引っ越す前に知っておきたい東京のゴミ分別
引越しを済ませ、夢の東京暮らしを始めるにあたって知っておかなければならないことはたくさんあります。
周辺の食べ物屋や安いスーパー・コンビニの場所、最寄りの交番や役所の位置などの地理情報、そして公共料金の支払い日やゴミ収集日、ゴミの分別内容などの生活情報です。
特にゴミの分別はご近所トラブルの原因にもなりやすいため、しっかりと覚えておかなければならない情報です。東京でのゴミ分別はどのように行われているのでしょうか?
「夢の島に埋め立て」はもう古い
「東京のゴミ処理」というと、夢の島を思い浮かべる人が多いかと思います。高度経済成長を迎えた昭和30年代からゴミ処理場として活用されるようになった夢の島は、東京中のすべてのゴミが集まってくる場所でした。
この昭和30年代はゴミ処理場の建設がゴミの増加に追い付かず、別の区からゴミが持ち込まれて環境が悪化することへの反対運動が盛んに行われた時代でもあります。華々しい高度経済成長の影の部分こそが、この「東京ゴミ戦争」なのです。
当初、夢の島へのゴミ埋め立ては焼却も行っていなかったので生ゴミから大量のハエが発生するという事態さえ起りましたが現在では焼却処分を行った上で埋め立てているので、衛生面での心配は少なくなっています。
また、江東区にある夢の島への埋め立ては1957年から1967年までとなっており、現在は東京湾内への埋め立てが行われています。
プラスチックも可燃ゴミ?
ある統計では、日本全体で出る一年間のゴミの量は5000万トンに対して東京都内で出るゴミの量は約500万トンと、10分の1を占める勢いであるといわれています。
しかし、燃やせるゴミは焼却処理を行うことで体積を20分の1にまで圧縮できるのですが、リサイクル不能の燃やせないゴミは焼却処分出来ないため埋め立てるしかありません。
つまり、燃やせないゴミの増加は埋立地を圧迫し耐用年数を大きく引き下げる原因になってしまうのです。
そのため東京都では一部のプラスチックやゴム製品・革製品を燃やせる可燃ゴミとして扱っているのです。
CDは燃やせる、ケースは燃やせない
例えば、聴かなくなったCDやDVD、ビデオテープ、カセットテープ、フロッピーディスクなどの記録媒体はプラスチック製ですが燃やせるゴミとして扱われます。
逆に、CD・DVDを収納しておくケースなどは資源プラスチックごみとして回収されます。
ダイオキシンは問題ない?
プラスチックやゴムの焼却処理というとどうしても持ちあがってくるのがダイオキシン問題です。
ダイオキシンはプラスチックなどの塩素を含む物質が300度程度の低温で燃焼されることによって発生する有害物質で、催奇性などが懸念されています。
東京都では800度の高温でごみ焼却を行い、焼却で出た排気をフィルターにかけてダイオキシンを回収した上で外に放出しているため、ゴミ焼却によるダイオキシンの発生は問題の無いレベルになっています。
汚れが落ちないプラスチックはリサイクルしない
食用油や調味料、シャンプー・ボディソープのボトルは中をゆすいで内容物をきれいに除去した上で資源プラスチックごみとして回収されます。
しかし、わさびなどの小型チューブや油汚れが頑固で落ちなかったボトルは資源ごみではなく可燃ゴミとして回収されます。
内容物が残っていると、リサイクルする際に不純物として混入しリサイクル品の品質低下を招く原因になるのです。