ビールはストレスに良い?
お酒愛好家の中には、ストレス解消のためにお酒を飲む方も多いと思いますが、同時に健康に対するデメリットが気になる人も多いはず。
どうしてお酒はストレスに良いのか、健康的デメリットはないのか、そして、リスクを回避するための上手な飲み方のポイントはどこか、詳しく紹介していきます。
ストレスに良い要因
お酒で楽しい気分になれるのは、楽しさや心地よさを生み出す「ドーパミン」という神経伝達物質が分泌されるためです。
また、ドーパミンが分泌されるのと同時に、通常は「楽しい」という感情を過剰にしないための抑制性脳内物質「GABA(ギャバ、γ-アミノ酪酸)」という物質が分泌されるのですが、アルコールは気持ちを落ち着かせるための物質の分泌を抑えたり、働きを悪くさせたりする効果があるので、より気持ちが盛り上がりやすくなるのです。
また、アルコールにはドーパミンと一緒に「セロトニン」という物質を分泌します。
このセロトニンには、不安や恐怖と言った悪い感情を抑える効果がある脳内物質で、ストレスを抑える働きがあるとされているのです。
その他にも、心拍や血圧を上げる「副腎皮質ホルモン」や「ノルアドレナリン」などの分泌を抑える効果も判明しています。
すなわち、アルコールは楽しい気分を盛り上げるのと同時に、ストレスや緊張から解放してくれる効果がありのです。
ストレス解消以外のメリット
お酒やアルコールは、デメリットについて叫ばれることが多いですが、メリットもあります。
お酒を食前に飲むことで、食欲を増進させてくれます。「食前酒」と言われている飲み方ですね。
食事前にわずかなアルコールを流し込むことで、アルコール分解に糖が使われ血糖値が下がり、その低下が脳に伝わって食欲アップするのです。
また、お酒には血管を拡張させ、血液の流れを良くしてくれる効果があります。その結果、血行が改善し、冷え性改善、疲労回復などの効果も期待できます。
また、アルコールはコミュニケーションを円滑させてくれる飲み物です。
宴会や飲み会などでお酒を飲むと、普段よりも陽気な性格になったり、中々できないような話もしやすくなる人も少なくないと思いますが、それはお酒が普段ある抑制や緊張を解してくれる効果なのです。
お酒の健康的デメリット
お酒にはメリットもあれば、当然デメリットもあります。
まず挙げられるのが、アルコール依存症です。
アルコール依存症は日頃から頻繁に飲んだりしていると起こる依存症ですが、症状によっては自分で気づかなかったり、慢性化して治療が困難になったり、中には決してよくなることはない状態や死に至る場合もあるなど、一度なってしまうと、治療が大変困難な依存症でもあります。
また、お酒を飲み過ぎると、肥満に繋がると言われています。
というのも、実はお酒自体は肥満の直接的原因となる事は少ないのですが、お酒というのは脂質異常症や高血圧、糖尿病など、肥満と密接にある病気と関連が強いため、注意が必要なのです。
その他、アルコールは脳の委縮を引き起こし、記憶力低下や頭の回転を悪くさせるなど、働きを抑制してしまいます。
ちなみに、「アルコールは脳細胞を壊す」という話も聞きますが、実際はアルコールが脳細胞を壊すという事は余りないようです。
しかし、脳細胞は壊さなくとも働きの抑制や、脳細胞の生成を半減させてしまうという報告がなされています。
ですので、脳細胞は壊されなくとも、脳には悪影響な飲み物なのです。
上手に飲むためには
飲み会などでお酒を飲むときは、何かしらの食事をしながら飲むようにしましょう。
空腹状態でお酒を飲んでしまうと、胃の中に食べ物が無いためアルコール吸収速度が速まり、胃を荒らし、酔いが速まってしまいます。
また、アルコール依存症や健康被害を防ぐために、お酒の飲み過ぎに注意しましょう。
大体「適量」とされているのが、一般的にコップ1~2杯程度だとされています。お酒に弱い方や女性の方などは、それよりも減らすくらいがちょうどいいでしょう。
さらに、週2日以上の休肝日(お酒を飲まない日)を設けることで、酒が原因による死亡リスクを大幅に減らすことが可能です。
その他、飲酒時間や飲酒前後の行動にも気を付けましょう。
「お酒を飲むと寝つきが良くなる」として、不眠に悩む人が寝る前にお酒を飲むケースがありますが、基本的にお酒を飲むと、質のいい睡眠ができなくなります。
なので、お酒を飲む時間は、最低で寝る前3時間までに済ませておきましょう。
また、飲酒後の運動や入浴は心臓に負担がかかり、大変危険です。入浴や運動を考えている方は、その前後で飲酒をしないようにしましょう。