18歳選挙権が施行されます
2015年の6月17日に選挙権を得ることができる年齢が20歳から18歳に引き下げられると言う改正公職選挙法が可決、成立しました。そのため今年の夏の参院選から18歳、19歳の方にも選挙権が与えられます。この改正によって新たに有権者となる人は約240万人だと言われています。そんな18歳選挙権ですが、メリットやデメリットにはどんなものがあるのかを今回は考えて行きます。
若い世代が選挙権を得るメリットとは?
18歳の選挙権についてのメリットをまずは考えます。まず、18歳選挙権の目的というのは「若者の政治意識を高め、若い世代の声を政治に反映させる」ということが大きな目的です。この18最選挙権で増える有権者の数は約240万人であると言われています。これは有権者全体のうち約2%程の割合になります。
割合としては少ないですが、この18歳選挙権によって、若年層の方たちが選挙へ関心を向けてくれれば、低迷している投票率を底上げできる可能性があります。2014年の衆院選においては、投票率の最も高かったのが60代の68.28%。20代は32.58%にとどまっています。
さらに、現代の日本は超高齢化社会と言われるとおり、最も投票率が高いのが60代以上の有権者です。そのため、若い世代の声が政治の場に響きにくい状態であると言えます。その最たる例が、2015年5月17日に行われた「大阪都構想」の是非を問う住民投票の結果に現れています。この大阪都構想の結果は反対票が多く、廃案と言う結果に治まりました。
しかし、この投票の賛成・反対を年代別に分けてみると、20代~60代の賛成率が50%以上。反対率が50%以上であったのは70代のみという結果が見えてきます。このように、日本の今の政治では若い世代の意見がどうしても政治に反映されがたく、こういった現状を打開するためにも18歳選挙権と言うものは必要になっているのかもしれません。
18歳と20歳の差は何か
さらに世界的に見てみると、選挙権がもてる年齢が20歳というのは珍しいようです。早い国では16歳から、ヨーロッパの多くの国では18歳からとされています。選挙権を持つべき年齢は何歳からが適当なのかというのは多くの議論がされています。日本では20歳からが大人と言う認識があります。
しかし、18歳と20歳ということを考えたとき20歳の方が精神的に確実に大人である、とは一概には言えないのではないでしょうか。18歳でもしっかりと政治のことについて考えている人もいれば、20歳だけれどもなんとなく投票に参加している人もいます。大事なのは、若い年代のうちに政治に興味を持ってもらえる環境を作れるかかどうかという部分。そして、18歳選挙権というのは、若者が政治に興味を持つための一つのきっかけになれるのではないかとも言えるはずです。
18歳選挙権のデメリットとは
次に、18歳選挙権のデメリットについて考えていきましょう。まず一つ、挙げられるのが若い世代は他人の影響を受けやすいと言う部分です。例えば、学校や教師の教育が政治において公平ではなく偏っていた場合、その教育を受けている生徒の意見ももちろん公平な視点から見たものではなくなります。
さらに、これは20代の若者にも言えることでもあるのですが、社会的な経験の浅い若者は政治的判断力が乏しいと言うことも。そのため、選挙権を手に入れたとしても政治的判断ができないので、「メディアに露出のある人や、有名な人に投票しておこう」と投票する割合もかなりの数にのぼることも考えられます。
さらに、単純に選挙率を引き下げたところで投票率が上がると単純には考えられません。今の日本の若い世代は政治への興味が薄いと言うことはよく知られています。そのどうして政治への関心や興味が薄いのか、という根っこの部分を解決しなければ結局のところ18歳選挙権と言うのは焼け石に水であるということが言えるでしょう。
被選挙権は据え置きである
また、選挙権が18歳に引き下げられても被選挙権は従来の25歳(30歳)のままなので、意味がないとういう意見もあります。被選挙権とは参政権のうちの1つです。これは当選人の資格、選挙を経て公職に就任する資格と地位を指します。
簡単に言えば、政治家になるための権利と言えばわかりやすいでしょうか。選挙権とは選挙に投票する資格のことをいいますから、本当の意味で若者の意見を政治の場で反映するためには選挙権と同時に、被選挙権を引き下げる必要があるのではないか、という考え方もできるのです。
出典:
http://tsunebo.com/18election
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO88207810Y5A610C1EA2000/
http://life-hacking.net/tokoso-touhyou-nazo/