住居のリフォームにも住宅ローンは使えるのか?
「いつかはマイホーム」を合言葉に、仕事に励み、夢を叶えてきた世代が次々と定年退職を迎える時代。
夢の結晶であり終の棲家となるマイホームも、長期住宅ローンが終わる頃にはすっかり老朽化して床がキシキシ言っていたり、憧れを詰め込んだキッチンが使い辛くなっていたりするものです。
息子・娘が世帯主になってマイホームを受け継いだのに古臭くなった家に不満を抱く、なんて話はありふれていて、家族同士の諍いの元にすらなってしまいます。
このように、家の老朽化で発生するトラブルを防ぐには家を壊して建て直すか、リフォームで増改築を行うかの二つに一つです。
建て直しでなくリフォームする利点
テレビ番組の影響もあって一般的になったリフォームは、「現行の建物の一部を残して築面積を増やすことなく新しい建物を建てる」というもの。
古くなった家の一部を残すくらいなら全面建て直しにしたい、という人も少なくないのですが、全面建て直しとなると、今ある家の屋根から柱から床から全部が廃棄になるため、処分費が高くついてしまうことになります。
リフォームの場合、柱を残して屋根・壁・床の張り直しを行うことが多いので、家の間取りや構造は元のままで家の寿命を回復させることが可能です。
元の家の間取りを残せるので新しい家に移った時の違和感も感じにくくなります。
また、リフォームは建て直しよりも工事日数が短く出来るので、その分だけ費用を抑えることもできます。
ただし、柱がシロアリの食害に晒されているなどの場合は建て直しにした方が無難です。
残す柱が食害などでガタガタになっているとリフォームが適用できないのです。
リフォームにも住宅ローンは使える
結論から言えば、既存住宅へのリフォームにも住宅ローンを使うことは可能です。
基本的には、リフォーム専用の住宅ローンと、リフォームにも住宅新築・購入にも使える住宅ローンがあります。
リフォーム用ローンは、無担保型住宅ローンと同じく融資額が制限されていますが、審査が厳しくないのが利点です。
しかし無担保の分だけ金利が高いのが欠点といえます。
新築・購入併用型の住宅ローンは、融資額が無担保ローンよりも高いのが利点といえます。
ただし、融資額が高いため担保が必要になる上に、審査も厳しいのが欠点です。
リフォームに住宅ローンを使うのは得か?
完全に建て替えるわけではないのにローンを組んでまでリフォームするのはおかしい、と考える人も少なくないでしょう。
しかし、多くの持ち家は現金一括購入ではなく長期住宅ローンで賄われているものです。
ローンが返済し終わる頃には愛しの我が家もすっかり老朽化している上に、定年退職の足音も聞こえてくる年頃です。
退職金を当てにしてリフォームする人も少なくありませんが、リフォームできるだけの退職金を貰える人の方が最近は少ないくらいです。
そのため、ローンを組まないとリフォーム出来ないという家庭も少なくないのです。
また、中古住宅を購入してリフォームを行い綺麗になってから移り住むというスタイルを選択する人もいます。このようなケースであれば住宅購入費用+リフォーム費用という形で住宅ローンを組んでしまうのが一番お得でしょう。
住宅ローンとリフォームローンを別々に借り入れようとした場合、審査でどちらかのローンが組めなくなる可能性があるからです。