薬剤師とはどんな仕事?
薬剤師の仕事というと、薬局や病院、ドラッグストアで働く人を想像するでしょう。
上記のような仕事場はもちろん、薬剤師は製薬会社で医薬品を開発したり、保健所で薬事関係の行政を行ったり、学校で衛生管理する「学校薬剤師」という職もあります。また、最近では在宅医療を行う「在宅医療薬剤師」というのも存在します。
このように、薬剤師は幅広い分野で活躍できる仕事です。
また、薬剤師の魅力の1つとして、社会的地位の高さです。
例えばアメリカでは、2011年には1位:看護師(84%)に続いて、2位(73%)の信頼を獲得しています。
また、日本でも日本リテイル研究所が2005年に調査した結果、消防士、裁判官に続く3位に位置しました。
主な職場
病院
入院患者向けの内服薬・注射薬の調剤が主な仕事となります。患者とのコミュニケーションなどの情報から、副作用・相互作用などがないか見守っていく仕事もあります。
その他、医療チームの一員となって専門的な薬物治療作業を行っていく「専門薬剤師」などがあります。
調剤薬局
患者様が持ち込んだ病院・クリニックからの処方箋に従い医薬品を調剤し、服薬指導を行います。
また、管理薬剤師になるとこれに加え、医薬品の在庫管理、レセプトの集計など計数管理も行います。
ドラッグストア
店舗に訪れるお客様の相談に応じて、お客様に合った医薬品を販売する仕事です。
また、医薬品以外にもサプリメントや健康食品などの販売も行いますので、より広い知識が必要となります。その他にも売り場づくりなど、小売業としての仕事も行っていきます。
MR
MRとは医薬情報担当者のことで、製薬会社に勤め自社製品の適切な使用法の普及や、医薬品の有効性・安全性に関する情報を提供していきます。
また、ここで収集した情報を自社に持ち帰ってフィードバックしていく役割もあります。
受験資格
受験資格は、以下の内容が当てはまる人のみ受験することができます。
- 大学において6年制or旧4年生の薬学課程を卒業したもの
- 外国の薬学校を卒業or外国の薬剤師免許を所持しているもので、厚生労働大臣が(1)に掲げる者と同等以上の学力・技術を有すると認められたもの
- 平成18年~平成29年の間に学校教育法に基づき大学に入学し、新4年制課程の薬学課程を卒業し、かつ大学院において薬学修士or博士課程を修了した者のなかで、以下の条件を満たし、厚生労働大臣の認定を受けた者
・大学院における薬学課程の在学期間が2年以上である
・4年課程入学から12年以内に医療薬学に係る科目など6年制との差分単位を修得している事
合格率
合格基準は以下のようになっています。
- 全問題への配点が65%を基本とする。
- 一般問題は構成する各科目の得点が、それぞれ配点35%以上である事。
- 必須問題は全問題への配点が70%以上で、かつ構成する領域の得点がそれぞれ配点50%以上である事。
※試験内容参考:薬剤師国家試験問題集
近年は大体70~80%近くを推移していることが多いようです。平成25年度の第98回薬剤師国家試験は、受験者数11288名に対し合格者数8929名、合格率は79.10%でした。
合格率参考:第98回薬剤師国家試験の結果について(PDF)
関係のある資格
数ある医療系の資格の中には、薬剤師資格の所持が受験資格要綱となる場合があります。
こちらでは、そのような薬剤師と関連のある資格をいくつかご紹介します。
がん専門薬剤師
「医療広告が可能である薬剤師の専門性資格」の初めてであるがん専門薬剤師は、文字通り癌の薬物療法について高度な知識・技術を用いて、医療チームの一員としてがん薬物療法を提供していきます。
2009年まで日本病院薬剤師会が認定していましたが、2010年より日本医療学会が認定しています。
認定団体:日本医療薬学会
がん専門薬剤師 – JSHP
食品衛生管理者
施設における食品や添加物の製造・加工において、衛生管理を行う資格です。
食品衛生法に基づき、食肉製品製造業などの製造・加工過程、特に一定の食品・食品添加物の製造・加工を行う営業者が、施設ごとに必ずおかなくてはならない資格です。
薬剤師の資格を取得している方は、この食品衛生管理者の資格を取得することができます。
認定団体:各都道府県知事(保健所)
食品衛生管理者資格認定講習会について|厚生労働省
労働衛生コンサルタント
事業所や企業の衛生診断・指導を行う仕事です。労働衛生一般・労働衛生関係法令・健康管理or労働衛生工学の3科目を受験することになります。
薬剤師になるとこちらの受験資格を取得することができ、実際多くの薬剤師の方が試験を受けているそうです。
認定団体:安全衛生技術試験協会
受験資格(労働衛生コンサルタント) – 安全衛生技術試験協会
ケアマネジャー(介護支援専門員)
要支援・要介護が必要な人が適切な介護サービスを受けられるようにするためのサービスです。介護サービス計画(ケアプラン)の作成をしたりします。
受験資格の1つとして、薬剤師資格を所持し、5年以上の実務経験を有している事があげられます。
認定団体:各都道府県
介護支援専門員の研修・試験情報 東京都福祉保健局