臨床検査とはどういったことをするのか
臨床検査、と言っても具体的にはどういったことをするのか思い浮かばない方もいるかもしれません。
病院などで健康診断を受けた時のことを思い出してみてください。
胸の辺りに電極をつけられたり、お腹の上にジェルを塗られて何か器具を当てられたことはありませんか?先に述べたものは心電図検査、その次はエコー検査を指しています。
これらは生理学的検査と言われ、他に脳波などを図る神経機能検査や、肺活量などを測定する呼吸機能検査があります。
これらの検査を行う時、臨床検査技師は患者の側に立ち実際に器具を使って測定していきます。
こういった検査の他に、採血をされたり、尿検査をした覚えはありませんか?これらの検査も臨床検査技師の仕事のひとつです。
これらは生化学的検査と言われ、血液や尿などを主に扱い、それらの中に含まれる成分を検査して身体の機能に異常はないか、薬の効果は出ているかなどを見ていきます。
他に、細菌やウイルスなどを調べる微生物学的検査や、免疫状態を調べる免疫学的検査などもあります。
このように、臨床検査技師の仕事は幅広く行われています。
これらの検査によって得られる結果は、今後の患者さんの治療方針を左右するものになったり、あるいは病気の早期発見などに大きく関わって来ます。
臨床検査技師の仕事内容、仕事場所について
臨床検査技師は、実際にはどこで働いているのでしょうか。
前述の通り、検査が主な仕事内容ですから病院での勤務は当然ですね。
病院では検査室などがあり、そこで患者さんに接する技師もいれば、血液検査などを行う専用の機械がある部屋での勤務を行う技師もいます。
大きな病院では様々な診療科があり、患者さんのもつ病気も人により様々です。
たとえば、心電図一つを診る場合でも、それに異常が出てくる原因は数多くあります。
糖尿病が原因の人、肝臓の病気が原因の人、生まれつきの異常がある人など様々です。
臨床検査技師はそれらを選ぶことは出来ません。
幅広い視野が必要になります。
さらに、心電図の結果などの読み取りに関して、医師ももちろん学んでおり精通してる方も多くいますが、日々多くの患者さんのデータを読んで来た臨床検査技師にしか気づけない点も見つかるかもしれません。
臨床検査技師の職場はは病院に限らず、クリニック・検診センターや、医薬品開発会社などがあります。
近年チーム医療の重要性が重視されており、臨床検査技師も医師の“パシリ”などではなく、立派なコ・メディカルの一員となっています。
また、医療機器の精度が上がっていても豊富な経験と知識を持つ技師の能力は非常に貴重なものであり、その活躍が期待されています。
臨床検査技師になるためにはどうしたらよいのか
臨床検査技師というのは、国家資格の一つです。
そのため、高等学校を卒業後、臨床検査技師の養成課程を受けられる四年制大学・三年制短期大学・三年制専門学校などに通う必要があります。
そこで一定の単位を取得し、国家試験を受験し、合格後、免許の申請を行い、臨床検査技師名簿に登録されてはじめて臨床検査技師になることが出来ます。
大学・専門学校での勉強は将来の仕事を考えれば医療関係の内容が多くなります。
そのため、必須ではありませんがそういった分野への興味がある方が楽かと思います。
大学と専門学校がありますが、どういった違いがあるでしょうか。
大学に行った場合、大卒という肩書きがつき、それによって就職や初任給などが多少優遇されるケースがあるようです。
また、大学を出ていなければ取ることが出来ない資格や、将来研究者・技術者を目指す場合に大学院進学が必須になることもあります。
しかし、臨床検査技師養成課程のある大学の七割程度が国公立の大学であるとも言われており、難易度が高いとも言えます。
専門学校では三年間で必要なテクニックをしっかり学び、大学よりもそのスケジュールはハードにはなりますが即戦力になれるでしょう。
「手に職」をつけ、必要なことだけを学びすぐにでも働きたい、という場合はこちらの方が良いかもしれません。