こるのでしょうか?ここではその答えとして、叢生という症状の説明と主な原因を取り上げています。参考にしてください!

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日本人の顔立ちは歯に悪影響を生じさせやすい

顔の形は実に様々です。角張ったタイプや面長、卵型など実に多種多様です。中には、ある地方を特徴づける顔の形をしている事もあるので、見るだけでどこの出身か解る時があります。
私達日本人の顔立ちはどうでしょうか。
日本人の顔の形はといいますと、顎骨が小さく小顔傾向にあります。
一般的に美しい端正な顔立ちと言われています。

しかし、その端正な顔立ちが、見えない部分で害を生じさせる事があるのです。
小さな顔の特徴となっている小さな顎が、歯に悪影響を与えるのです。
表面に出ない部分ですが、決して見過ごせるようなものではないのです。

そんな見過ごす事ができない悪影響とはどんなものなのでしょうか?

日本人がなりやすい不正咬合

小さな顎が引き起こす悪影響とはどんなものでしょうか?

それは『不正咬合(ふせいこうごう)』と呼ばれるものです。

不正咬合とは、噛み合わせや歯並びが悪い状態の事を言います。

例えば、上の前歯が前に飛び出ている上顎前突(通称出っ歯)や、前歯が反対方向で噛み合わされている反対咬合(通称受け口)というものがあります。
そして、日本人に多く見られるのが『叢生(そうせい)』と呼ばれる不正咬合です。

少し古いデータですが、叢生になっている人の割合は実に高く、男女246人を対象に調査したところ40%の人がなっているという統計が出ています。

なぜ、これ程の人が叢生になってしまうのでしょうか。

叢生を引き起こす3つの理由

叢生とは何でしょうか?
叢生とは、『歯並びが悪く、歯がねじれて生えていたり部分的に重なり合っている状態』の事をいいます。

これは、次のようなものが原因で引き起こされています。

顎骨の小ささ

叢生の一番の原因は顎骨が小さい事にあります。先程も触れましたが、日本人は一般的に顎骨が小さい傾向にあります。歯の大きさも顎骨に合わせて小さければ問題ないのかも知れませんが、歯の大きさは特に小さいという事はありません。これにより、顎骨と歯のバランスに狂いが生じ、歯が収まりきらないという状況(乱杭歯)になっているのです。行き場をなくした歯は、ねじれたり重なり合ったりして収まろうとします。例えるなら満員電車の様な状態になっているのです。

歯の生え変わり時期におこりやすい

叢生は、歯が生え変わる時期に生じやすいです。乳歯から永久歯に生え変わるタイミングや順番が良ければ叢生にならないかも知れませんが、タイミング良く生え変わらせる事や順番通りに生え変わらせる事は不可能なのです。その為、乳歯が抜けていない状態であっても永久歯が生え始める事があるのです。
永久歯が生え出るスペースがないのに、出てきてしまう為歯並びが悪くなり叢生という不正咬合を生じさせてしまうのです。

犬歯の早期脱落

犬歯(通称糸切り歯)が何らかの原因で早期脱落をするのも、叢生を引き起こす原因になります。犬歯が早期脱落をしてしまうと、第一臼歯がその空いた部分に収まるという現象が起きてしまいます。そうなると永久歯の犬歯が行き場をなくしてしまい、“八重歯”となって生えてきてしまいます。
叢生の治療に関しては、一般的に『抜歯』及び『矯正治療』が最善と言われています。

叢生は『小さな顎』+『生え変わるタイミング』でおきてしまう不正咬合

歯並びの悪さや噛み合わせの悪さは、本来であれば生じてほしくないものです。しかし、従来顎の小さい日本人は、その小ささゆえに歯が収まりきらず、叢生という症状を引き起こしやすい傾向にあります。それに加えて、歯の生え変わるタイミングでも叢生は起きやすいです。

この叢生は一度生じてしまうと、放置していても治りません。抜歯や矯正治療などで治すしかありません。
ですから、顎や他の歯への悪影響や別の症状が起きる前に、専門的な所で治療されると良いでしょう。
叢生は、決して無視できない症状なのです。

著者:塩屋 謙

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職業は編集・校正、そしてWEBライターでもあります。興味の範囲を広げつつ、様々な記事を書いています。