保険と共済は別物!? その違いを探る
不景気が続けば、締められる所から締めて財布の紐を締めていきたいと思うのが人の世の常。
必要じゃない時はお金の無駄だと思い、必要な時はケチったことを嘆くことになる保険が、真っ先に経費節約の対象となるのは良くあることです。
そうした保険料節約を試みる人たちに人気を博しているのが「共済」です。共済は保険と何が違うのでしょうか?
保険と共済は似て非なるもの
共済とは、保険会社ではない地方自治体、労働組合、協同組合、企業、学校などの団体が団体構成員の相互扶助を目的として行っている保障事業のことです。
免許の有無
保険と共済の大きな違いは、「金融庁からの認可を受けているかいないか」ということです。
保険を扱っている保険会社は、金融庁に届出を出して免許認可を受けなければ営業することが出来ないと、保険法という法律で定められています。
一方、共済の場合は保険法ではなく農協だったら「農業協同組合法」、生協だったら「生活協同組合法」…というように、それぞれの団体の活動について定めた法律を根拠として活動しているため金融庁の免許を必要としません。しかし、その代わり営利目的での営業が出来ないというデメリットも同時に持っています。
保険料と掛け金の額が違う
共済と保険の大きな違いにして、共済の持つアドバンテージと言えるのが「掛け金が安い」ということです。
保険料には、保険そのものに使う純保険料と保険会社運営の為の付加保険料が含まれています。営利団体である保険会社は純保険料だけでやっていけるわけではないので、会社運営のための付加保険料を契約者から徴収しているのです。
一方、共済の場合は営利目的でなく相互扶助を目的としているので、団体の利益ともなりうる付加保険料の徴収が出来ません。
そのため、同じような保障内容を持つ生命保険と生命共済でも、保険金と掛け金の額に大きな差が出てくるのです。
元本保証がついてないことも
共済は保険に比べて安いしお得だ、と考える人も少なくないでしょう。
しかし、共済には保険のような元本割れを防ぐ元本保証が付いていないケースが多いと言うデメリットがあります。
保険の場合、会社自体が営利目的で活動できるので積み立てた保険料を運用資産として扱い、殖やすことが出来ます。殖やしたぶんだけ余裕が出来るので、積み立て分の元本保証を全契約者につけることが可能になるのです。
一方、共済の場合は営利目的でないので投資などを行うことが出来ず、「積立金=加入者から貰った掛け金の総額」以上に殖やすことは出来ません。増えないと言うことは、補償金が支払われれば支払われるほど積立金が減っていく為、元本保証が出来ないということになるのです。
団体組合員でないと利用できない
共済は「団体の構成員の相互扶助」という建前があるので、基本的に共済を運営している団体に組合員・準組合員として加入していないと利用することが出来ません。
JA共済の場合は例外的に、正組合員の利用高の20%以下までなら「員外利用」として組合員外でも加入できますが、員外利用枠が空いていないと加入することが出来ません。 生協の場合、組合員は買物でのポイントサービスが受けられるので組合員になることも視野に入れても良いかもしれません。