脱サラ開業の夢には失敗を招くロジックが潜む
脱サラして晴れて自分の店を持ち、オーナーとなる夢を持つ人は意外と多いものです。
その場の話題程度の人もいれば、真剣に考えている人も…。
しかし、商売はおままごととは違う事くらいはわかっていても、まさか自分が経済的にひっぱくするとは誰だってなかなか想像出来ないことなのです。
- 晴れて自分の店をオープンしたけれどお客さんが来ない
- チラシをポスティングしているのに効果が薄い
その結果、開店資金として借り入れた借金の返済ができない、最低限の生活までもがひっぱくしてしまう事だって珍しく有りません。
このように開店してはあっという間に店を畳んでしまう星の数ほどの経営者の一人とならないようにするために、あなたは何が必要だと考えますか?
01 しみ付いた会社員のライフスタイルには気づきにくい
毎日会社に出社し業務をこなすことで一定の月給が得られていた会社員時代。
家賃や光熱費、食費というような必要最低限の生活費を月給の範囲内でやりくりし暮らしてきた事が身に染みついてしまっているために、自営業のはたから見えない部分は特に実感しづらくなってしまっています。
脱サラ開業を失敗に導く根本的な原因はそこに気づかず準備不足となってしまうところにあるのかも知れません。
しかし、独身ならまだしも家庭を持っている人が半ば勢いで脱サラ開業するのは無責任じみていると捉えられかねません。
脱サラ開業のリスクとなる身に染み付いた会社員の生活サイクルを脱却する事が大切です。
会社員時代にアルバイトを経験し最初のハードルをクリアする
開店したいと考えている希望の業種でアルバイトや手伝いをさせてもらいましょう。
アルバイト先で学ぶ事
実際の経営のノウハウをしっかり学びましょう。
自営業側の目線から物事を捉えている人と一緒に働く事で見えなかった自営業のカゲの部分を見ることが大切です。
02 わかっているつもりの【開業≠収入】が招く心身の疲労困憊
脱サラ開業する事でこれまでよりも収入が減ってしまうだろうことはある程度の予測はしていても、生活さえ困難になってしまうほどの収入の少なさ、又は赤字に対しての免疫がない、また目が回るほど忙しい支出の部分に追われお金が無い状況に疲労困憊してしまう人は少なく有りません。
開店すると必ずしも収入が得られるというのは、会社員時代の生活スタイルから抜け出せられていないため起こってしまう勘違い。
自営業はある程度の収入さえも誰にも保証されていません。
仕入れや光熱費は売上にかかわらず毎月の出費となる
脱サラ開業を目指す人が意識しなくてはいけないことの一つとして収入が無くても出て行くものは必ずあるということ。
頭では当たり前のように受け止められてしまいますが、非常に重要な事です
。
これまでは一定の給与の中から済ませてきたであろう家賃や光熱費の支払いに関して困った事があるでしょうか?
おそらく大半の人は問題なく支払いを済ませていたと思います。
しかし、自営業は一定の収入の保証などはありません。
その中で店の運営・維持にかかる家賃や光熱費、仕入れ関係の出費は想像以上に莫大と心得ましょう。
また、今までそんなに意識してこなかった必要最低限の生活費も売上から捻出しなくてはいけません。
それは決して簡単な事ではなく、机上の空論だけではどうにもならないのです。
03 自営業はストレスが無い等イメージによる誤解がある
『ノルマがなく、上司や部下、同僚などとのトラブルやストレスも無い』
確かに自営業はノルマが有りません。
売上から店の運営にかかる経費を差し引いた純利益が店の収入になり、そこから生活費も発生するので会社員時代よりも少なくなるかもしれないとの想像は簡単につくようですが、そのうち大部分がなぜか『その分気持ちにゆとりが生まれる』と、何となくイメージしてしまいやすいようです。
ノルマがなく売上が少なくて困る人は自営業では自分自身と家族…。
上司や部下との係わり合いによるストレスはなくなるかも知れませんが決して気持ち的なゆとりが生まれるとは限りませんし、時間さえも、会社員時代より拘束されてしまう事だって多いのです。
開店する前の情報収集をしっかりと
家族がいる場合は家族の反対を押し切っての開店はおすすめできません。
熱意を伝えるプレゼンも開店へのステップと捉え、納得してもらえるような緻密な計画を提案しましょう。
04 『集客=広告』『売上の伸びは時間の経過に比例する』という思い込み
店の認知度を上げ、運営し売上を上げるのは決して『時間の経過』などではなく『集客力』が鍵になります。
そうです、集客力を考える必要が有るのです。
集客を軽く見てはNG
集客の方法もその他大勢の店と同じ集客のやり方では遅かれ早かれその中に埋もれてしまうでしょう。
個人経営の店舗の場合、必ずしもチラシのポスティングなどによる新規顧客開拓が有効とは限りません。
定期的なチラシ配布などは店の存在を知ってもらい、見込み客を獲得するためにも確かに大切ですが、女性客をターゲットにした場合、新規顧客開拓ばかりに気をとられて既存顧客の維持をないがしろにはできません。
新規顧客開拓のためにチラシのポスティングをしてもコストがかかる割りにそれほどの効果は期待できないのは有名な話ですが、個人経営の店舗などにおいては集客システムにあまり力を入れているところは多くはないようです。
売上に大きく係わる集客システムの構築には、顧客リストを基に顧客とのコミュニケーションに重点を置き、紹介や口コミなどによる量より質を重視したシステムを築き上げていきましょう。
05 開業資金やその他の借金が返せない
脱サラし個人経営の店を開店するにはなくてはならないもの…それは資金です。
ある程度の貯金があったとしても経営難はあっという間に貯蓄を食いつぶしてしまう威力を持っています。
開店資金をある程度貯蓄できるまで待ちますか?
それともローンを考えていますか?
銀行でローンを組むのは、よほどの実績や家や土地など担保がないとなかなか難しいようです。
それに金利も考慮すると銀行からの融資はお勧めできません。
開店・運営資金を準備する
開店資金は会社員時代にある程度貯めておくのがベストです。
この時点で給与のうちから資金を捻出できないなどとは、言っていられません。
これからもっと経済的にひっぱくする可能性もあるかも知れない自分のお店を始めようとしているのです。
どうしても開店資金で足りない部分は創業融資といわれる公的団体から低金利で借り入れすることを検討しましょう。
創業融資に関しては商工会議所などで相談できます。