夏休みだからといって時間が無限にあるという錯覚
夏休みはたくさん勉強ができると思うのは大間違い
勉強に限らず人間は、期限や制約がある中でこそ工夫することができるのです。間違っても夏休みは一日全ての時間を勉強に使えるという勘違いはしないでください。せいぜい平日の夜の勉強より少し多く勉強ができる程度だと思います。平日は学校もあるという緊張感の中、集中して勉強ができますが、学校がない夏休みだと机に向かっていてもどうしてもだらける時間ができてしまうものです。
予備校の夏期講習は、必要最小限にとどめておく
また、予備校に通ってる受験生は、夏期講習をたくさん入れないでください。予備校は夏期講習に力を入れて、受験生から受講料を取って儲けたいために、夏期講習をたくさん押し付けることが多いです。しかし、夏期講習をたくさん受講すると消化不良を起こす可能性が非常に高いです。せいぜい、苦手科目や独学でやりにくい科目、分野など、夏期講習はせいぜい2科目くらいにして、自学自習できる時間を確保しましょう。
一方、独学で受験勉強している受験生も、自学自習で勉強しているとダレてしまうので、気分転換を兼ねて夏休みの受験勉強にメリハリをつけるために、1、2科目ほど受講するのも良いかと思います。
夏休みは世界史よりも英語、国語の土台を固める
英語と国語が志望校の過去問で5割を取れるようにすること
夏休みは受験勉強の折り返し地点です。夏休みで逆転するという意識より、仕上がりが遅い科目を挽回する最後のチャンスだと思ってください。
基本的に私立文系の場合、英語、国語、社会(地歴公民科目)が受験科目になります。
どの大学も一番配点が高い科目が英語で、国語と社会は配点がほぼ同じです。ですから
社会の入試での配点は1/3未満になります。2/3以上は英語、国語という言語科目の出来にかかってきます。
私立文系の入試は英語、国語の言語科目で決まります。英語と国語は読み物です。英語や古文では土台となる文法、単語の知識も必要ですが、「読解力」が決め手となります。英語も国語も世界史と違うのは小中学校からの知識量や慣れが土台にある科目です。
英語と国語については、「No.10:【コラム】私立文系入試の合格の鍵は、英語と国語の読解力」編を参照。
英語と国語、どちらかが不得意で暗記科目の社会で逃げ切ろうとする受験生が昔から非常に多いです。それは効率が悪いので、夏休みは英語と国語を志望校の過去問で合格点が6割5分前後だとして、半分くらいは得点できるようにしていてください。
英語と国語が夏休みまでにそのくらいできていれば、世界史は遅れていても秋以降からでも充分に勉強する時間を充てることができます。
夏休みが終わるまで世界史は遅くても半分の範囲を終らせる
覚えた時代の内容をまだ完璧に覚えている必要はない
夏休みを基準とした世界史の勉強するスピードについては、「No.6:【世界史攻略】世界史はいつまでに全範囲を終わらせるか?」編で触れているので、夏休みの時点で勉強した世界史の知識をどの程度、定着させるかについて話したいと思います。
細かい知識を完璧に覚えるより、少しでも多くの知識をなんとなくでも良いので頭に入れる意識を持ってください。
夏休みが終わった時点では入試本番までまだ5ヶ月あるので、細かい知識を完璧にしようという意識は入試直前の12月以降からで大丈夫です。初めから完璧を求めすぎると、世界史への勉強のモチベーションが息切れしてしまう可能性が高いです。
特に夏休みは暑いのもあって、世界史のような暗記型の科目の勉強にダラケがきてしまう時期でもあります。そんな時は、今までやった問題集をバーッと、目で追いかける程度の勉強にとどめておいても良いと思います。過去問型問題集をやっているのだったら、問題に直接、回答が書き込みされているはずなので、それを流し読みするだけでも良いです。
世界史はなんとなく暗記しているだけでも、私立大学の選択式の問題は解けてしまうものも多いです。夏休みの時点では覚えた範囲は完璧に覚えるという無理はしなくていいので、入試本番までに完璧にする感覚でいましょう。
遅くても世界史は全範囲の半分、世界史、国語は5割前後または入試本番までになんとかなるという実感を持つようにするのが最低限の夏休みの目標です。それがクリアできていたら、2学期からの追い込みをかけやすくなります。
予備校の模試や学校の定期テストの成績は一切気にしない
大学受験の指標に予備校の模試の偏差値を指標にする人が多いですが、入試本番まで志望校の過去問で合格点を取るのが受験のセオリーです。
大学別模試でもない限り、大手予備校の「全国統一模試○○○」、「全国総合模試△△△」などは、国立、私立関係なくあらゆる志望校の受験生が受ける試験です。大学入試は各大学によって問題傾向や出題形式が違うので、模試の結果の成績や合格判定はほとんど意味がありません。
1学期に行われる模試の世界史は、予備校の授業に合わせて、出題範囲が決められています。しかし、入試本番では全範囲から問題が出ますので、まだ手を付けてない範囲の問題が0点でも気にする必要は全くありません。
併願校を選ぶ際も模試の偏差値の結果を基準に選ぶ受験生が多いですが、併願校を選ぶ際は、第1志望の大学と出題傾向が似ていたり、自分と相性が良さそうな問題を出してくる大学、学部を選びましょう。第1志望の大学に合格しても、併願校に落ちる受験生も非常に多いのが私立大学の入試です。
夏休みに偏差値を〇〇伸ばすという目標を立てるのではなく、入試本番までに合格点を取るために、どれだけそこまでの差を縮められるかという意識を持ってください。