快適な職場環境維持には心のケアも大切です
現代の社会では忙しい勤務に加え思うように結果が出ないことなども影響し、多くの人が仕事に関する悩み、ストレスを抱えています。みなさんの身の回りにもいるんじゃないでしょうか?やりたかった仕事に就いたはずなのにいつの日か体調を崩してやめてしまった人など。
中でもうつ病などの精神疾患は多く休職率や離職率は急増しているといいます。
たとえやりがいがあっても、たくさんお給料をもらっていても毎日苦しむのが当たり前になってしまうと全部を投げ出したくなるものですよね。
世界的に不況の中、業績ダウンやリストラは珍しいことではありません。企業間の競争も激しくなり残業など増えた方も多いでしょう。仕事に対しては問題ないけど職場での人間関係で悩む方もいると思います。100パーセントの力を出して働くためにも、心の健康管理が重要な時代となっているようです。
そこで大阪商工会議所は2006年度より心の不調を防止し活力のある職場づくりを目指すためにメンタルヘルス・マネジメント検定というものを実施しています。
メンタルヘルス・マネジメント検定とは?
メンタルヘルス・マネジメント検定とは、精神科医や臨床心理士のような専門知識、専門技術ではなく、職場内での精神疾患の予防に向けた基礎知識や専門家との連携の際に必要とされる知識を習得するためにできたものです。
上で書いた社会背景もあり多くの企業で社員のメンタルヘルスのケアは重視されるようになってきました。それは労働力の活性化や生産性の維持、向上などを目的としています。しかしどのようにメンタルケアをするべきかわからないという管理職も少なくなかったために、こうしたものが必要となったといえるでしょう。
この検定は、企業の管理職にとってとても重要なもので、管理職を目指す人にも役に立つ将来性のある資格といわれています。また受験には学歴や年齢の制限もないので基礎的・入門的な検定として一般の労働者の取得が多いのだとか。
メンタルヘルスの知識を得ることにより自分自身の精神状態を知ることができ、周りの人へと目を向けることができます。またこうした検定が普及することで全国のあらゆる職場でのメンタルヘルス向上につながるのでしょう。
いったいどんなことを学ぶんでしょう?
メンタルヘルスといっても一言でいえるようなものではありません。とても幅広いことを指す言葉であり、また人によっても違うのだと思います。まずは自らのストレスを把握できることが大切です。少ししんどいだけとか、こんなのみんな感じていることだと見過ごしていると精神疾患はどんどん悪化します。
そこでストレスの気づき方とその対処法、そしてまわりへの救助の求め方などを学びます。そして次はまわりに目を向けます。たとえば同僚や部下が不調に見える場合や相談してきた場合にどのような対応をすればいいかはとても難しいと思います。そこで話の聞き方や助言の仕方などを詳しく知っておくことが大切になってくると思います。
その他、Ⅰ種マスターコースでは自社の戦略などを踏まえたうえでのメンタルケア対策を計画することができ、従業員の教育もうまく実施できるようになるといいます。
習得後の活躍の場は?
この資格を取得するとどんな仕事ができるの?という疑問も多いかと思います。
企業に属しメンタルヘルスに関わりたい場合は、一般企業の人事労務関連部門が活躍の場となります。
たとえば人事労務担当や衛生管理、社員として雇用される産業医など。
外部の専門家で考えると医療機関、診断機関、健康保険組合、産業保険センターなどの公的機関で働けることができ職種としては産業カウンセラー、労働衛生コンサルタント、臨床心理士、精神保健福祉士などになるでしょう。
時代の流れもあり労働安全衛生法は改正され、労働者のメンタルケアを行うことを企業が義務づけられている、と言うことをご存知でしょうか?これは外部の専門家を活用することだけではなく労働者自身のセルフケアや管理者が部下に対して行うラインケアのことも指しているのです。
今後もメンタルヘルスの知識や技術はどんどん重要になっていくと思われます。人生は仕事が全てではありませんよね。仕事は、生活をしていく上で欠かせないものではありますが、他のすべてを台無しにするのでは意味がなくなってしまいます。そうならないためにも、こうした心のケアは大切になります。
そして、まわりの人が悩んでいるのを助けられる、ということも仕事のやりがいのひとつになってくるのではないでしょうか?